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< 郷土料理 > 神奈川 のらぼう菜のおひたし

2024-12-01 08:39:47 | 郷土料理

 「のらぼう菜のおひたし」

 主な伝承地域 川崎市

 主な使用食材 のらぼう菜

 歴史・由来・関連行事
 川崎市多摩区菅地区で約800年も前から栽培されてきたといわれる伝統野菜、のらぼう菜を使ったおひたし。
 のらぼう菜は、昔は油をとるために栽培され、農家は自家用として自家採種をして作り続けてきた。生命力が強く、江戸時代の大飢饉の際には多くの人の命を救ったという。現在、神奈川県では菅地区を含む川崎市北部や小田原市で、他県では埼玉県比企郡や東京都あきる野市などで栽培されている。アブラナ科の野菜であるが、特有の苦みやえぐみが少なく、ほのかな甘みとやわらかな食感、そして花茎(トウ)を食べるのが特徴。最初に主茎を地表から約10センチの位置で深摘心すると、その後わき芽が4、5回収穫できる。地元で農業を営んでいた髙橋孝次氏が、平成12年頃にこの手法を生み出し、周辺の農家に積極的に伝授した。また、同時期に地元の農家や商工会などが力を合わせ、のらぼう菜を使ったカステラや豆腐などの商品を開発したこともあり、それまで農家の自家用であったのらぼう菜が一般にも認知されるようになっていった。
 定番の食べ方がおひたしで、素材の香りと甘み、歯ざわりを楽しめるシンプルな一品である。

 食習の機会や時季
 のらぼう菜の収穫期が2月下旬~4月下旬であるため、のらぼう菜のおひたしも春に食される。一般家庭を中心に日常食として親しまれており、最近では市中の飲食店でものらぼう菜を使った多彩なメニューが提供されている。
 なお、収穫後ののらぼう菜は傷みやすいため市場には多く出回らず、主に農家の軒先や大型農産物直売所などで販売されている。

 飲食方法
 水洗いしたのらぼう菜を、塩を加えた熱湯でゆでる。火が通ったら、冷水にとってから水気を絞る。5cm程度に切りそろえ、器に盛る。醤油や出汁醤油を少しかけて味わう。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 のらぼう菜は神奈川県の農産物ブランド「かながわブランド」に登録され、観光資源としても活用されている。市中の飲食店では、べーグルサンドやキムチなど幅広くアレンジが楽しまれている。また、市立中学校では地元産ののらぼう菜を使用した給食が毎年3月に提供されている。
 のらぼう菜の資質をとらえた栽培方法を生み出した髙橋氏は、菅地区に伝わるのらぼう菜を継承・普及するため平成13年に「菅のらぼう保存会」を立ち上げた。髙橋氏が他界した後も、その活動は遺族や市民団体「かわさきのらぼうプロジェクト」に引き継がれている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/35_15_kanagawa.html より


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