なぜ高齢の男たちはカネを盗
む少女を見逃し責めないのか
「私」には衝撃の展開でした。
子どもに善悪を教えるのは大
人の務めではないのか。これ
では悪を助長してしまうだけ
その一般的な社会通念はここ
では通じなそうでした。道徳
より貧困が優先されるのか。
しかし、そんなに単純な話で
もなさそうです。衣食足りて
も礼節を知るとは限らないの
もまた周知の事実でしょう。
詳細は忘れましたが、「私」
は競馬場に留まり、少女と1
日一緒に過ごし自分の疑問の
答えを見つけようとします。
最初こそ警戒していた少女も
「私」が怪しい者ではないと
判ると心を開いてきました。
その辺の機微は成人と同じで
少女は「小さな大人」です。
会話に敬語はなく、男性とも
「私」とも対等に話し、内容
もいっぱしの大人並でした。
夕方になると少女は唐突に、
「じゃ帰るから」
と言いあっさり帰りました。
「帰るところがあるの
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驚いて男たちに聞くと難なく
「そりゃあるさ」
という答えでした。盗みをは
たらくぐらいなので、家のな
いストリートチルドレンだと
勝手に思い込んでいました。
人工知能がインプットされた
情報を急速に学習していくよ
うに、「私」の脳と感情は今
日1日見聞したことを、フル
回転で復習
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80年代前半らしい私が慣れ親
しんだアジアの空気、陽射し
香港、マレーシア、タイ、フ
ィリピンを足しただけで割ら
ないような設定でした。私た
ちは夢特有の共通の言語で会
話をしているものの、男たち
が少女にかけた言葉は、私に
はわからない外国語でした。
質素で正直で、ゆったりと温
かみのあったあの頃のアジア
外国といえばまだまだ欧米に
限定されていた時代に、そう
いう場所があるのを知ったこ
とは、私を本気で海外に向か
わせる原動力になりました。
夢の解説はまた改めて
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