ヒヤシンス
「ヒヤシャンセが咲いたど」
父はヒヤシンスの花をそう呼んで自分だけのユーモアにひとりで笑った
・・・あの時一緒に笑ってあげれば良かった・・・
父のいない庭で小さな声で言ってみる
「ヒヤシャンセが咲いたど」
星野富弘
ずっと行きたかった星野富弘さんの美術館にやっと行く機会を得ました。
随分前、山野草が一番好きと仰ったお客様が、
「ここに連れて行って」
そのお声から企画したものの、添乗に出る機会がずっとなく、
いつも、ほかのスタッフからの事後の熱い感想を聞いて、
うらめしく思っていました。
富弘さんは、ユニークです。
なんとも言葉遊びが上手で、唸りました。
絵に、言葉に、笑いが、涙があって、
誰かが言っていた「悲劇と喜劇は紙一重」。
笑って、泣いて、やっぱり笑って、そしてじんわり温かくなる。
小さな美術館は、そんな優しい詩画に溢れていました。
その日その時間だからこその、
誰かの心をほぐしてくれる一枚が見つかるはずです。
その日の私には、タイトル「ヒヤシンス」がその一枚となりました。
今回ご一緒したお客様に初日の朝、
「どうしてこのツアーに参加くださったんですか」
お尋ねすると
「群馬は両親の故郷だから、ふたりのルーツを訪ねたくなって」
多分、このことが頭に残っていて、
“あの時、ああしておけばよかった”
誰もが胸の奥にチリチリ残す後悔を、ちょっと自分に置き換えて、
ヒヤシンスの前で立ち止まっていました。
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