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『マリー・アントワネット』

2007-02-04 | movie/劇場公開作品
先週の話ですが、『マリー・アントワネット』見てきた。
ソフィア・コッポラ監督作品。


史劇を見せて欲しくてこの映画観るのは間違い。
『大奥』みたいな、女のドロドロを過度に期待してる淑女は
(そんなの期待してること自体淑女じゃないが、)
これまた期待はずれ。
この映画は完璧な青春映画です。


ハイハイ、ガーリー映画ね。コッポラの娘ね。
それだけで私は斜に構えて観ちゃう。
けど、何故か彼女の映画を観終わるといつも思う、
「DVD出たら買わなきゃ」と。(買ってないけど。)
『ロスト・イン・トランスレーション』もかなり好きでした。
(ビル・マーレイとはっぴいえんど抜きにしても。)


いいじゃない、女なんだから。
女の子でしか映せないことをやんなきゃダメよ。

生き生き語るソフィアの姿が目に浮かぶ。
カンヌ映画祭でブーイング受けようが、パステルカラーの映画を撮り続ける、
わが道を行ってる彼女はある意味かっちょいい。


「1800円返せ!」ってお客さんもいるみたいだけど、
本物のヴェルサイユの素晴らしい眺めを見るだけでも
1800円の元は取れてる。
他にチケット代返して欲しい映画なんていくらでもあるよ。


私は少なくとも、歴史の再現なんて求めていなかったし、
女のドロドロ部分なんて現実社会で十分知ってるからもうたくさん。
心が現実に追いついていかない主人公の姿を見るだけで
十分満足できました。


キルスティン・ダンストのインタビューが
実にこの映画をよく物語っていたよ。
「ルイ16世とマリーは、途方にくれた子供」。


今まで私たちが抱いていた、わがままな王妃としてのマリーではなく、
自覚のないままに国の運命を背負わされた若者の日記。


どこか上の空で、突きつけられる外側の真実は
彼らの生活とは接点をもってなくて、
与えられた世界の中での秩序を求められて苦しむ。
今の日本の若者たちとそう変わりない。


○子様もこれだけ伸び伸び発散できていたら、
ご静養する必要もないのだろうなと安易なおせっかいで考えてしまう。


ブルボン朝の世界とは似ても似つかないニュー・ロマンティック、
ポスト・ロックのサントラも、そんな上の空感にマッチしてるけど、
マカロンもふわふわ生クリームも
当時はあそこまで溢れてなかったそうなので注意。


夢の跡を感じさせる、並木と寝室のシーンが印象的だった。
アントニア・フレーザーの原作が読みたくなったな。

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