KuraMaster 2021年度 純米大吟醸酒部門 プラチナ賞 40/44 「菊樹 純米大吟醸」
精米歩合(%) 45 %
酒のタイプ 原酒
アルコール度数 16 %
日本酒度 +1.5
米の品種1 Koshihikari 100%
菊池勝義自然農場 愛媛県東温市河之内甲3087番地10
フランスで開催の日本酒コンクール『Kura Master日本酒コンクール2021』で、菊池勝義自然農場の「菊樹 純米大吟醸 完全無農薬・無肥料こしひかり100% 」が純米大吟醸酒部門でプラチナ賞受賞!
菊池勝義自然農場(代表:菊池勝義、愛媛県東温市河之内甲3087番地10)が完全無農薬・無肥料のこしひかりで醸した「菊樹」が、トップソムリエら72名の審査員の審査で「プラチナ賞」を受賞しました。
農事組合法人くまっこファーム 2021年7月27日 10時00分
菊池勝義自然農場は、完全無農薬・無肥料でこしひかりを栽培していますが、有機肥料すら使いません。化学肥料や農薬が環境や人体におよぼすダメージから目をそらさず、ひたすら安全・安心な米づくりと向きあいます。向き合うとは、肥料など無くとも、森の木々はすくすくと育つのだからと、土が力を蓄えるまで、我慢と辛抱で立ち向かうことにしました。農場はこれまでの15年間、地球上のあらゆる陸上生物の母体である、土の恵みを存分に授かりながら、土の個性を酒に託すために、観察と挑戦、失敗を重ね一歩づつ歩んできました。地味ですが、それが「地の味」を醸す、最善の手段と考えたからです。そして、たくましく育ったお米で「菊樹」を醸しました。第1期は磨き45%の純米大吟醸です。穀物を育てた愛媛県東温市河之内の土の感触、名峰石鎚山からの天然水のやわらかな喉ごし、そして蒸した米の匂いまでも溶けこんだ、この地でしかつくり得ない、滋味深いテロワール日本酒です。今の恋人というより、最愛の伴侶に巡り会えたような、喜びに満ちています。
[菊樹の特徴]
菊樹は、綺麗さやフレッシュ感で愛嬌を振りまくようなお酒ではありません。開封したては硬めですが、空気に触れるにつれ、だんだんと旨味の花が開いていきます。後味のふくらみや余韻もさることながら、なにより口のなかで広がる、自然栽培米のお酒らしい、ふくよかな「こしひかり」の甘味を、存分にお楽しみいただけます。
菊樹は、魚でも肉でも、生きものの命を糧にして生きる人間の、“ありがたい”と思う心を大切につくりました。毎日の家庭料理はもちろん、腕のたつ一級のシェフによるフレンチやイタリアン、中華料理との相性も抜群です。冷やでも燗でも、時々のシチュエーションに合わせ、味わいかたは自由です。
菊樹は、無農薬・無肥料のこしひかりで醸した、からだに良いお酒です。出すぎない味と香りは、飲み疲れを起こしません。なめらかな質感と心地よい酸に、盃が進みます。華美ではない、佇まいを正した、奥ゆかしさ。淡麗辛口派にも、ぜひ一献。酸味が苦手なら、熟成をおすすめします。新酒からだんだんと、芳醇な酸へと変化するはずです。
穀物を育てた愛媛県東温市河之内の土の感触、名峰石鎚山からの天然水のやわらかな喉ごし、そして蒸した米の匂いまでも溶けこんだ、この地でしかつくり得ない、滋味深いテロワール日本酒です。今の恋人というより、最愛の伴侶に巡り会えたような、喜びに満ちています。
[首藤酒造の技]
東温市河之内で、太陽と土と水だけを養分に、無農薬・無肥料で育ったこしひかりは、同県内の西条市にある首藤酒造で醸しています。美しい棚田の里をあとにしたお米は一転、名水の里へと運ばれ、ふくよかさをまとった日本酒になるのです。
こしひかりは元来〝飯米″であり、炊いて口にしたときの、あの優しい粘りと甘味を、どうしたら酒に生かせるかが課題でした。思案の末、少量の米を数通りに分け浸漬し、蒸す際の蒸気圧の加減も工夫することで、硬さ、ねばりなどを試しました。最終的には、45%の精米歩合に合った給水時間を発見し、種麹も吟醸用の種麹を使用。醪は低温発酵管理に努めています。特に精米に関しては、ただでさえ粒の小さいこしひかりをどこまで磨けるか、とことん追い込み、45%までこぎつけました。こしひかりをここまで磨くのは至難の業です。
「菊樹」は米のつくり手である菊池勝義自然農場と、酒のつくり手である首藤酒造が、お互いに協力し、切磋琢磨してできた賜物です。得体の知れない微生物や菌の働きに一喜一憂しながら、米づくりに精をだし、醸して歓び、また醸す。数千年の間つづいてきた習わしに、農場も蔵もどこまでも忠実です。
[これからの日本酒は、自然米で醸す時代へ]
人類がおよそ1万年に編みだした農業は、この100年、化学肥料や農薬を用いた農法の登場で、劇的に変化しました。化学農法は農業の革命でした。でも、功罪の両面があったのです。それは環境への負荷、農産物への肥料や農薬の残留、ミネラルなどの含有量の低さなどから、“とてもじゃないが安心できない”と。現在、自然農法への回帰を唱える篤農家は数多くいますが、決して容易ではありません。米どころの東温市でさえ、まだまだ慣行農法が主流です。
菊池勝義自然農場は、完全無農薬・無肥料の自然農場です。まだまだ発展途上ではあるものの、こしひかりの株の張り具合や稲穂の大きさ、色艶などは、年々たくましさを増しています。噛めば噛むほど旨味が出てくると、ありがたい評価もいただくようになりました。
自然農法は将来、日本の農業を支えていくと考えています。誤解を恐れずに言えば、これからの日本酒は、自然栽培の米で醸す時代が来るのではないかとも。美しい河之内の棚田で、自然栽培で穫れたお米と、石鎚山系の水で酒をつくることは、東温市という地域を再定義することにもつながります。
ここ数年、日本酒もプレミアム化が進んできました。高額なワインと肩をならべる価格の日本酒が、世の中に出回る時代になってきましたが、プレミアムの価値観とは、そのお酒が誕生するまでの、つくり手の努力や想いが、どれほど詰まっているかだと思います。愚直なまでに土にこだわり育てた米の味を、ダイレクトに酒に生かす挑戦は、まだ始まったばかりです。
*https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000083763.html より