このことは、実は書きにくいことだったので伏せていたんですが、インプラント治療の今後の発展、改善、改良の為にと思って、敢えて生意気に受け取られるかと思いますが私見を述べます。
患者さん達は大学病院の治療が日本国内で最高レベルである、と信じている節があります。
しかし、私はそれは違う、殆どの場合そうではない、と明言します。
勿論、全身麻酔とかが必要で物凄く高度な手術を行わないといけないような、顎骨再建とかでは我々開業医では不可能でしょうが、一般的レベル通常の開業医でも十分に治せる治療内容に関しては、大学病院での治療を選択するのは患者さん方にとっても得策ではないだろう、と思います。
その理由を、以下に書きます。
①非常にアポイントが入り難いのが大学病院であり、月に1回とかの予約しか取れない、と言うのが実態だったりする。治療が進むのが非常に遅い。
②担当医を選ぶことが難しい。誰に当たるのかで治療結果が違ってしまう。ビギナーから大ベテランまで格差が大きい。
③本来高次教育機関であるので、見学者とかの目に晒される。
④レントゲン撮影とか、治療内容が変わることで患者さんが色々と場所をその都度移動しなければならない。
⑤同じように、治療内容が変わることで、担当医が変わることが多い。通常1人の信頼できるDRが全て面倒見てくれる訳ではない。
⑥大学病院だから最新設備が揃っているかと言うと、意外に取り入れるのが遅い。稟議上げたりして予算を取る手間が掛かってしまうから。
⑦国の公的機関なので、世界レベルで使われているものであっても、日本の学会で未承認であるものだと使われない、使えない。その為のデメリットが出ることがある。
⑧治療方法、治療方針でも、世界レベルで確立して来ている治療方法であっても、やはり時代の先端的治療内容よりも国内の行政の確立した基準、安心安全に配慮する為に、やや遅めの内容になりがちで、患者さんがその分苦労することが少なくない。
⑨診療が縦割りになっていて、横の連携が意外に難しい。総合的、包括的治療を受けるのが難しいので、患者さんが二度手間とかになってしまう。
⑩初診受け付けして、半年以上待たされる、と言うこともある。その間に、患者さんの状態が悪化してしまう恐れがある。
以上、主だったものを思い付くままに書き連ねました。
つまり、結論から言うと、大学病院では効率的な早い対応、総合的包括的治療を受けるのが難しく、開業医のベテランのDRの方が全然比較に成らないくらい早く治せますし、世界レベルでの治療で痛くなく楽に治せる選択肢が広がる、と言う意外な事実があるのです。
患者さん達は、現在のようなインプラントバッシングの状況があると、安心安全を要望して大学病院なら、と思われるかも知れませんが、では実際にとなるとなかなか進まない、と言うのが現実なんです。
それよりは、チャンと信頼が置けるDRを探されて、全てお任せいただける方が、色々な治療内容を効果的に組み合わせることで、早く楽に綺麗に治せるものなのです。
大学病院は、高度に入り組んだ問題を解決する為の、2次的医療機関であり、高度教育機関である、と言う認識が正しい、と言うことをご理解いただきたいと思います。
もっとはっきり申し上げるなら、大学病院は患者さんをやたら待たせているのなら、あなたは一般開業医で大丈夫ですよ、と助言して差し上げるべきではないか、と個人的には思います。
大学病院と開業医の上手な連携で、真に患者さんにとって良い治療が早く受けられる時代が来る方が良いのでは、と提言したい、と思います。
巷で聞く所によれば、某大学ではインプラントの初診が1年間で1800以上とか。
大学病院の一人勝ちの状況が起きている、と思われます。
しかし、そこまで受けられるだけのキャパシティがあるのでしょうか?
そのような状況なら、受け入れる症例を選んで、開業医で充分対応出来るだろう、と思われるものはそちらに紹介したりするのが良いと思います。
まあOB関係に行くことになって、私とかは全く無関係ですが、患者さんが待たされ過ぎている、と言うお話しを聞くと、可哀想に、と思うのです。
又、反発されてしまうかと思いますが、本当に業界の風通しを良くしたいので、敢えて書かせていただきました。
以上、患者さん側も賢くなっていただいて、上手に診療する所を選択されることをお勧めします。