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脱出ゲーム "Sherlock: The Official Live Game" (The Game Is On)【2019年1月11日】

2021-08-26 | TV/SHERLOCK S2〜

もう2年近く前の話になってしまいますが、
ロンドンで語学留学中に、ドラマ「SHERLOCK」をテーマにした
脱出ゲーム"Sherlock: The Official Live Game"に挑戦しました。
(当時は"The Game Is On"というイベント名でした。)


留学準備中にこの企画が発表され、2018年冬から公開されたのですが、
自分を含めて最低4名の仲間を集めないといけないので、
一人でロンドンに留学しに行く私にはハードルが高く、
しかもチケットも高かったので、落ち着いてからどうするか考えようと思っていました。

(54ポンドのチケット代は当時のレビューにも
 「最も高価なエスケープ・ルーム」と書かれていました。
 2021年現在は2名以上で28ポンドから参加出来るようです。)

しかし渡英後の9月、ロンドンで初対面したドイツ人の友人・J
「1月の"The Game Is Now"のチケットが余ってるから行かない?」と誘ってくれたのです!

留学した手で今以上に英語力が備わっていなかったことが不安でしたが、
せっかくの願っても無いお誘いだったので喜んで飛びつき、
残りのメンバーは、当時ロンドン在住だった同じSHERLOCK好きの友達・Sを誘い、
彼女にもう一人のメンバーとして友達・Oを誘ってもらいました。
(誘うというより説得が近かったかも… やはりチケット代がネックだった…)

 

《秘密の眼鏡店 "Doyle's Optician"へ》

この脱出ゲームのコンセプトは、
スウェーデンにいて英国に戻れないシャーロックの代わりに、
マイクロフトの部下として秘密諜報組織"The Network"の一員となって国家安全のために働く、というもの。

申し込みをして届くマイクロフトからの指令書には、
「訓練初日」にシェパード・ブッシュW12ショッピングセンターの中にある
"Doyle's Optician"(日本語だと「ドイル眼鏡」?)を訪れ、
ドアベルを指定時間前に鳴らすように書かれています。


W12ショッピングセンター(左)と、Jから送ってもらったマイクロフトからの指令書のスクショ(右)
Mが同じ書き方だから、サインはマーク・ゲイティス本人のもののはず!

「眼鏡店」での約束の時間は18:30
念のため、Jと17時頃に待ち合わせしていたのですが、学校から直接向かったら30分ほど早く着いてしまいました。

ショッピングセンターを奥へ奥へと進んでいくと、ありました!

"Doyle's Optician"!
コナン・ドイルの生年にちなんで1859年開業になっています。芸が細かい!
看板のウェブサイトにアクセスすると公式ページに飛ぶようになっています。


WiFiもちゃんと"DoylesOptician"になってる!

一見すると、普通の眼鏡屋さんのようですが、
その入口には「完全予約制」の札が。

ドアもナンバーロックのカギが掛けられていて、外からは開けられません。

なぜカギが掛かっているのが分かったかというと、自分で開けようと試みたわけではなくて、
ここが脱出ゲームの入口だと知らない通りすがりの人が
店に入ろうとして扉を開けようとしているのを何度か見かけたからです!!(笑)
そのくらい、何の変哲も無い眼鏡店に見えるわけです。

しかし、モールの出口近くに移動し店の壁に目をやると、
一面にSHERLOCKのキャストのシルエットと名ゼリフが貼られています。

なので、ここを見れば番組関連の場所であることは分かる…かもしれません。

待ち合わせたJと時間までモールの中のカフェでお茶をしていると、
Sから仕事の都合で予定より遅れるかもしれないと連絡があったので、
私とJの2人で先に「眼鏡店」に入り、
同伴者が遅れても待ってもらえるかスタッフに相談することにしました。

指令書に書かれていた通り、予約時間から余裕を持ってドアベルを鳴らし、
Jがインターホンごしに「定期検診」"routine examination"だと伝えると、
店員の格好をした男性がかけ出てきてドアを開けてくれました。

他の脱出ゲームに参加したことがないので、
こういったアトラクションが通常どんな雰囲気なのか比較出来ませんが、
"The Game Is On"の案内人は、ディズニーランドのキャストさんのノリに近いです。
男女限らず「スタンフォード」と名乗る「検眼士」を装ったスタッフがフレンドリーに迎えてくれます。

「スタンフォード」に仲間が遅れることを伝えると、
まだ時間があるから大丈夫だよ!と、手荷物を輸送用ケースのような箱形のロッカーに預け、
先にタブレットで名前や連絡先などの情報を入力することになりました。
(記憶してないけど任務に失敗=死亡しても自己責任、いう契約書もあったらしい。)
中は肌寒いから上着は着て行った方がいいとアドバイスされた気がします。

そしてゆっくり入力をしている間、15分くらいでなんとかSOが到着。
チーム名はJの提案で「ディオゲネス・クラブ」に決定。
言わずもがな、マイクロフトが会員の紳士クラブの名前です。

 

以下、将来ゲームに挑戦したいと考えている方は、ネタバレを含みますのでご注意ください!!

また、内容や使用映像については、謎解きに集中力を必要とする内容であった点や、
 私の英語力不足のために詳細までは記述していない点もご了承ください…

 

《新人研修》

眼鏡店で「スタンフォード」から簡単に、
しかしもっともらしく前述の任務(コンセプト)の説明があった後は、
店の奥にある通路を通って視聴覚室のような椅子の並んだ暗い部屋に連れて行かれます。

そこで、マーティン・フリーマン扮するジョン・ワトソンによる注意事項の説明映像を見て、
「スタンフォード」による「訓練」…簡単な推理問題が出題され、それに回答します。
(問題の詳細は忘れちゃったけど、私にもすぐ分かる程度の易しいものでした。)
ちょっと昔リリースされたアプリゲームの"SHERLOCK: The Network"を思い出しますね。

その後、さらに奥の部屋に進むと、目の前に現れたのはあの221B!(を再現した部屋!)
そこで全員揃っての記念撮影。否が応でもテンションが上がります!
シャロコンの221Bのセットを再現した場所では撮影しなかったから、ここで友達との記念が残せてよかった!


チーム「ディオゲネス・クラブ」の記念撮影写真

↓こちらはショーランナーのスティーヴン・モファットマーク
 それぞれのパートナーと一緒にゲームにチャレンジした時の写真。

時間をかけて221Bの部屋の隅々まで観察したかったのですが、
撮影が終わるとあまり時間もなく、
モニターに私たちのボス、マイクロフトからのメッセージ映像が流れ始めました。
興奮してお互いをバシバシ叩き合う、マークファンのJと私(笑)。

すると突然映像が途切れ、ノイズが部屋全体を支配。
何が起こったのか分からず、慌て始める「スタンフォード」。

どうやら、モリアーティがマイクロフトを誘拐したらしい!
モリアーティの狙いは、謎のウィルスの拡散
このウィルスは人間だけでなく、コンピューターにも影響を及ぼすもので、
マイクロフトを解放して欲しくば、The Networkのエージェントにウィルスを拡散させろというのです。
(…って、謎解きに必死で余裕がなかったけど、そんな筋書きだったらしい。
なんだか振り返ると、今の私たちにはちょっとシリアスに感じる筋書きですね…

 

《The Game Is On!》

そしてここから制限時間:1時間の、
ウィルス拡散を阻止し、囚われたマイクロフトを救出するゲーム開始!!

ゲームは3つの部屋があって、まずは聖バーソロミュー病院のモルグ
おなじみ法医学者のモリーが用意した遺留品からコードを探して
厳重な柵に囲まれたキーロックに入力し、先に進むためのドアを開けます。

最終的なロックを解除するために、鍵付きボックスなどの複数の箇所を開けなければいけません。
中央にはおそらくウィルスに感染したエージェントの遺体を納めたケースがあり、
始めは内部が見えないようになっていますが、
横についているキーロックを解除すると覆っているパネルが下がるようになっていました。

注意書きに「開けるな!:ウィルス感染の可能性あり」と書かれていますね…怖っ!


(画像は公式ツイッターより)

モルグの中にもモニターがあって、ヒント探しに苦戦していると、
シャーロックが「◯◯は間違ってる」とか「よくやった、今のが正解だ」
メッセージで逐一ぶっきらぼうに教えてくれます。
(実際には部屋の裏側で待機してる「スタンフォード」が見守ってくれているんだと思いますが…)

どの部屋の中にも時計やカウントダウンがなく、
どれだけの時間がかかっているのかはわからないので、
とにかくひたすら焦って手当たり次第手がかりを探すのみ!!

 

《In British Government》

2つ目の部屋はマイクロフトのオフィス
部屋にあるメモや隠し扉の中に置かれたものから
世界中に散らばっているエージェントの位置を調べて
テーブルの上の世界地図にボタンで印をつけた後、電話でキーコードを訊いて次のドアを開けます。


(画像は公式ツイッターより)

切羽詰まった状況ですが、マイクロフト好きの性は抑えきれず、
エージェントの居場所を示唆するヒントを探しながらも、
ワードローブにあったマイクロフトの背広のジャケットを着てみたりして

「ハァ、マイクロフトのジャケット大きい… まるで包み込まれているよう…」
「マークがお試しプレイの時に袖を通してたらどうしよう… 間接ハグ…」

とウットリしてました。
そんな余裕は一切ないんですけどね!!

一方、Jはしっかり匂いまで確認してたらしい(笑)。洗いたての匂いだったそうです。
そして、内ポケットに「空の霊柩車」で言及されてた、
レミゼのチケットが入っていて笑えました。
観劇している日にちがマークの誕生日だったと後でJに言ったら

「そうそう!ミウモなら気づいてると思ったよ!」

謎解きのヒントに気づけなくても、そういうことにはすぐに気づけるんだ、私は!!(笑)

 

《Heart, Brain and Lungs》

最後の部屋はヴィクトリア朝時代の手術室をモチーフにしたパズルを解く部屋。
写真に合わせて物を置いたり、パイプを組み合わせて空気の通り道を変えたり、
ボックスを枠に差し込んで色合わせをしたり、2人掛かりでネジを回して目盛りをあげたりして、
ウィルスの侵入を阻止するための?装置を起動させます。


(画像は公式ツイッターより)

他の2つの部屋では全然活躍出来ずに申し訳ない気持ちでいっぱいだった私は、
このフィジカルなパズル部屋の中で空気を送り込んだり、取っ手を倒したりして、
やっと役に立てた気がしました(苦笑)。

全ての調整が終わり、真ん中の仕掛けの中にあるレバーを引いたら、ついに任務完了です。

他に挑戦した方がレビューの中で、
このストーリーの中に出てくるウィルスはモリアーティ自身で、
(シャーロック)が不在の間に、ウィルス(モリアーティ)が(マイクロフト)を乗っ取ったため、
送り込まれたアンチウィルスである私たち「エージェント」がウィルスを駆除するという
「忌まわしき花嫁」のメタ的な捉え方が出来る、と書いていて、おーと納得しました。

特に、最後の部屋で
レバーが仕込まれた仕掛け(上の公式ツイッターからの画像を参照)に
使われている装飾が「心臓・肺・脳」だったり、
モニターにモリアーティがまるでウィルスのように蠢いていたりしていて、
まるで、マインドパレスの中のように、もしくは「ミクロの決死圏」のように、
私たちが誰かの内部に入り込み、ウィルスを撃退していたような構図に思えます。
最後の部屋のモチーフも解剖する手術室ですしね。
設定自体もよく考え込まれてるんだなーと感心しました。

 

《The Mind Palace》

最後の部屋を無事に出て、ゲームが終わると、
別のスタッフが成績表のようなものを渡してくれます。

結果は「任務成功」! 60分ギリギリだったみたいです。
「知的なチーム」「アカデミック」と評価されてますが、
私は絶対ここに貢献出来てないな…(悲)。

もしかしたら参加者はみんなオマケされて
「成功」になっているんじゃないかと思ったりしたのですが、
マーティン・フリーマンが挑戦した時は任務失敗だったらしい。

OGPイメージ

Martin Freeman turns up to Sherlock-themed escape room...and loses

The actor was reportedly not able to complete the challenge, even afte...

Metro

 

この時の詳細は「スタンフォード」の一人が
スタッフみんなと一緒に撮った写真と一緒にツイッターでつぶやいていて、
同伴した人のことまで書いてあったので、いいのかなーと思ってたら、
案の定、後で削除されていました。

以前リース・シェアスミスが家族で挑戦した時の写真も、
公式が投稿した後に注文が入ったのかすぐに削除されてたし、
どうも「スタンフォード」は機密情報の扱いがうまくないらしい…
マイクロフトに怒られちゃうんじゃないかな。

さて、ゲームの後はみんなでバー"The Mind Palace"で乾杯。
ここにも、番組にちなんだ装飾が施されていました。

図書室のコーナーには「忌まわしき花嫁」のシャーロックとマイクロフトの肖像が。

スイスに住んでいるJは、滝の絵を前にしてなんの絵か知らないスタッフに、
「私このライヘンバッハの滝に行ったことあるんです!」と自慢していました。

番組テーマのカクテルもありました。
当時はオープンしたばかりであまり種類もなかったと思うのですが、
私が注文したのはモリーがテーマのカクテル。
他のメンバーが頼んだのはジョンだったかな…?

アサヒスーパードライもありました。

振り返ってみると、バーにたどり着いたのは集合時間からちょうど2時間後
もしかしたら実際には謎解きに1時間以上かかってたのかもしれませんね。

予想通り、謎解き以前の英語力の問題で、
全くの役立たず…アンダーソン状態だった私。
参加したのが留学後半だったらもうちょっと様になってたかもしれないけど、
時間が制限されている中で、慌てずに一つ一つ問題を解いていくのは難しいですね。

Jに頼まれてメンバーを集めるという一番最初のミッションがなんとかなった時点で
ホッとして燃え尽きていた気がします(苦笑)。
とにかくメンバーが4人無事に揃ってよかった…。
そして何より集まった仲間がクレバーで助かりました。

 

当初、"The Game Is Now"世界展開するという話だったのですが、
2020年以降の新型コロナウィルス感染拡大の影響もあるためか、
英国以外での展開については未定のようです。

しかし、私たちが挑戦した後に、チケット設定に変更があったり、
野外謎解き企画カクテルにちなんだミステリー企画が出来たり、
ゲームに参加しなくてもバーのテーブルが予約出来たりと、
楽しみ方が増えたようなので、
今後また海外旅行が気軽に出来るようになったら、
是非、試しに行ってみてください!

Sherlock: The Official Live Game | Sherlock Escape Room in London | Things To Do In London

Sherlock: The Official Live Game is the only official Sherlock Escape ...

Sherlock: The Official Live Game

 

 

参考:

 


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