先日、銀のステッキでこの秋一番の人気コースとなった
「串柿の里」へと添乗でご一緒してまいりました。
和歌山県は四郷(しごう)、日本一の串柿の里。
串柿つくりは400年の伝統があり、
近年はおもに正月飾り用として出荷されています。
例年11月23日に串柿祭りが行われ、
その前後には、あかね色の串柿が山里を彩るのだとか。
「すっごくいいですよ」
実際に下見で訪ねてきたスタッフより聞いてはおりましたが、
訪ねてみると…想像をはるかに超えていました。
いたるところ、柿、柿、柿の玉すだれ。
見事です!
乾された時期により、あかね色の濃さもいろいろ。
中にはそのままかぶりつけそうな、みずみずしいものもあり、
その横でにっこり笑っていたおばあさんに聞くと
「たった今、剥いて吊るしたところや~」とのこと。
近寄って数えてみると、吊るされた1本の竹串にはどれも10個の柿。
なぜ10個かというと…
家族の和と幸せを願い、
「年の初めに夫婦(2つずつ)そろって、仲睦(6つ)まじく」
そんな想いが込められているのだそうです。
お忙しいところご案内をくださったNさんにお伺いすると
四郷の柿農家の方々は、この時期は雨が降ったら柿を取り込んで、
お天気になったらまた吊るして…と大忙し。
11月下旬からはお正月飾りの出荷作業に追われ、
寒い冬の間は柿を吊るす竹串を削って…と、
いわば1年を通しての串柿づくりなのだそうです。
「静かな里に大きなバスでお邪魔して…」と恐縮すると、
「いえいえ、町の方が来てくださるとうれしいですよ、
ふだんは、だーれも来ないところですから」と、Nさん、にっこり。
よく日焼けした笑顔と、柿の玉すだれに包まれていると
ここで暮らす方々の1年がぼんやり見えてくるようでした。
思い出したのは、銀のステッキでも何度もご案内した
京都・和束(わづか)町の茶畑です。
丘一面にうねる茶畑が人の暮らしが生みだした風景、
「生業(なりわい)の景観」であるとして
京都府景観資産にも認定されたところです。
いわば、「人の手の入った自然」。
ふだんよく耳にするのは、「手つかずの自然」。
私自身も旅先を形容する際に安易に用いたりもするのですが、
まぁ、実際には旅の訪問地になっているという時点で
ほんとうの「手つかず」とは言いがたいわけで…
その一方で、言葉どおりを体現しているような
「人の手の入った自然」。
串柿の里は、その美しさを教えてくれました。
▼ツアー報告「台湾、太陽と月の湖“日月潭ラルー”」はコチラ
http://ameblo.jp/arailuka/entry-11063422737.html
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