ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No5 Ward・・・・・21

2015-02-19 | 4章 デリー中央第一刑務所No5Ward

   1月30日(月曜日)

 毎夜、停電が続いている。電気のオーバーワークでヒューズが飛んでいるのだ。かなりの房でヒーターを使っている。ぼくの3房にはない。どこかの房でヒーターを使い出すと直ぐに分かる、電燈の光度が落ち少し暗くなる。1個使用中、2個目を使い出すとまた照明の光度が落ちる。これがたぶん電気使用量の限界だと思う。ここで今、使用中2個のヒーターの内1つが料理を終え電源を切ったら照明の光度が戻る、そこで待っていた房がヒーターを使い始めれば停電はしない筈だ。停電する時間帯は夕方6時の施錠後の早い時間だ。長い時は1~2時間停電する。冬だから温かくして食べたいのだろうが夫々が勝手にやり出せば暗い中で冷や飯を食べることになる。フランス人のフランシスから1本5ルピーで蝋燭を買い溜めしていたから最悪の状態にはならないで済んでいる。ヒーターを持っている房はエマの1房、ピーターの4房、アフリカンの5房、ムサカの6房くらいだろう。ダイクの7房とカマルの8房は既に刑務官によって没収されている。
 毎日スタッフをやっている。朝はスニッフ1回だけ、昼は3時までに2回、夜は2~3回。スタッフを入れた後、必ずチャラスのジョイントだ。こんな事を毎日やっていると1日はあっという間に終ってしまう。裁判の進行も刑務所にいる事さえ気にならなくなる。1日中、粉をやって夢うつつで年月が過ぎていく、ホテル代や食事代、煩わしいビザも必要ない。毎日、考える事はスタッフ、チャラス、ビリの手当てだけだ。ドイツ人のトーマスは相変わらず外へは出てこない、日がな1日、房の中で吸い続けているのだろう。
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