今日から神戸ルミナリエが開催する、と朝のニュースが伝えていました。
阪神大震災からの復興を願い、1995年から始まった神戸ルミナリエ。
例年は年末に行われていましたが、今年は震災が発生した1月に開催です。
その日からちょうど29年となる1月17日、京都に出かけました。
祇園八坂の塔を望む料亭さゝ木さんでのお食事。
雲一つない真っ青な空。
瀬戸内海沿いで育った身には、おなじみの冬の朝です。
そんな青空のもと、午後から訪ねたのが、東山七条にある智積院の宝物館でした。
こちらは、長谷川等伯・久蔵父子による襖絵を収蔵していることで知られます。
等伯筆の「楓図」と、跡取り息子であった久蔵による「桜図」。
狩野派を思わせるような、豪華絢爛たる障壁画です。
等伯といえば、能登七尾生まれの絵師。
京に出てきて頭角を現し、狩野派を脅かす存在となりましたが、
でもやっぱり等伯といえば、あっちだよなぁ…と
帰宅後、本をめくってみると、、
やはりありました、「松林図屏風」
この本の著者は、自身も画家であり、2016年に在住先のスペインで亡くなった堀越千秋さん。
『美を見て死ね』という、やや過激なタイトルがあらわすように、
どんな無味乾燥な解説書よりもぐいぐい迫ってくる、「美」の指南書です。
「松林図屏風」の頁から少しご紹介すると、、
「(等伯は)最愛の跡取り息子を26歳で亡くしたあとに、
故郷の能登の浜辺の松林に思いをはせて描いた、と言われている。」
「たくさんの障壁画は、依頼品であり、わが名を高めるべき名品でなくてはならぬ商品であった。
いわば外ヅラである。
ライバルの狩野派に対抗しうる、勝ち誇った絵を描いたのだ。」
「そこに悲しみを吐露するスキはない。
しかし息子を亡くした等伯には、こんな心象風景だけが残ったのだろう。」
この屏風絵を、等伯は故郷の能登から遠く離れた京の都で描きました。
故郷の冬空とかけ離れた、抜けるような青空は、
等伯にはつらすぎたかもしれません。
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