市村正親さんと草笛光子さんの「ドライビング・ミス・デイジー」の続きです。
ラスト、もう97才になり高齢者施設で暮らすミス・デイジー(草笛光子)を、かつて彼女の運転手だったホーク(市村正親)が
久しぶりに訪ねます。
ホークはもう85才で、足腰は弱っているけれど頭はしっかりしています。
ミス・デイジーはホークの訪問を喜んではいるのだけれど、もはや昔のしっかり者の面影はなく、
聞こえているのかいないのか、ぼんやり椅子に寄りかかっています。
感謝祭の日で、テーブルの上にはパイが置いてありました。
続かない会話、なんとなく気まずい空気を消すかのようにホークは言います。
「ああ、ほら感謝祭のパイが」
言われて、そうね、食べなくてはね、というふうにナイフとフォークを持つミス・デイジーですが、
身体が衰え手が震えてパイを切ることができません。
すると立っていたホークが横に座り、ミス・デイジーのためにパイを切ってあげます。
食べやすいように小さく切ったパイを口元に運んであげると、ミス・デイジーは、
あーんと口をあけて食べます。
ひとくち、またひとくち・・・とホークが小さく切ったパイを素直に食べるミス・デイジー。
無言の穏やかな二人の姿・・・そして照明がすべて落ち、万雷の拍手。
泣けましたよ、ほんと。
ミス・デイジーは若い頃学校の先生をしていてプライドが高く、他人に甘えるみたいなことは全くできない人でした。
だから、自分が高齢になって事故を起こして運転ができなくなっても、運転手を雇うことに抵抗
し続けていました。
たまりかねたホークに
「奥様は車の運転をしてもらう、私は仕事をもらう、それでいいじゃないですか!」
と言われても、いまひとつ納得できなかった彼女。
単に誰かにやってもらう、というだけのことなのに、それが「甘え」に感じられるみたいな、
罪悪感のようなものさえ感じてしまう人格。
できることはなんでも自分でやります、みたいな人格。
それ、よくわかります。 ていうか、それ私です。
なので、素直に口を開けてパイを食べるミス・デイジーを見た時、これでいいんだよね
と心から思って、じんわり涙ぐんだのでした。
何かをしてあげる、与えるだけが愛じゃないのよ。
素直に口を開けてそれを受け取る、喜んで、ありがとうって受け取ることも愛。
どちらが価値があるかって?
両方、全く同じ価値ですとも!
どちらかが欠けたらどちらも成り立たない。
与える愛と受け取る愛は、全く同等。同じくらい必要で同じくらい貴重なもの。
そうなんだと思います。
ラスト、もう97才になり高齢者施設で暮らすミス・デイジー(草笛光子)を、かつて彼女の運転手だったホーク(市村正親)が
久しぶりに訪ねます。
ホークはもう85才で、足腰は弱っているけれど頭はしっかりしています。
ミス・デイジーはホークの訪問を喜んではいるのだけれど、もはや昔のしっかり者の面影はなく、
聞こえているのかいないのか、ぼんやり椅子に寄りかかっています。
感謝祭の日で、テーブルの上にはパイが置いてありました。
続かない会話、なんとなく気まずい空気を消すかのようにホークは言います。
「ああ、ほら感謝祭のパイが」
言われて、そうね、食べなくてはね、というふうにナイフとフォークを持つミス・デイジーですが、
身体が衰え手が震えてパイを切ることができません。
すると立っていたホークが横に座り、ミス・デイジーのためにパイを切ってあげます。
食べやすいように小さく切ったパイを口元に運んであげると、ミス・デイジーは、
あーんと口をあけて食べます。
ひとくち、またひとくち・・・とホークが小さく切ったパイを素直に食べるミス・デイジー。
無言の穏やかな二人の姿・・・そして照明がすべて落ち、万雷の拍手。
泣けましたよ、ほんと。
ミス・デイジーは若い頃学校の先生をしていてプライドが高く、他人に甘えるみたいなことは全くできない人でした。
だから、自分が高齢になって事故を起こして運転ができなくなっても、運転手を雇うことに抵抗
し続けていました。
たまりかねたホークに
「奥様は車の運転をしてもらう、私は仕事をもらう、それでいいじゃないですか!」
と言われても、いまひとつ納得できなかった彼女。
単に誰かにやってもらう、というだけのことなのに、それが「甘え」に感じられるみたいな、
罪悪感のようなものさえ感じてしまう人格。
できることはなんでも自分でやります、みたいな人格。
それ、よくわかります。 ていうか、それ私です。
なので、素直に口を開けてパイを食べるミス・デイジーを見た時、これでいいんだよね
と心から思って、じんわり涙ぐんだのでした。
何かをしてあげる、与えるだけが愛じゃないのよ。
素直に口を開けてそれを受け取る、喜んで、ありがとうって受け取ることも愛。
どちらが価値があるかって?
両方、全く同じ価値ですとも!
どちらかが欠けたらどちらも成り立たない。
与える愛と受け取る愛は、全く同等。同じくらい必要で同じくらい貴重なもの。
そうなんだと思います。