令和2年6月11日の産経ネットの解説を、紹介します。前回の記事が令和元年の5月でしたから、産経ネットが「宮内庁参与」について根気よく追っていることが分かります。
〈 産経ネットの解説 〉
・天皇陛下の相談役を務める「宮内庁参与」について、渡辺允(まこと)元侍従長(84)ら現在の4人が退き、風岡典之元同庁長官(73)ら3人が新たに就任することが17日、関係者への取材で分かった。
・近く正式に発表する。陛下が昨年5月に即位されたことに伴い、陛下と年齢が近い参与の必要性が指摘されていた。
・現在の参与は渡辺氏のほか、国松孝次(たかじ)元警察庁長官(82)、羽毛田(はけた)信吾元宮内庁長官( 78 )、竹崎博允(ひろのぶ)元最高裁長官(75 )の4人。
・平成期は皇居・御所(当時)で月1回程度開かれる「参与会議」の場で、上皇ご夫妻、宮内庁長官らと皇室の課題について意見交換。
・上皇さまのご意向で陛下、秋篠宮さまとも年2回程度会い、相談に乗ってきた。平成22年7月の参与会議では、上皇さまが初めて譲位の意向を公に示されたとされる。
・現行の参与は陛下の即位後も継続して務めていたが、84歳の渡辺氏を筆頭に86歳の上皇さまと年齢が近く、60歳の陛下には同年代か、世代の近い参与を選任すべきとの意見があり、宮内庁が人選を進めていた。
・現行の4人はいずれも交替し、一新される見通し。
・参与に関しては、近代では譲位の例がないことなどを踏まえ「上皇さまが気心の知れた相手に相談されるための仕組みが必要」との指摘もあったが、現在の参与が必要に応じ、上皇さまと面会する方向という。
・風岡氏は国土交通省事務次官を経て17年4月から宮内庁次長、24年6月から4年4カ月にわたって宮内庁長官を務め、パラオ、フィリピンと2度にわたる上皇ご夫妻の海外戦没者ご慰霊を取り仕切った。
・上皇さまが譲位の意向をにじませられた、28年8月のビデオメッセージの公表に際しても中心的役割を担った。
産経ネットの説明によると、新しく参与に就任する風岡氏は元宮内庁長官で、参与会議だけでなく皇室の課題について深く関与していたことが読み取れます。
今後は上皇様の参与を特に決めず、陛下の参与が必要に応じて御面会とするという決定も、陛下のご意向というより風岡氏の意見が反映しているように感じます。
・関係者によると、平成後期の「参与会議」の中心的な話題は、上皇さまの譲位に関することだったとされる。
・平成22年7月の参与会議で上皇さまが初めて譲位の意向を示されて以降も、参与会議では度々、譲位が話題に上がった。
・当初、参与全員が翻意を促したが、上皇さまは譲られず、次第に譲位の在り方について議論が交わされるようになったという。
この説明は前回も読みましたが、次の解説を読みますと、参与の位置付けの変化は上皇陛下のご意向というより、風岡氏の意見が大きいのではないかと、その感を強くしました。
・今後、秋篠宮さまが皇嗣(こうし)となられたことを示す「立皇嗣の礼」の後、政府は安定的な皇位継承策の議論を本格化させるなど、
・皇室をめぐる諸課題は残るが「天皇陛下が即位した今、当面は差し迫った課題は見当たらない」(宮内庁関係者)とされる。
・参与会議は、上皇さまの譲位前は月に1度程度開かれていたが、新たな参与の元での参与会議は頻度が減る見通しといい、その位置づけが変わることも予想される。
参与の役目に、上皇陛下と気心の知れた相談相手という点に主体があるのなら、陛下が面会を減らすことを意思表示されるとは考えにくい話です。
・皇室をめぐる諸課題は残るが「天皇陛下が即位した今、当面は差し迫った課題は見当たらない」(宮内庁関係者)とされる。
産経ネットの説明にある「宮内庁関係者」とは、誰なのでしょう。差し迫った問題がないという判断をしたのは誰なのでしょうか。
愛子さまを天皇にしたいというお考えを、上皇陛下と美智子様が持たれているというのは、知る者の間では公然の秘密です。皇室の伝統を揺るがす大問題が差し迫っている時、上皇陛下がこの判断をされるというのは不自然な話と思えてなりません。
状況を勘案し、参与の仕組みを変化させる力を持つ人物は風岡氏以外にいないのでないかと、「ねこ庭」は推察します。次は「ねこ庭」がする思い込みかも知れませんので、違う意見の方は無視してください。
・「ねこ庭」は、風岡氏が国土交通省事務次官を経て宮内庁次長になった経歴を重視する。
・国土交通省は、長年公明党が独占する大臣の指定席である。
・風岡氏の意見に、公明党の影響が皆無とは考えにくい。
・外務省と宮内庁に公明党の親派が多数を占めているという噂が、ネットの世界で語られている。
杞憂であれば良いと願いながら、以上「ねこ庭」の考えを述べました。
産経ネットが解説の最後に注書きをしていますので、参考までに紹介しておきます。
〈 宮内庁参与 〉
・皇室の重要事項に関し、天皇に助言する。
・昭和天皇時代の昭和39年、吉田茂元首相、小泉信三元慶応義塾塾長ら4人が初めて起用され、その後も政官財界や宮内庁長官経験者、学者などに委嘱された。
・任期や定年、定員はなく報酬も支給されない。
・宮内庁が人選した上で、最終的には天皇が私的に就任を依頼する。
上記青字部分の、この傲慢な描きぶりにご注目ください。陛下が「決定」されるのでなく、「依頼」されるのです。表現が過ぎるのかも知れませんが、「ねこ庭」の頭をよぎるのは「君側の奸」という言葉です。
次回は、天皇陛下の「おことば 」に関する BBC NEWS の解説を紹介いたします。