うまいッ! 「白さが命!コリコリ食感とほのかな甘さカリフラワー~徳島県~」 2016年03月13日
番組内容
生産量日本一を誇る徳島市のカリフラワー。真っ白な見た目に、コリコリとした食感とほんのりとした甘みが特長です。生産者は、一株ずつ葉を折って、遮光することで美しい白さを生み出しています。収穫最盛期を迎えた産地を訪ね、そのおいしさの秘密に迫ります。さらに、ここ数年、色や形が違う新しい品種が続々登場。また、食べ方も丸ごと焼いてステーキにしたり、スイーツにしたりと進化中。カリフラワーの最前線をご紹介します。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201603130615001302100 より
詳細不明につき、勝手に調べてみました。
「徳島のカリフラワー」
【徳島県徳島市】 やさしい甘みが詰まった純白の花野菜 カリフラワー 文◎来栖彩子 撮影◎磯野博正
名前に「キャベツの花」の意味があるカリフラワー。
食用としているのは蕾(つぼみ)の集合した花蕾(からい)部分で、ブロッコリーが突然変異で白くなったものといわれています。
日本には明治初期に渡来し、戦後の洋食文化の広がりとともに需要が高まり、ホワイトアスパラガス、セロリとともに「洋菜の三白」と呼ばれ、広く親しまれるようになりました。
徳島市川内町(かわうちちょう)地域はカリフラワー栽培70年以上の歴史があるこだわりの産地です。
川内ブランド「華てまり」
「品質で勝負しています」と、生産者の多田和宏さん
吉野川の堆積平野に位置する徳島市では、肥沃な土壌に恵まれ、温暖で雨の少ない瀬戸内式気候を生かして多種多様な農作物が生産されています。
「カリフラワーは、昭和26年(1951年)頃に川内町地域で米の裏作として導入されました。当時はまだ新しい野菜で試行錯誤しながらも、導入当初から白く美しい高品質のカリフラワー作りにこだわってきました」とJA徳島市東部営農経済センターの小谷拓也さん。
栽培から収穫、出荷までのすべての段階で“白さ”を追求して作業を徹底することで、全国から「川内のカリフラワーを」と求められ、川内ブランドを築きあげました。
JA徳島市川内カリフラワー部会では、とくに品質の高いものを「華てまり」のブランド名で出荷しています。出荷期間は9月下旬から翌年6月中旬まで。収穫最盛期は12~2月、4~5月となります。
「今では全国各地にカリフラワーの産地がありますが、川内カリフラワー部会は、カリフラワー栽培の先駆者として培った70年の経験とこだわり、さらなる栽培技術の向上で、どこにも負けない純白のカリフラワーをお届けできるよう努めています」と小谷さん。
とくに12月から2月の冬場のカリフラワーは「光を放つような際立つ白さで、蕾がかたく締まって食感もよく格別」だそうです。
また、カリフラワーは鮮度が命。鮮度を保ったまま届けられるよう、午前中に収穫し、集荷場で真空予冷をかけてから当日中に出荷。保冷トラックで輸送するコールドチェーン体制が確立されています。
慎重に丁寧に扱い白さを守る
収穫して大きな外葉を落として運搬と、すべての作業を手早く慎重に行います
7月初旬に種まきが始まり、20日~1ヵ月かけて苗を育て、畑に植えつけます。
「玉に日光が当たると黄色く色づいてしまいます。白さを保つために葉を大きく育てて遮光します」と話す生産者の多田和宏さんは、後を継いで2年目、24歳の若手生産者です。水田から転作した畑と米との二毛作の田んぼの約3ヘクタールでカリフラワーを栽培しています。
「祖父の時代に川内でカリフラワーの栽培を始めることになり、祖父、父と川内ブランドを作り上げて繋いできました。カリフラワーはデリケートな作物なので手間がかかりますが、丁寧に扱って手をかけただけきれいなカリフラワーができるのが嬉しいですね」。
花蕾がピンポン玉くらいの大きさになったら、葉を中に折り込んで日除けをします。湿気がこもると傷みが出るので折り込んだ葉をまた戻したり、葉と玉が擦れないようにしたりと、常に一つひとつの玉の様子を確認しながら作業します。
植えつけてから収穫まで1~2ヵ月。時期によって生長するスピードが違うので、9〜6月まで出荷し続けられるよう、品種を選び、畑をずらしてタイミングを合わせながら2~3週間ごとに種まき、植えつけをし、収穫も同時進行していきます。
「最後まで花蕾に触れないよう丁寧に扱います」と多田さん。
収穫はひと玉ずつ茎の根元を鎌で切り、まずその場で簡単に外葉を落とします。花蕾が擦れないように自宅へ運び、土などの汚れは霧吹きで落とし、再度、丁寧に外葉を調整して選別し、箱詰め。少しでも擦れたり押されたりすると変色するため、箱の中で動くことのないよう詰めます。最盛期は朝5時半から1日に1500個ほど収穫し箱詰め、約200箱を午前中のうちに出荷します。
「受け継いだブランドを守りつつ、さらに品質をあげて生産量を増やし、もっとたくさんの人に川内の純白のカリフラワーをお届けしたい」と、土壌分析を行って土づくりをしたり、新しい技術の導入や調整作業を効率化するなど、積極的にチャレンジしています。
生食やさっとゆでてコリコリとした食感を楽しむのはもちろん、グラタンや煮込み料理などでも大活躍のカリフラワー。「天ぷらにするのがとにかくおいしい!ホクホクとして優しい甘みがあります。酢の物や、1玉丸ごと逆さに入れて、鍋にして食べるのもおすすめ」とのことです。
白く美しいカリフラワーは食卓を一段と明るくしてくれます。幅広くいろいろな料理にアレンジしてみてください。
(取材:2022年5月上旬)
●JA徳島市
【カリフラワー】生産概要
生産者数:約70名
栽培面積:約43ヘクタール
出荷量:約1200トン
主な出荷先:関西、関東、中四国
*https://apron-web.jp/furusato/11982/ より
徳島県 徳島市農業協同組合(カリフラワー)
「締りが良く純白な川内産カリフラワー」 徳島市農業協同組合川内支所 営農課 課長代理 田中 億昇
産地の概要
徳島市川内町は、県の中央を流れる吉野川の河口部北岸に位置しています。地域には、工場地帯や大型商業施設なども多く、農地と住宅地が混在した「都市的地域」に分類されています。
徳島市農業協同組合(以下、「JA徳島市」)川内支所管内の気象条件は、瀬戸内海型気候に属し、年平均気温16.2度、年間降水量1,540ミリ、同日照時間2,044時間で農産物の生産には適した環境です。
ほ場は、海抜ゼロメートルに位置しており、土壌は、冬場でも乾燥しすぎない土質という特徴があります。また、農業生産地域は、水稲にカリフラワー栽培を組み合わせた「水田地域」、かんしょに秋冬だいこんを組み合わせた「砂地畑地域」、れんこんを栽培する「湿田地域」に分類されます。
JA徳島市川内支所管内のカリフラワー栽培は、昭和26年頃に水稲の後作として、当時の徳島県立農業試験場が栽培を奨励し開始されました。その後、昭和43年頃から作付面積は増加し、昭和44年にはJA徳島市川内支所に花やさい部会が設立され、生産量は増加し、ピークの昭和60年頃には100ヘクタールを超える栽培面積がありました。
栽培当初は、収量も10アール当たり約2トンと少なく、生産性は悪かったものの、その後の品種選定や栽培技術の向上により、収量、品質ともに向上しました。
現在では、年間約22万ケースを出荷する全国有数のカリフラワーの産地となりました。
平成21年のJA徳島市管内のカリフラワー部会員数は90名、栽培面積は55ヘクタールで、1戸当たりの栽培面積は60アールです。
しかし、生産者の平均年齢は65歳と、高齢化に対応した産地づくりが今後の大きな課題となっています。その中で、新たにカリフラワー栽培を始める生産者も現れており、面積規模も異なるさまざまな生産者が協力し合って産地の厚みを増しています。
生産、栽培上の特色
品種の選定は、作型を5つに分割し、作型ごとに奨励品種を選定しています。これらの作型の中で、各生産者が自らの労力に見合った作型を選択し、出荷期間中の安定供給を目指しています。
生産の省力化については、平成3年頃にセルトレイ苗育苗が、平成10年頃から定植機と動力収穫車が導入され、農家1戸当たりの栽培面積の増加につながりました。
また、全生産者において土壌分析を2年に1度実施しており、減肥栽培や病害対策を含めた土づくりの推進を積極的に行っています。
出荷販売の工夫
(1) 品質向上対策
個々の生産者が選別・箱詰めを行っていますが、JAの共同出荷となる「個選共販体制」による出荷となることから、生産者間の規格の統一と品質の個人格差を是正するため、定期的に規格・品質の目慣らし会を行っています。
出荷規格については、高温時期のスレによる品質低下(強く手で触れたりすることによる変色)を軽減するため、基本規格以外に季節に対応した特別規格を設けています。
また、出荷に際しては、出荷期間を通じ真空予冷(野菜から出る熱を奪い、野菜を芯から冷やし、鮮度と栄養分を維持する)を施した出荷を行っています。
(2) 販売方法
出荷規格は、2階級6段階、6キログラム入り段ボール箱です。出荷先は、京阪神市場が42パーセント、京浜市場が23パーセント、中京市場が18パーセントなどとなっています。出荷体制は、午後2時までに生産者がJA集荷場に持ち込み、品質検査と予冷処理を行い、各卸売市場に向けてトラック便で発送されます。
(3) 販売戦略
2月ごろの収穫の最盛期には、出荷量が日量2千ケースを超えることから、生産者からの集荷状況を常に把握するとともに、各卸売市場の担当者との連絡を密にするなどして、出荷物が出荷先の市場でダブつくことのないよう、各市場への出荷量の調整には細心の注意を払っています。また、市場出荷以外にも量販店や生協に対して販売の提案も行っています。
産地の認知度を上げるために、地域の伝統芸能である人形浄瑠璃「阿波十郎兵衛」のロゴマークを商標登録し、JA徳島市川内支所産の生産物の化粧箱に添付しています。
消費宣伝に関しては、カリフラワーの料理レシピが入った産地紹介リーフレットやポスターを作成し、量販店やスーパーを通じて消費者の方々へ配布しています。
また、学校、病院などの給食への供給も積極的に行うとともに、生産履歴の記帳は全生産者が取り組むなど、安全・安心なカリフラワーの生産を心がけています。
一言アピール
カリフラワーの花蕾(約3万個の花のつぼみ)は生育中、日光に当たると黄色く日焼けし純白さが失われ、見た目も悪くなることから、栽培期間中は外葉を折り直接日光に当たらないように大事に育てられます。また、花蕾はスレに弱く、強く手で触れた箇所から変色してしまいます。
そのためカリフラワーは、ブロッコリーと異なり、スレを防ぐために皆様の手元に届くまで外葉をつけたまま販売されます。
美味しいカリフラワーを選ぶコツは、
「白くて締りの良い(隙間のない)モノ」が良いですよ。
美味しく料理するコツは、
「酢を加えて湯がくこと」でサクサクした食感となり、より美味しくなりますよ。
“純白さ”が命の川内産カリフラワーを是非ご賞味下さい。
お問い合せ先 担当部署:徳島市農業協同組合川内支所
*https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/santi/1003_santi1.html より