啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

赤城「鍋割山」と「迦葉山」

2011-05-21 12:23:25 | 低山歩き

赤城の「鍋割山」(1332メートル)。今年は初めてだが、これから何回登ることになるのだろうか。近くて、自然が豊かで、足の訓練にもなるー私にとっては貴重な山だ。18日に急に思い立って鍋割を目指した。

姫百合駐車場にクルマを停め歩き出す。登山道入り口から木の階段を修理中で通行止め。迂回路が設定されているが皆さんお構いなしに入っていく。私だけが、案内標示に沿って歩いたが、いつもと違う道で新鮮な感じ。ハルリンドウ?と一輪咲きのリンドウを見つけたが、残念ながらフデリンドウだった。駐車場の車は“今日が平日?”と思うほど多かったが、工事通行止めの登山道と迂回路が合流するまで、誰一人と会わず快適。

荒山高原に近い急登の辺り、今年もカタクリが可愛く咲いている。本物の自生カタクリ。小さな白い花を見つけたが、名前が判らない。アカヤシオツツジも咲いていた。

荒山高原から鍋割までの尾根道は快適。ただ、まだ木々が芽吹き始めたばかり。おまけに、保育園児が一杯で“元気な挨拶”に負けっ放し”。快適とは行かなかった。山頂はとんぼ返りで、鈴ヶ岳など見え展望の良い一番高い場所で一休みした。

「迦葉山」(1322メートル)は沼田市の北西にある。天狗を祭った曹洞宗のお寺「迦葉山龍華院弥勒寺」が登山口。日本3大天狗のお寺に入るという。比叡山の高僧“円仁”を招き天台宗でスタートしたが、1400年代に改宗したという。

登り初めから急登が続く。特に、鎖で登る“和尚台”前後の3-40分は木の根や岩につかまりながらの登り。鎖場は巻き道があるので問題ない。この岩には登山に興味がなかった頃、ハイキングで登ったのでエスケープ。高岩の岩場の恐さがまだ残っている?

鞍部に出るとタムシバやオオカメノキ、ミツバツツジなど咲いており西からの風が冷たく快適。山頂の展望は殆どない。余裕があったので1・2キロ先の白樺湿原まで足をのばした。小さな湿原はコバイケイソウの若葉で覆われていた。

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「ギンラン」

2011-05-20 11:22:30 | 山野草

新緑の雑木林。未だ地面は枯れた色で占められるが、木々の新芽を上回る新鮮なグリーンの葉が輝き、白く小さな花は可憐。自生している「ギンラン」に今年も会えた。今月10日に紹介した“キンラン”が咲いている場所と同じ「秘密の場所」。株数が年々少なくなっている。

「ギンラン」はラン科キンラン属の多年草。何時の頃までかは判らないが“昔は里山の雑木林に普通に見られた”という。野性ランの一つ。黄色い花をつけるキンランに対し、白い花のものをギンランと呼ぶ。私の知る“秘密の場所”では、キンランとギンランがほとんど同じ環境で自生しており、花の咲く時期がややギンランのほうが遅いという感じがする。

※このランは、ラン菌を必要とする特殊な生育環境が必要で、栽培することはプロでも難しく、事実上不可能だという。それでも盗掘されてしまう。10日に写真で紹介したキンランの花(株)は、1週間後には陰も形も無くなっていた。掘った跡が残っていた。4,5年前にキンランを初めて見つけた場所にあった個体も、掘り返されていた。残念で仕方がない。

栽培が難しい植物を盗掘しても、枯らすだけです。野に置き愛でましょう。園芸店の皆さん、農協の担当の方など皆さん“絶滅危惧種など貴重な山野草を仕入れないようにしてください”。販売すべきではありません。売れなければ盗掘も減ると確信します。
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「オオミスミソウ」「ヒトリシズカ」「ヒロハコンロンソウ?」

2011-05-19 16:14:29 | 山野草

今日(19日)山からの帰路、カーエアコン(冷房)を入れた。季節が急に進んでいる。トキの島の野草を3件取りげて、区切りをつけよう。

「オオミスミソウ」(雪割り草)は自宅の庭に咲いたものを既に紹介済み。これは、トキの島で自生していたもの。標高で4百メートルほどの里山で、オオミスミソウが自生している場所があったが、昨年行って見ると全く無くなっていた。多分盗掘によるものと思う。今年もゼロだったが、数百メートル離れた別の山道を歩いていると数株だが咲いているのを見つけた。少し日当たりの良い場所にさいていたが、やや元気がないように見える。「オオミスミソウ」はキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草。

「ヒトリシズカ」はセンリョウ科チャラン属の多年草。やや日陰の肥えた林のなかに、少し光沢のある濃い緑の葉を開き、その中央にブラシ?状の白い可憐な花をつける。この可憐さを“静御前”に例えたもの。


3つ目は「コンロンソウの仲間」としておこう。多分“ヒロハ?ミツバ?のコンロンソウ”だと思うのだが、確信が持てない。栃木県の足尾町と粟野町を結ぶ山道の峠付近で、数年前にコンロンソウを見つけ変わった花と思って調べたことがある。その花に似ていたので、調べたが確定できなかった。どなたか教えてください。

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「イワカガミ」

2011-05-18 07:22:22 | 山野草

「イワカガミ」が可憐なピンクの花をつけていた。桐生方面の山に行くと“コイワカガミ”を良く見かける。イワカガミ全体を小振りにしたような感じで、白の花をつけているのも見かける。トキの島では普通のイワカガミしか見たことがないが、図鑑を見ると“日本海側にオオイワカガミが分布する”と紹介されており、どちらかはわからない。ネットで調べてみたが「個体による変化が多く、区別しない場合もある」というので、そのままイワカガミ。

「イワカガミ」はイワウメ科イワカガミ属の多年草。高山植物に分類されている。トキの島では標高で3,4百メートルの山にも生えている。岩場に多く、葉に光沢があるので鏡に例えたものと名前の由来を説明している。トキの島では岩場というより、肥えて湿った林で、少し日当たりの良い場所に多く咲いていた。

艶のある葉が雪融け後の枯れた林に目立つ。花茎を10-20センチほど伸ばし、先端に多いと7-8個の花をつける。色が少ない林の中でピンクが際立つ可愛い花だ。
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「キンポウゲ」

2011-05-17 08:40:26 | 山野草

山野草に興味を持って調べるようになって気付いたのが「ユリ科」「キク科」「キンポウゲ科」に分類されるものが多いこと。キク科の仲間が一番多いとどこかで見た記憶がある。キンポウゲ科を見分ける時、私なりにポイントにしているのが“葉のくびれ”。深い切れ込みがあるものが多いと思っている。

「キンポウゲ」はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。田や畑のある人里、少し湿り気のあるような草原や茅原などに多く、日本中に分布している。春に咲く黄色の花は多いが、タンポポの花が綿毛となる頃に主役を張る。濃い黄色の花が風に揺れる姿は愛らしい。

洋種の園芸種で「ラナンキュラス」というのがある。和名にすると花金鳳花と現すのだそうだ。金鳳花(属)の“学名”はRanunculus Japonicus。ranaはラテン語で蛙のことだそうで、蛙が多くいるようなところに生えるということだそうだ。ラナンキュラスは派手な花だが、キンポウゲは黄金の花びらの輝きが際立つ静かな花である。
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「オドリコソウ」と桜の木!

2011-05-16 08:15:05 | 山野草

トキの島では「オドリコソウ」が今を盛りと咲いていた。“おけさ柿”(ヒラタネナシ柿)の果樹園や道路脇などあちこちに見る。クリーム色(白)の唇形花を正面や横から見た形を“陣笠をかぶった踊り子の姿”に想ったという名が印象的だ。

「オドリコソウ」はシソ科オドリコソウ属の多年草。図鑑では北海道から九州まで、広く分布していると紹介されているが、私の住んでいる西群馬というか群馬県内で見たことがない。同じシソ科で花の色や生育環境がホトケノザに似た形をしているヒメオドリコソウは群馬でも新潟でもどこでも見かけるのだが・・。

子供の頃、この花のことを“チチ(乳)バナ”と呼んでいた。蜜の香りが強く、ミツバチが集まっていたような記憶が今でもある。特に美しいわけでもないし、私の好む清々しさがあるとも想わないが、何か気になるのは花の名のせいだろうか。

※当家の庭に妙な形をしたものが出現?した。誰かさん曰く「遠くから見たら巨大な毛虫の巣に見えるかも」。実は・・サクランボの実が色付き始め、鳥の襲来から守るため、苦肉の策として“寒冷紗”を巻きつけたもの。寒冷紗というのは野菜などの種をまいた後などにトンネル状に被せる布で、低温や風から守るため設置するもの。

数年前からサクランボが実るようになったが、実が色付いてくると同時に小鳥たちに食べられてしまっていた。苦肉の策として寒冷紗をグルグル巻きにしたのが写真だ。庭をテリトリーにしている2羽のヒヨドリ、ムクドリなどが寄ってきて“侵入口”を必死で探っている。



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「ショウジョウバカマ」

2011-05-15 12:41:05 | 山野草

トキの島に田植えの手伝いに出かけた。道中、コシヒカリの本場の魚沼地方は未だ木々が芽吹いたばかりで、田植えの準備が進んでいる。越後平野は田植えの最中。トキの島(新潟3大コシヒカリの産地)でも田植えが始まっていた。今年は季節の変化がややイレギュラーのようだ。先週後半も天候が不順で寒かったり、暑かったり、風が強かったりと大変だった。

「ショウジョウバカマ」はユリ科の多年草。中低山の湿った林や登山道脇などで、雪融けの後に花茎をヒョコンと伸ばし、赤紫の花をつける。雪融けの遅い高い山では、6月末になっても咲いているのを見かける。トキの島の里山ではもうこの花の季節は終わりで、花を枯らしているものが多かった。

ちょっと変わった呼称が気になる。“ショウジョウ=猩々”は中国の伝説上の動物のことだという。猿と人間の中間で、赤い顔をしていることから。大酒飲みにも例えられるようだ。ハカマ(袴)は後の写真の根元のロゼット状の葉の部分を袴に見立てた。私の妄想“袴姿の可愛らしい少女”を想定したものではなかった。雪融け後の湿った林では、甘く可愛らしい存在感があるのだが・・・。

タテの写真は少し明るい土手に咲いていたもの。すくすくと育って明るい。よく見るとキクザキイチゲの葉も見える。

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「キンラン」

2011-05-10 09:09:02 | 山野草

自生している「キンラン」の花である。昔は、どこにでも見られる黄色の花の植物だったという。楢の木を中心とした雑木林の環境変化や野生ランブームによる乱獲などから、めっきりと個体数を減らした。1997年に絶滅危惧種2類(絶滅の危機が増大しているもの)に指定されている。生きるための条件が複雑で、栽培は不可能に近いという。フィールドに置いたままで楽しむべき。

「キンラン」はラン科キンラン属の多年草。見た目にも清々しく鮮やかな緑色の茎を2,30センチすっと伸ばし、引き締まった黄色(黄金色)の花を数厘つける。花は花弁を全開せず慎ましい。黄色系の花はフンワリムードが多いが、この花に会うと“凛”と引き締まる感じがするのは私だけか。好きな花ベスト5の特別バージョン。

このランの自生地を偶然に知ったのが4年程前で植物に興味が膨らんでいた頃。最初は“凄い綺麗な花”ぐらいだったが、図鑑で調べて珍しいラン科の植物と知った。以来、私とカミさんの秘密の場所とし、毎年訪ねている。ここには白い花をつける「ギンラン」も自生している。

「秘密の場所」で今年は、芽を伸ばし始めたばかりの若い個体で、二株ほどしか見つけられなかった。昨年はもう少し多かったはず。自生地の辺りをイノシシと思われる動物が、地面を掘り起こした形跡があちこち残っているのが気掛かり。一雨降れば、もっと芽を出してくれると期待している。“まだ早すぎた”と思いその場から下ると、人家に近い場所(林の縁)にこの花が咲いていた。今年も会えた。

※この植物は、人工的に育てるのが極めて困難ということです。正常に生活するにはラン球根(ラン菌)が欠かせず、しかも独特な菌根なのだそうです。菌根を通じ、周囲から栄養分を取得しており、生育環境も独特。従って、プロが育てても数年しか生きず、事実上栽培は無理です。盗掘は止めましょう。販売することも止めてください!!!

※11日から週末まで帰省するため休止します。
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「フジ」「クサフジ」「カラスノエンドウ」

2011-05-09 10:57:03 | 山野草

立夏を二日ほど過ぎた。私が初夏への季節の変化を感じるのが“登山道などに、紫色のフジの花が落ちている時”。山歩きの服装をそろそろ夏仕様に変えよう。

「フジ」は図鑑調に紹介すれば“マメ科のつる性落葉木本”。山中で木に絡まって伸びるヤマフジ、公園で人気の藤棚、家庭の庭でも栽培されている。この写真は高崎自然歩道の金井澤の碑から根小屋城址方面に登りかけたところ。林の中のあちこちに、紫の花の塊が目立っている。私の場合、フジのトンネルや大規模な藤棚などは余り好まない。ヤマフジが咲くだけでよい。

フジは昔、飢饉の時に根を食べたという。若芽は和え物や炒め物にする。花は天ぷらにしたり、塩漬けにして花茶などにするという。どれもメジャーではないようだが・・・。

は「クサフジ」。マメ科ソラマメ属の多年草。写真に撮ったのは初めてだが、よく見ると今まで何回も見ており、余り何も感じなかったお花。花がフジに似ていることから名が付いている。結構派手な草である。

は「カラスノエンドウ」。これもマメ科ソラマメ属。どこで撮ったか忘れてしまったが、道や田畑のクロ、草地などあちこちで見る。子供の頃、グリーンの実の両端を切り草笛を鳴らしたことを記憶している。
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「ヤマブキソウ」と「ヤマブキ」

2011-05-08 10:05:37 | 山野草

今日でゴールデンウィークが終わる。孫2人の“襲来”がなければ、何の変哲もない10日間。もっとも、孫が来ている間だけ元気で、4月末のインフルエンザからこどもの日頃の風邪と連続の風邪に見舞われた誰かのおかげで、どこにも出掛けられず、畑の草むしりは一段落した。

「ヤマブキソウ」は我が家の庭に咲いたもの。フィールドで見たのは、西上州の秘境といわれる“カミヤツウチグラ(諏訪山)”に登った時の一度だけ。歩き出して間もなく咲いており、同行した知人に名を教えていただいた。

ケシ科クサノオウ属の多年草。草丈は20センチ程度と高くないが、花径が2-3センチで鮮やかな黄色をした花をつけるのが印象的。里山だけでなく、庭木としてもポピュラーなヤマブキと花が似ているのでこの名が付いた。クサノオウ同様に、黄色い樹液を持っているという。周りを明るくするほど鮮やかな黄色が素晴らしい。花弁は4枚。

落葉低木の「ヤマブキ」は今、北関東あたりの低山の沢沿いあたりで満開。意外にもバラ科の植物だという。自生では花弁が5枚で一重咲きのものが大半だが、八重咲きの種もあるのだという。高崎自然歩道で八重咲のものを撮ってあったが“栽培種が飛び火したもの”と思い破棄してしまった。庭に植えられているものは八重が覆い。白花のタイプもあるが、これは別種だという。御嶽山ハイキングコースで撮影。

“山吹色”というとオレンジ色に近い濃い黄色のこと。独特なニュアンス(色彩)を現すために使われるぐらい目立つ存在。花言葉は「すがすがしい明るさ」だそうだ。



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