ここ最近、「SHERLOCK」のモリアーティこと、「フリーバッグ」のホット・プリーストこと
アンドリュー・スコットの作品が立て続けにリリースされていましたが、(それも名作ばかり!)
ちゃんとチェックしていたにも関わらず、あまり言及出来ていなかったのでまとめておこうと思います。
ほとんど取り急ぎのメモ。ツイッターまとめみたいな感じ。
【映画「異人たち」】
まず映画「異人たち」。これは山田太一の小説「異人たちとの夏」を英国に置き換え、
主人公もゲイの脚本家に設定変更している映画。
山田太一の小説は10代の頃に読んでいて、「異人たちとの夏」は大好きな作品でした。
その主人公をアンスコが演じるなんて!願ったり叶ったり!
ホントだ、Strangersの原作、山田太一の「異人たちとの夏」なんだ!?おおおー!
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) March 15, 2023
脚本家アンスコが再会する両親がジェイミー・ベルとクレア・フォイ! https://t.co/A103RRCig3
東京国際映画祭で上映されると知って、
いまだに悪名高いチケット購入システムで何度もエラーを喰らいながらなんとかゲット。
(ほんとどうにかならんのか…)
【異人たち】|第36回東京国際映画祭 #東京国際映画祭 #TIFFJP #eiga
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) October 13, 2023
https://t.co/xZJsn9Xvjc
ロンドンの人気のないフラットに暮らす脚本家のアダムは同じ建物に住むハリーと知り合う。
その一方で、かつて住んでいた実家だった一軒家を訪れる。
そこにはもういないはずの若い両親がアダムを待っていて…
大好きだったとは言っても、最近は読み返していなかったので、
すっかり話の内容を忘れかけておりましたが、
本編を見てだんだん思い出してきた… ああ、なんて切ない…
TIFFで「異人たち」All of Us Strangers観てきた。原作の「異人たちの夏」は10代の頃読んだ大好きな小説の一つだけど、長いこと読んでおらず、内容を忘れかけてた…そうだ、こういう話だった。大好きだったわ。涙が止まらんかった。静謐で美しく、痛みと温かさが入り混じった作品。 pic.twitter.com/NeCQRzttkB
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) October 25, 2023
Frankie Goes To Hollywood の"The Power Of Love"を聴くたびにこの映画のことを思い出しそう。
↓「異人たち」の脚本
https://deadline.com/wp-content/uploads/2023/12/All-Of-Us-Strangers-Read-The-Screenplay_Redacted.pdf
【Netflixドラマシリーズ「リプリー」】
「見知らぬ乗客」や「キャロル」の作者パトリシア・ハイスミスの「リプリー」は
アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」(1960)やマット・デイモン主演の映画(1999)で知られていますが、
この度、全8話ドラマシリーズとしてアンドリュー主演でドラマ化されました。
アンドリュー主演のドラマって初じゃない??
(1999年の映画は当時劇場で見たことがあります。一番原作に忠実みたい。)
A new look at Andrew Scott in RIPLEY. Coming April 4. pic.twitter.com/rLUQwerifQ
— Netflix (@netflix) February 1, 2024
詐欺で生計を立てているトム・リプリーは、造船業を営む富豪グリーンリーフの息子の友人と間違われ?
イタリアで放蕩するその息子ディッキーに戻ってくるよう説得を依頼する。
金のためにグリーンリーフの依頼を承諾し、イタリアに渡ったリプリーは、
ディッキーと恋人マージと接触し、友好的な態度を見せながら、ディッキーの暮らす豪邸に居座ってしまう。
しかしマージは彼の本性を疑っていて…
モリアーティで世界一のコンサルタント犯罪者を演じていたアンドリューですが、
このドラマの中では行き当たりばったりの爪の甘い詐欺や犯罪を積み重ねていて、毎回ハラハラさせられます!
しかし映像はモノクロームでリプリーが巡るベネツィアやローマなどイタリア各地の風景が息を呑むほど美しい!!
Andrew Scott is Tom Ripley
— Netflix (@netflix) April 1, 2024
Johnny Flynn is Dickie Greenleaf
Dakota Fanning is Marge Sherwood
Eliot Sumner is Freddie Miles
Maurizio Lombardi is Inspector Ravini
Ripley premieres this Thursday. pic.twitter.com/jkJL8ZLFdl
アンドリュー演じるトム・リプリーがなりすます富豪の息子ディッキーは
舞台"The Motive and the Cue"でリチャード・バートンに扮していたジョニー・フリン!
リプリーを訝しみながらも疑いきれない気の毒な富豪の息子を演じてます。
◆配信開始
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) April 4, 2024
Netflixシリーズ『リプリー』(アメリカ)
舞台は1960年代のニューヨーク。イタリアにいる息子を説得し連れ戻してほしいと、ある富豪から雇われたペテン師。
彼は富と特権を享受しながらも、不正や詐欺、殺人にまで手を染める人生を歩き始める。#リプリー pic.twitter.com/csdQQ84ZSt
以下、当時の自分の感想。
「リプリー」第一話見たよ!モノクロームのどこを切り取っても美しいNYやイタリアの風景。
そして不穏な雰囲気を漂わせつつもどこか人間臭いアンスコのトム・リプリー。
はぁはぁ言いながら階段登ったり、言葉が通じない中ピチピチ水着試着して苦笑したり、
やっぱり闇があるのに憎めないキャラが似合う。
第二話。詐欺の手口に目敏く気づいて友人に指摘するのに、一方で誰が見ても明らかに犯罪絡みの旅行を持ちかけるリプリー。
より重い詐欺の方に全く悪気を感じてないのが面白い。
ジョニー・フリンとダコタ・ファニングの世間知らずでありつつもリプリーに対し警戒し距離を取る演技が上手い。
第三話。とうとうやっちゃったな。堂々とはしているけど、手口が全然鮮やかじゃないのが本当にハラハラする。
第四〜六話。! あまりに詰めの甘い犯行ですんごいヤキモキさせられるけど、警察出てくると俄然燃えてくるラビーニ警部、渋かっこいい。
警部!凶器はその灰皿ですよ!!
もったいぶってとっておいた「リプリー」の第7, 8話見終わった!はー面白かったー。
警部意外と仕事出来なくて助かったね。それにしてもやっぱりどこを切り取っても美しいドラマシリーズだった。
リプリーと逃避行してるような気分になったし、最終話のカラヴァッジョとの対比も刺激的だったわ。
Ripley, but it's just Tom going up stairs pic.twitter.com/JlUG4fxSC1
— Netflix (@netflix) April 8, 2024
ちなみに、リプリーを疑い続けるマージを演じたダコタ・ファニングとアンドリューのインタビュー動画は、
本編とは違ってどれも和気藹々としてて微笑ましいです。
ダコタの11歳の誕生日に初めての携帯電話を買ってあげたのは「宇宙戦争」で共演したトム・クルーズだとか。
彼は最近の30歳の誕生日まで毎年ダコタに誕生日プレゼントを送っているらしく、
アンドリューの「僕はもらったことない。トムー??(僕にもちょうだい顔)」が笑えます。
Dakota Fanning & Andrew Scott Quiz Each Other on Their Careers | All About Me | Harper's BAZAAR
【NT Live「ワーニャ」】
そして舞台「ワーニャ」。
2023年8月28日〜9月2日にリッジモンドシアター、9月15日〜10月21日にデュークオブヨーク劇場で上演された、
言わずもがなアントン・チェーホフの代表作の一つですが、
全ての登場人物をアンドリュー一人で演じるという、挑戦的なプロダクション。
↓リハーサルの様子。
Here's Andrew Scott in Vanya rehearsals to brighten up your Tuesday mornings 😎
— National Theatre Live (@NTLive) January 23, 2024
📸 Marc Brenner pic.twitter.com/Pnwiff15wt
映画館上映作品としてNT Liveの一つとして組み込まれ、
日本でも2024年5月24日から全国の映画館で上映が始まりました。
私はその前の5月18日の先行上映で一足早く鑑賞。
上演後の評判として「今世紀最高の演技のひとつとして記憶に残るであろう」とまで言われていて、とても楽しみにしていました。
アンドリュー・スコット 主演『ワーニャ』https://t.co/nOJi3q0gHV
— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) May 2, 2024
🎬5/24(金)から公開は👇
TOHOシネマズ日本橋
TOHOシネマズららぽーと横浜
TOHOシネマズ 赤池
大阪ステーションシティシネマ
キノシネマ天神
シネ・リーブル池袋
シネ・リーブル神戸
アップリンク京都 pic.twitter.com/f55p7jUuDC
タイトルになっているワーニャおじさんはアイヴァンといった風に、
この舞台では登場人物の名前を英語名に書き換えられています。
アイヴァンと姪のソニアは亡くなったソニアの母アナの土地で農業に勤しみ、
ソニアの父である映画監督のアレクサンダーを支えています。
アレクサンダーはアナの死後に若いヘレナと結婚。
アイヴァンや医者のマイケルはヘレナに惹かれていますが、
まだウブなソニアはそのマイケルに惹かれています。
”Three Days in the Country”といい、
ロシア演劇ってこういう家族&出入りする地元民の報われない一方通行の恋(そして立ち去っていく)が多いよなー。
そして土地や相続問題…
あらすじの内容だけを考えると気が滅入りそうな物語ですが、
アンドリューの演技の巧みさで、とても楽しめる舞台になっています。
NTLive「ワーニャ」先行上映見てきた!
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) May 18, 2024
先に見ていた海外フォロワーさんに「少し予習すると分かりやすいよ」と言われてたけど、このナプキンやネックレス等「人物の手にしてる物」のヒントは関係性を理解するための大きな助けになる!参考にされたし!
そしてアンスコの演技力&集中力はやはり凄いよ! https://t.co/zwivVPim5O
一人芝居で衣装も変えずに何人も演じるというと、
次々に役が切り替わって、瞬間的に誰が誰なのか把握するのが難しいそうですが、「動き回る落語」だと思うとわかりやすい!
ヘレナが座るブランコや家政婦の吸うタバコなど、小道具の使い方で誰を演じているのかがわかる。
それに、先に見ていた方から「ラブシーンも一人で演じてた」と聞いて
どゆこと??と思いましたが、本当に一人でやってました。
扉に背中を押しつけ、荒い息遣いの中、片方の手で争うもう片方の腕を掴む…
一人で演じてるのになんだか余計にドキドキしてしまいます。
アンドリューはこの「ワーニャ」でLondon theatre Critics Circle Awardsの最優秀男優賞を受賞。
実は同年に前述の「異人たち」の演技でLondon Film Critics Circle Awardsでも主演男優賞を受賞しており、
同年に映画・演劇の両方を受賞するのは史上初の快挙なんだそうです。すごい!!
This afternoon, Andrew Scott was awarded his third Critics’ Circle Award for Best Actor following his solo Vanya.
— WhatsOnStage (@WhatsOnStage) March 25, 2024
In receiving it he became the first performer to ever win the #CriticsCircleAwards for Film and Drama in the same year. Here is just some of his beautiful speech… pic.twitter.com/pYCAneL6T0
そしてオリヴィエ賞でも演劇主演男優賞にノミネートされていて最有力かと思われていましたが、
結果的にはこれも前述の"The Motive and the Cue"のマーク・ゲイティスが受賞し、
「ワーニャ」はリバイバル演劇賞の方を受賞しました。
"The Motive and the Cue"もNT Liveで今夏上映予定です
The @CunardLine Award for Best Revival goes to @vanyaonstage by #AntonChekhov adapted by @StephensSimon at the @dukeofyorksLDN.#OlivierAwards pic.twitter.com/0qOPgmaYmr
— Olivier Awards (@OlivierAwards) April 14, 2024
先行上映前のトークイベントで、シェイクスピアを専門とされている英文学者の河合祥一郎先生が
「アンドリュー凄い!ってなりますけど、オリヴィエ賞を取ったマーク・ゲイティスの演技がどれだけ凄いか、今後の上映で見比べられるわけですね」
と仰ってて、ゲイティスオタクとして緊張しちゃう…
実際どちらのファンの私も、色々劇評や賞レースをチェックしてて、
アンドリューが有力なんだろうな…と思ってました。
でも二人の演技は遠泳と潜水の凄さを比べるようなものでどっちも素晴らしいのです。
Everybody stay calm, #Vanya is in cinemas next week 🍿
— National Theatre (@NationalTheatre) February 17, 2024
Vanya, with #AndrewScott, hits the big screen with @NTLive from 22 Feb.
📸 Emilio Madrid pic.twitter.com/STU6MRHUUW
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