銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

桑畑から見えたもの

2018年06月10日 | のほほん同志Aの日常

「皆さん、このマークは何でしょうか?」

6月初旬、梅雨の合い間の晴天に恵まれたある朝、
その日のツアーは、こんな質問から始めてみました。



配布した行程表には、この質問のためにマークを幾つか並べています。

「さぁ、どうですか? 小学校で習いましたよ」

この日のツアータイトルは「マルベリー摘み」。
そして行き先は、京都北部の綾部市です。

マルベリーとは桑の実のこと。
そして、それがヒントでもありました。

「わかった。…桑畑!」

さすが、間髪入れず、正解が出ました。

桑畑の地図記号。私自身もツアーの準備をするなかで、
そういえば小学校で習ったなぁ…と思い出したのですが、同時に不思議な気がしました。

地図記号になったということは、それほど身近にあったということ。なのに…。

実は、事情があり、去年の秋から桑の木を探し続けました。

「桑の木のあるところ、ご存知ないですか」

周囲に訊きまわり、園芸業者さんを訪ね、市役所にも問い合わせ、
神戸にある桑の木幼稚園にも行ってみました。

そうして半年かけて、宝塚・川西・神戸周辺でやっと見つけた桑の木は、たったの3本。

今や桑畑など消滅寸前なのです。

なぜ桑の木を探していたのか…は、さておき。

本日の目的地、綾部はかつて何鹿(いかるが)郡と呼ばれ、養蚕が盛んでした。
そこから生糸をつくる会社として郡是(グンゼ)が生まれました。

そのグンゼのOBさんらが由良川沿いに200本ほど残る桑の木畑を借り受けて、
一年にわずか一週間、マルベリーファームとして開園しているのです。

濃い紫に熟し、たわわに実るマルベリー。



目を輝かせるお客様とは対照的に、私の関心はもっぱら葉っぱのほう。



これであの子たちを飢えさせないですみます。


「こんなに桑の木がいっぱいあるとこ、もうないですよねぇ」

お世話になったグンゼのOBさんにしみじみ言うと、「ないない」と即答されました。

そして、気づきました。

新しいものにまったく興味がなく、かといって歴史にも疎い自分が
ほとんど唯一こころ惹かれるのは、たとえば桑畑のような風景なのです。

失われつつある風景。
近い過去。

これからは、そういうものを追いかけてみようと思います。


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