まず最初に、青山繁晴氏による「西村宮内庁長官」評を紹介します。
・西村長官は、眞子内親王とだけでなく、秋篠宮様、天皇陛下とも親しく話をされている。内容については外に出さず、全てを自分で被っておられるのだが、こういうことは西村さんでなくては決してできない。
・西村長官への誹謗中傷は、今でも私のところへ多く寄せられるが、西村さんは苦悩を外へ出さず、よく我慢され、本当に深いところで話をされていると思います。
西村長官を称賛する青山氏の話は、聞く度に私に疑問を生じさせます。
西村氏は、KK問題に関する、一連のK氏の行動について、眞子内親王が主導的に関わっておられたことを、マスコミにそれとなく漏らしていました。それでも青山氏が、西村長官は苦悩を外へ出さなかったと称賛する理由は、何なのでしょう。
こうなると、青山氏の説明で隠されていることは、以下の事実しか思い当たりません。
・強い意志で行動されている眞子さまは、何度お諌めしても聞き入れられなかった。
・秋篠宮様と話し合っても、眞子さまのご行為を、止めてくださらなかった。
・天皇陛下とのお話でも、西村長官の意は汲み上げてもらえなかった。
・長官は、この苦しみを誰にも語れず、自分の胸に収めてきた。
つまり、「眞子さまのご結婚問題に関して、長官は孤立無縁で、無力な存在でしかなかった。」ということ。
あるいは事実なのかもしれませんが、そうなりますと、今度は青山氏が、眞子さまや秋篠宮様や上皇陛下を、立派な方々であるとする説明と、両立しなくなります。青山氏の動画は、「国民に隠し事をしない。」「事実を率直に伝える。」ところに希少価値があり、多くの視聴者を惹きつけています。
真子様のご結婚問題に関する限り、氏の説明には率直さが欠け、隠し事があるという思いが払拭できません。割り切れない気持ちのまま、氏の話を思い出す限り、箇条書きにしていきます。
・暗い話ばかりでなく、前向きの話をこれからしたいと思います。
・敗戦後にGHQが、勝手に廃絶した「旧宮家」から、皇統譜へ戻る覚悟をされている方がおいでになると、聞いています。
・国会質問に備えるため、私は国会議員として、政府の情報機関に調査を依頼し、文書で回答を得ました。それによりますと、父系で皇統につながっておられる、旧宮家の独身の男子の方は、
10代・・5名 20代前半の方・・2名 計 7 名 ということでした。
・具体的なことは、さらに確認しなくてなりませんが、この方々の中に、国のため、日本のため、皇統譜へ戻られる覚悟をされている方がおられるということです。
・GHQが強権で排除した旧宮家の方々は、今は私たち同様、一般国民として自由な生活をしておられます。
・皇統譜へ戻られますと、健康保険がなくなり、職業選択の自由も無くされます。日本の皇室は敗戦により、戦前に比べますと、コペルニクス的展開をしています。
・こうしたことをご承知の上で、皇室へ戻られるというご決断が、どれほど尊いものであるか。
・真子様のご結婚問題を、暗い面だけで捉えるのでなく、逆に前向きに考えるべきであると、私が言うのは、この意味です。
・旧宮家の方たちの中から、眞子さまと同様に、「自由なご意志」で皇統譜へ戻られるということが、尊いご決断として、むしろ鮮明になるのではないでしょうか。
悠仁親王殿下が、即位の辞退を意思表示される可能性で出てきたという説明にも驚きましたが、旧宮家の方々の話がここまで進んでいるという説明にも、驚きました。氏が代表を務める「護る会」の活動目標には、「11宮家の皇籍復帰」が掲げられていますので、「護る会」を頼もしく思い、支援していますが、それは「憲法改正」の目標と同じく、遠い先の話とばかり思っていました。
・旧宮家の方々は、菊栄親睦会の中で、皇室の藩屏として重荷を背負って、戦後75年間を歩かれたのです。この方々の中から、強制でなく、自由意志で皇籍に戻っていただくことが、唯一の、至高の解決策なのです。
・このことについて、私たちと一緒に考えてください。
確かこのような内容でしたが、青山氏の意見は、現在の皇室の方々を皇居をから追い出し、新たな皇統の御一族を迎えるという内容です。私は以前のブログで、国民の敬愛の中心にあった皇室は昭和天皇の御世で終わった、と述べました。「公」より「私」を優先されるようになった平成以後、私たち国民は今後長い間耐えていくしかないのだと、そう思っていました。
現在の皇室の方々を、別系統の方々とそっくり入れ替えるなど、考えてもいませんでした。上皇陛下や天皇陛下、秋篠宮様や眞子さまを称賛している青山氏が、これほど冷酷な意見を述べるのですから、信じられない思いで一杯になります。アメリカナイズされた皇室の方々を一掃し、皇室の伝統と文化を大切にしてきた御一家を迎え、新規蒔き直しをしようという、荒っぽく、粗雑な意見です。
菊栄親睦会におられる方々が、本当に国民の敬愛の中心となられる方なのか、そういうことについての検証を、氏はいつの時点でしたのでしょうか。これほどの重大事を、自分のブログで発表する軽率さの方に、失望しました。
皇籍を離れられても、眞子さまが悠仁親王殿下の姉上であるという事実は変わりません。小室氏が義兄であるという、耐え難い事実も変わりません。しかし、降って湧いたような旧宮家の方の皇籍復帰、皇位継承の説明を、本気で聞く人間がいるのでしょうか。皇位と、「健康保険や職業選択の自由」の喪失を並べて語るなど、とんでもない屁理屈です。
長らく青山氏の動画を、貴重な情報源として見ていましたが、これからはそうできなくなりました。「護る会」の活動には期待しますが、青山氏個人への信頼は、眞子さまへの信頼と同様に、今回で地に落ちました。
これが私の、結論です。
明日からまた、「温故知新」の読書に戻り、遅々とした歩みでも、自分で考えていこうと思います。「急がば回れ」・・ですね。