「金熊寺梅林-きんゆうじばいりん」
江戸時代から愛されてきた梅の名所「金熊寺梅林」
始まりはお告げから?「金熊寺梅林」の成り立ち
泉南市の山間部、東信達地区にある金熊寺(きんゆうじ)の梅林は、古くから泉州の梅の名所として知られています。
その歴史は古く、江戸時代初期(1647年)、金熊寺に隣接する信達神社の神主・矢野氏に「この地に梅樹を植えると神領益々隆盛となる」とのお告げがあり、矢野氏一族と土地の人々の手によって白梅を中心とした梅が栽培されました。
梅林はお寺の南側(写真の左側)にあります。東信達区の金熊寺。金峯・熊野の両神を勧請し、信達神社と合祀したのが寺名の由来。
飛鳥時代の呪術者「役行者(えんのぎょうじゃ)」が金峯・熊野の両神を勧請し、本殿に合祀されたもので、古くは金熊寺大権現宮と称し、金熊寺の鎮守社でした。お告げのあった神社「信達(しんだち)神社」。大阪府指定天然記念物のナギの木があります。
往事には広範囲に梅林が広がっており、一大行楽地となっていたそう。
明治期にはのちの内閣総理大臣にして、当時大阪毎日新聞の編集総理の職にあった政治家 原敬(はらたかし)が、開業まもない南海電車に乗って観梅に訪れた事もあるそうです。
この地だけの特別な梅。レアな梅干しは絶品!
金熊寺梅林で多く見られる白梅「金熊寺梅」は、この土地でしか見られない特有の梅。小さな白い花を咲かせ、実も小ぶりながらも肉厚で梅干しづくりにぴったり!
花の時期には小さな白い花がキラキラと輝くように咲き誇ります。
そしてその梅から作られる梅干しは、生産量が非常に少ないレアな逸品。無農薬で作られた梅の実に、塩と赤しそのみを加えて作られる昔ながらの酸っぱい梅干しは、市場にはほとんど出回りません。
地産地消で、地元の学校給食などでも愛される金熊寺梅の梅干し。現地で手に入れるほかには、近年ではふるさと納税の返礼品として入手することもできます。
金熊寺梅林特有の梅の花。古い種ですが、素朴な可憐さがあります。金熊寺梅。小ぶりな白い花が咲きます。
地元農家さんが大切に育てている梅の木です。見物の際は、むやみに木に触れないようお願いいたします。「金熊寺梅」は背が低く、横に枝を張る白梅で、肉厚で種が小さく良質な梅の実が収穫できます。
春の「金熊寺梅林」へ行ってみよう。
梅の開花時期。さっそく梅林へ出かけよう。
「金熊寺梅林」への交通手段は、JR阪和線・南海本線それぞれの最寄り駅から泉南市のコミュニティバスを利用するか、自家用車でのおでかけが中心。
自家用車でお出かけの際は、梅の開花時期にだけ約20台ほどが駐車できる梅林の駐車場が設けられます。
コミュニティバスのバス停も、この駐車場の近くに設置されています。(コミュニティバスは通年利用OK)
今回はこの駐車場から、遊歩道を通って梅林の広がる丘を登っていきましょう。
イベント時には、「金熊寺梅の梅干し」や地元の新鮮野菜を販売するほか、ドラム缶で焼くピザや、金熊寺梅干しを使ったおにぎりなども食べられます。
梅林駐車場。2023年は駐車場料金が無料となりました。
梅の時期の日曜日には、駐車場前でイベントを行っていることもあります。
花咲く遊歩道を通って梅林へ。
金熊寺梅林の遊歩道は、畑と畑の間を縫うように進んでいきます。
遊歩道は道に沿って「金熊寺梅林」ののぼりが立っていたり、看板などで丁寧に案内されています。
梅の時期には菜の花も咲いていて、春らしいぽかぽかとした陽気を感じられる、のどかな道です。
ここからしばらくは畑の間を進んでいきます。梅林遊歩道への入口。
もとはもっと大きな枝垂れ梅だったのですが、梅林組合会長のオーナーさんが立て直し、懸命に世話をして復活させたそう。2018年の台風で倒れてしまった枝垂れ梅も、美しい花を咲かせるほどに復活していました。
ノスタルジックでどこか懐かしい校舎が、里山の風景に溶け込んでいます。遠くに見える赤い屋根の建物は地元小学校の校舎。
しばらく畑の中を進んでいき、遊歩道の中程を過ぎたころから梅林へと入っていきます。
梅林は山の斜面に作られているため、遊歩道は常に登り坂ですが、傾斜は緩やか。地面も舗装されているので歩きやすくなっています。
触れられそうなくらいの間近で梅の花を観賞できますが、すべての木は農家さんが育てている大切な木です。
決して触らず、近づきすぎないようご見学ください。
遊歩道は舗装されていますが、梅林全体では舗装されていない場所もあります。運動靴でお出かけされると良いでしょう。遊歩道は緩やかな登り坂になっています。
甘く爽やかな梅の香りを堪能しながら遊歩道を進みます。梅の木の密度が高くて、満開時には圧巻の景色を楽しめます。
どの木も農家さんが大切に管理し、育てている木。同じく大切にご鑑賞ください。金熊寺梅は背が低いので、遊歩道を歩いているとすぐそばに梅の花が現れる感じです。
丘の上から梅林を一望!
遊歩道の先には階段があり、登るといよいよ丘の頂上へ。
梅林は山の斜面に沿って作られており、金熊寺・信達神社側へ登ると、丘陵に広がる梅林全体を眺めることができます。
レトロでノスタルジックな雰囲気の校舎が、可憐な白梅や里山とマッチしていて、なんとものどかな光景。とっても癒されます。
階段も遊歩道と同等の道幅があり傾斜も緩やかですが、手すり等がありませんのでご注意を。階段も遊歩道と同等の道幅があります。昇り降りの際は譲り合い精神をお忘れなく。
白く見える道が、梅林の遊歩道です。丘の上からの景色。のどかな春の里山に癒されます。
かつてはおでんや梅ジュース、梅酒などを振舞っていたそう。丘の上の茶屋は閉鎖しています。
丘からは遊歩道とは別に、広い梅林の縁をぐるっとまわってふもと(梅林および駐車場)へ向かって下る道もあります。
15分ぐらいで梅林組合駐車場の前の舗装道路を少し和歌山寄りに進んだところまで降りられる道で、舗装されておらず細い部分もある道ですが、遊歩道とは違った角度から梅林を見下ろすこともできます。
矢印の反対方向に進むと、金熊寺・信達神社方面に降りる道がありますが、急坂となっています。こちらの道は未舗装ですので、運動靴など歩きやすい靴でどうぞ。
足元には十分ご注意ください。遊歩道とは違った角度から梅林を見下ろし、坂を下っていきます。
道を下っていくと、養魚池のそばへ出ます。この池の周りも梅の花がたくさん咲いており、ピクニックをしている方も。
ただし、池の周りは柵の設置や舗装などされていませんので、側へ行かれる際は十分お気をつけください。
池を左手にさらに進むと、駐車場へ至ります。
写真のように池の水位がかなり低い日もありますが、中へは入らないようにお願いします。釣りも禁止です。梅林裏の養魚池。
池の周りを歩く人の姿も見られますが、歩く際は足元には十分気を付けて。池の周りもたくさんの梅の花でいっぱい。
おでかけ情報
金熊寺梅林の開花時期について。
開花状況は毎年の天候に大きく左右され、見ごろを見極めるのが難しいものです。
泉南市では「泉南市観光ガイド 恋するせんなん」公式ウェブサイトおよびSNSにて、花の名所の案内と毎年の開花状況についての更新を行っています。
金熊寺梅林のほかにも、様々な花の名所が存在する見どころいっぱいの泉南市。
遊びに行く際には、是非公式ウェブサイトやSNSをチェックしてみてください!
泉南市観光ガイド 恋するせんなん
恋するせんなん 公式インスタグラム
金熊寺梅林へのアクセス。
公共交通機関をご利用の際は、泉南市コミュニティバス「さわやかバス」(山回り)をご利用ください。
*https://yado.sangimi.com/kinyuji-bairin/ より 写真・画像は削除しています。
古くから泉州の梅の名所として知られ、花の時期は小高い山の上の桟敷席から眼下の梅林を眺めながら一服することができます。歴史は古く、江戸時代初期(1647年)、隣接する信達神社神主「矢野氏」に、この地に梅樹を植えると神領益々隆盛となる」のお告げがあり、矢野氏一族および土地の人々の手によって白梅を中心とした梅が栽培されました。その金熊寺梅は肉厚で種が小さく良質な梅の実が収穫できます。
*https://osaka-info.jp/spot/kinyuji/ より
今年の開花情報はまだ出ていないようですね。
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