銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

幾つになっても

2014年12月09日 | Hの生きる喜び、それは
私の家族は旅行好き。
小さい頃から、よく連れて行ってもらいました

とは言っても、贅沢なものではなく
ただ、みんなで出かけて泊まれればそれで良し、
行き先にも宿泊場所にもたいしてこだわりはなし
それでも楽しかった思い出はしっかり残っています

そして、祖父と祖母、愛犬シロはいつも留守番でした

田んぼや畑が気になる祖父は、一日も家を空けたがらず
そもそも旅行が大嫌い
見知らぬ土地に行くのも、知らぬ人と話すのも苦手で
また、自分の家以外では寝られない人でした

対して祖母は、お出かけ大好き、おしゃべり大好き
家でじっとしているのが一番嫌いな性格

全く合わないふたりでしたが、
頑固者の祖父のお相手役の祖母は
否応なしに、留守番役なのでした

きっと、私たちを見送りながら、自分も一緒に
旅行に行きたかっただろうと思います

旅行から帰っても、私は愛犬シロには“ただいま!”
を連呼して飛びついていましたが、
祖父や祖母には感謝の気持ちもなく
留守番が当たり前、なんて思っていました

きっと、寂しかっただろうと思います

そんな祖父も昨年他界、
祖母も89となり、かなり身体の動きもにぶくなってきました

「そう言えばおばあちゃんと一緒に旅行に行ったことなかったな」
「おじいちゃんもいないし、連れて行ったろか」

そうふと、気付いたのが先月
どうして今まで気付かなかったんだろう、と悔やまれますが、
急きょ、温泉旅行を計画しました

こちらでは着々と準備を進め、祖母には内緒にしておき
出発のほんの数日前に、両親がサプライズで伝えると
それはもう、飛び上がるほど喜んだそうです

そして迎えた当日

とびっきりおめかしをして来たおばあちゃん

移動中の車の中で

「こんな箱みたいなとこに人が住んでんねやなあ」
 *箱…マンションのこと
「あの箱の中に人がいてパパッと計算してんねやろか」
 *ETC通過が不思議だったようです
「誰かこの車追いかけてるんやろか」
 *カーナビが不思議だったようです

「これ何?あれ何?何川?何ていう木、花?あれは二上山?」

もう好奇心旺盛の子どもみたい
「おばあちゃん何言うてんの、
ここは姫路やで、二上山は奈良の山、ここにはあらへんよ
これは○○、あれは○○」と、みんなで大笑い

祖母が、見たい見たいと行っていた姫路城も眺めて
買い物もして、
お茶休憩もして

行く先々で車椅子を借りたり、トイレの介助をしたりと
なんやかんやと大変なことも
なぜか楽しく思えてきました

温泉も入って、美味しい料理も食べて、
土産物もいっぱい買って…

さすがに帰りの車の中ではぐっすり休んで…

とはいかず!?帰りも同じテンポで
あれ何?これ何?あれ食べたい、これ見たい!が続きました

「ありがと、ありがと、世話かけたな」
と遠慮がちに言いながら

「来年の夏にまた…」

と言いかけている祖母に誰も笑わずにはいられませんでした

幾つになっても旅する喜びは変わらないものです
それは、私が今の仕事で教えてもらったこと

今まで行けなかった分、
90歳になっても100歳になっても
一緒に旅行に行こな
おばあちゃん

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