啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ハナイカダ」と「チゴユリ」

2011-05-07 10:59:20 | 山野草

季節がなかなか安定しない。今年は山野草にとって、生育条件は良い年なのだろうか。葉の表面に花や実をつけた状態になる変わった落葉低木の「ハナイカダ」。我が家の庭にも植えられているが、何だか普通の樹木と同じで、葉に花が咲いたのを見たことがなかった。今年は咲いている。天候が不順で、雨も少ない。ハナイカダには良くないような気がするが・・。

「ハナイカダ」はミズキ科の落葉低木。この写真は、高崎自然歩道の金澤の碑から根小屋城址方面に少し登ったところに咲いていたもの。丁寧に“看板”が立てられているからすぐ判る。存在は知っていたが花の写真を撮ったのは今年が初めて。雌雄異株で雄株は多数の花をつけるというから、写真は雄株。花が葉の上に咲く様子を、筏に例えこの名が付いた。

可愛くも、美しくもないが、珍しい花(木)だ。若葉だけでなく、秋に実る黒い実も食べられるのだそうだ。

「チゴユリ」はユリ科の多年草。里山の林の縁や登山道脇などあちこちに咲いている。花を2輪つけていることもある。こちらは、珍しくも何ともないが、小さくて可愛いのが特徴。


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「アオダモ」「ツクバネウツギ」「コバノガマズミ」

2011-05-06 10:35:12 | 山野草

今日はちょっと欲張って、3種類の里山に咲く木の花を紹介してみよう。何だか判らないが木に咲く花でも“白い花”に興味を引かれることが多い。

最初の写真は「アオダモ」。モクセイ科のトネリコ属。野球のバットの材料として有名だが、木質に粘りがありスキ-など含め運道具の材料になるという。また、家具にも利用され、樹皮が薬用に利用されるなど用途は多い。

名前の“アオ”はネットで調べると1、雨上がりに樹皮が青緑色になる2、青の染料に使われる3、枝を水に浸すと水が青い蛍光色になるーというようなことが書いてあった。タモはトネリコを指す。樹皮に付く虫が出す蝋を、敷居に塗るとすべりが良くなるのだそうだ。

昨年、寄居町にある山を歩いた時、地元の方にアオダモとウワミズザクラの名を教えていただいた。写真の個体は高崎自然歩道の根小屋城址辺り。

「ツクバネウツギ」が咲き始めた。スイカズラ科の落葉低木。秋に果実を付けるが、プロペラの羽根(ガク片)をつけており、これを羽根突きの羽根に例えた。小さいがホンワリとした花を対で咲かせており、何だか可愛い姿が印象的。高崎自然歩道の城山団地西。


「コバノガマズミ」も今の時期、日当たりの良い里山の林の縁の主役。この木もスイカズラ科の落葉低木。普通のガマズミ?に対し花も葉も小型なのでこの名が付いたようだ。高崎自然歩道の山名城址付近。


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「ヤマシャクヤク」

2011-05-05 13:15:11 | 山野草

私の好きな花ベスト5に入る「ヤマシャクヤク」が咲いた。残念ながらフィールドで撮影したものではない。数年前、農協のグリーンセンターで販売されており買い求めた。3年ほど前に2個の花を付け、今年は茎の数も増え6個ほど花をつけた。トキの島で営林署の仕事をしていた親戚の人が、山で咲いているのを見たと言っていた。群馬県近辺の山でこの花を見ることができるのだろうか。一度自生している姿を見てみたい。どなたか教えてくれませんか?(無理ですよね!)

「ヤマシャクヤク」はボタン科の多年草。キンポウゲ科のボタン属として扱われることもあるという。芽が出る時には園芸種のシャクヤクとそっくりに見えるのでボタン科とした。山で咲くシャクヤクだからこの名が付いた。白くフックラとした花弁は5枚が多く、6-7枚もあるという。図鑑によるとベニバナのタイプもあるというが、北日本に自生するものの数は少ないそうだ。

秋に付く果実は袋果(豆のようなもの)で、割れ目から赤い小さな種子と黒青色の成熟した種子。花の清楚な姿に対し、種は派手な色をしている。


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「ムラサキケマン」と「ミヤマキケマン」

2011-05-04 08:24:13 | 山野草

華マンとは、仏堂の欄間や仏塔にかける装飾物のこと。国宝クラスの仏像や仏具など、作られた当時は金箔や漆など使い、色彩豊かなものが多かったようだ。仏様に関連する装飾物の名を借り、紫や黄色で奇妙な形をした花の部分と切れ込みの深い葉(ニンジン状)が、妖しい雰囲気を醸し出している。

「ムラサキケマン」は群馬辺りでは里山の半日陰の場所など、今頃の時期にあちこちで見かける。杉林の縁など環境の厳しいところでも元気。少しグラデーションのかかった紫色の花は、日陰の中で目立つが、良く見ると何だか妖しい感じがする。ケシ科の2年草だという。藤岡市南西部の高山地区の御嶽山ハイキングコースの林道にいっぱい咲いていた。

「ミヤマキケマン」もケシ科の2年草。ケマン草で花が黄色の“キケマン”もあるが、これは本州中部以西の海岸沿いなどに自生しているというから、下の黄花の写真は“ミヤマ”タイプで間違いないだろう。上記の御嶽山でも見られたが、この写真は桐生市の鳴神山のものだ。もっと群れて咲いているものもあったが、登山道で初めて見つけたものを撮った。キケマンより深い山に咲くことからこの名が付いたそうだ。

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「アマドコロ」と「コシアブラ」

2011-05-03 08:52:30 | 山野草

時間を持て余している今年は、春の木の芽をたっぷりと楽しめるのではないかと思っていた。ところが、里山の季節が初夏に変わろうとする今になっても、自由の恩恵を殆ど得られていない。特にタラの芽は、収穫?を見込んでいた場所で全て先を越された。山菜の「アマドコロ」と「コシアブラ」を初めて食べてみた。

「アマドコロ」はユリ科アマドコロ属の多年草。散歩コース・竹沼の堤防沿いに咲いていた。似た植物に“ナルコユリ”があるが、茎の部分が角張っているのがアマドコロで、ナルコユリは丸いという。触ってみたから間違いない。根茎は食べることができ、薬効もある。根の部分を食べると甘く“トコロ(ヤマイモとそっくりで葉が丸い)”と似ているのでこの名が付いたという。

根の部分は食べたことがないが、図鑑に「新芽が食べられる」と書いてあったので、トキの島に帰省した時、丸々と肥えた新芽を見つけ持ち帰った。天ぷらでは独特の風味を理解できなかったが、お浸しで初めての味覚を感じた。

下の写真は、山菜としてタラの芽と競う人気となっているという「コシアブラ」。トキの島から持ち帰り、自宅の庭に植えて3-4年になる。高さが1メートル50センチぐらいに成長。今年初めて、3-4個の新芽を収穫?した。無論、副芽の存在を確認している。数が少なかったが、こちらは天ぷらでいただいた。「タラの芽より上級」という人もいるそうだ。“なるほど”という味がした?

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「フッキソウ」

2011-05-02 07:49:34 | 山野草

丹沢・塔ノ岳への大倉尾根登山道ーといっても歩き出して一時間ほどの駒止茶屋前のベンチの下。見慣れない植物を見つけたので早速シャッターを押した。花の形が独特な展開なことと、草か木か見分けが付かない微妙な形態。名前が判らず、放置されかけていた。偶然に図鑑で似た植物を見かけ、調べてみたら“ほぼこの花に間違いない”とブログに載った。

「フッキソウ」(富貴草)は草本ではなく、ツゲ科の常緑低木。濃い緑が重なり合っており、どちらかといえば草に見える。意識して見た事は無かったが、日本全国に生育しており、山地の林の中がメイン。茎は地面を這い、先が立ち上がるという。花は春に咲き、穂状の独特な形をしている。白く見える部分はガク片だそうだ。

常緑でよく育ち“めでたい草”という意味から富貴草の名が付いているのだという。ベンチの下(脇)という特殊な環境でも群生していた。茶屋の前という状況もあり、自生しているものかどうかは不明。濃い緑が勢いよく増えることから、グランドカバー用などに植えられることも多いという。
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「ジュウニヒトエ」(十二単)

2011-05-01 09:01:12 | 山野草

今のところ春の花が一斉に咲き始め、掲載の順番を悩むほど。高崎自然歩道(根子屋城址)でも色々な草木が花をつけている。本丸跡に登る辺り。少し日の当たる斜面に「ジュウニヒトエ」が咲いていた。遊歩道の歩き始めの場所に近い“山の上碑”のところで、単独で咲いているものがあり、群れて咲いているこの写真か、単独で静かに咲いているものかどちらを掲載するか少し迷ったが、この写真を選択した。どちらでも良いのだが、何故か両方の採用は考えられない。

「ジュウニヒトエ」はシソ科キランソウ属の多年草。花が重なって咲く様子を十二単(ひとえ)に例えたもの。高貴なお姫様がきる立派な着物のイメージはなく、どちらかといえば静かな佇まい。枯れた草むらや林の脇に、ひっそりと咲いている。花の色は紫色が濃いタイプと白に近く見えるものまで変化が多い。

開花の頃に、全草を乾燥させ、健胃などに使われるという。
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