ねこ庭の独り言

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天皇陛下の「おことば 」- 4( 宮内庁長官風岡氏の経歴 )

2025-01-05 10:01:11 | 徒然の記

 令和2年6月11日の産経ネットの解説を、紹介します。前回の記事が令和元年の5月でしたから、産経ネットが「宮内庁参与」について根気よく追っていることが分かります。

 〈 産経ネットの解説 〉

  ・天皇陛下の相談役を務める「宮内庁参与」について、渡辺允(まこと)元侍従長(84)ら現在の4人が退き、風岡典之元同庁長官(73)ら3人が新たに就任することが17日、関係者への取材で分かった。

  ・近く正式に発表する。陛下が昨年5月に即位されたことに伴い、陛下と年齢が近い参与の必要性が指摘されていた。

  ・現在の参与は渡辺氏のほか、国松孝次(たかじ)元警察庁長官(82)、羽毛田(はけた)信吾元宮内庁長官( 78 )、竹崎博允(ひろのぶ)元最高裁長官(75 )の4人。

  ・平成期は皇居・御所(当時)で月1回程度開かれる「参与会議」の場で、上皇ご夫妻、宮内庁長官らと皇室の課題について意見交換。

  ・上皇さまのご意向で陛下、秋篠宮さまとも年2回程度会い、相談に乗ってきた。平成22年7月の参与会議では、上皇さまが初めて譲位の意向を公に示されたとされる。

  ・現行の参与は陛下の即位後も継続して務めていたが、84歳の渡辺氏を筆頭に86歳の上皇さまと年齢が近く、60歳の陛下には同年代か、世代の近い参与を選任すべきとの意見があり、宮内庁が人選を進めていた。

  ・現行の4人はいずれも交替し、一新される見通し。

  ・参与に関しては、近代では譲位の例がないことなどを踏まえ「上皇さまが気心の知れた相手に相談されるための仕組みが必要」との指摘もあったが、現在の参与が必要に応じ、上皇さまと面会する方向という。

  ・風岡氏は国土交通省事務次官を経て17年4月から宮内庁次長、24年6月から4年4カ月にわたって宮内庁長官を務め、パラオ、フィリピンと2度にわたる上皇ご夫妻の海外戦没者ご慰霊を取り仕切った。

  ・上皇さまが譲位の意向をにじませられた、28年8月のビデオメッセージの公表に際しても中心的役割を担った。

 産経ネットの説明によると、新しく参与に就任する風岡氏は元宮内庁長官で、参与会議だけでなく皇室の課題について深く関与していたことが読み取れます。

 今後は上皇様の参与を特に決めず、陛下の参与が必要に応じて御面会とするという決定も、陛下のご意向というより風岡氏の意見が反映しているように感じます。

  ・関係者によると、平成後期の「参与会議」の中心的な話題は、上皇さまの譲位に関することだったとされる。

  ・平成22年7月の参与会議で上皇さまが初めて譲位の意向を示されて以降も、参与会議では度々、譲位が話題に上がった。

   ・当初、参与全員が翻意を促したが、上皇さまは譲られず、次第に譲位の在り方について議論が交わされるようになったという。

 この説明は前回も読みましたが、次の解説を読みますと、参与の位置付けの変化は上皇陛下のご意向というより、風岡氏の意見が大きいのではないかと、その感を強くしました。

  ・今後、秋篠宮さまが皇嗣(こうし)となられたことを示す「立皇嗣の礼」の後、政府は安定的な皇位継承策の議論を本格化させるなど、

  ・皇室をめぐる諸課題は残るが「天皇陛下が即位した今、当面は差し迫った課題は見当たらない」(宮内庁関係者)とされる。

  ・参与会議は、上皇さまの譲位前は月に1度程度開かれていたが、新たな参与の元での参与会議は頻度が減る見通しといい、その位置づけが変わることも予想される。

 参与の役目に、上皇陛下と気心の知れた相談相手という点に主体があるのなら、陛下が面会を減らすことを意思表示されるとは考えにくい話です。

  ・皇室をめぐる諸課題は残るが「天皇陛下が即位した今、当面は差し迫った課題は見当たらない」(宮内庁関係者)とされる。

 産経ネットの説明にある「宮内庁関係者」とは、誰なのでしょう。差し迫った問題がないという判断をしたのは誰なのでしょうか。

 愛子さまを天皇にしたいというお考えを、上皇陛下と美智子様が持たれているというのは、知る者の間では公然の秘密です。皇室の伝統を揺るがす大問題が差し迫っている時、上皇陛下がこの判断をされるというのは不自然な話と思えてなりません。

 状況を勘案し、参与の仕組みを変化させる力を持つ人物は風岡氏以外にいないのでないかと、「ねこ庭」は推察します。次は「ねこ庭」がする思い込みかも知れませんので、違う意見の方は無視してください。

  ・「ねこ庭」は、風岡氏が国土交通省事務次官を経て宮内庁次長になった経歴を重視する。

  ・国土交通省は、長年公明党が独占する大臣の指定席である。

  ・風岡氏の意見に、公明党の影響が皆無とは考えにくい。

  ・外務省と宮内庁に公明党の親派が多数を占めているという噂が、ネットの世界で語られている。

 杞憂であれば良いと願いながら、以上「ねこ庭」の考えを述べました。

産経ネットが解説の最後に注書きをしていますので、参考までに紹介しておきます。

 〈 宮内庁参与 〉 

  ・皇室の重要事項に関し、天皇に助言する。

  ・昭和天皇時代の昭和39年、吉田茂元首相、小泉信三元慶応義塾塾長ら4人が初めて起用され、その後も政官財界や宮内庁長官経験者、学者などに委嘱された。

   ・任期や定年、定員はなく報酬も支給されない。

  ・宮内庁が人選した上で、最終的には天皇が私的に就任を依頼する

 上記青字部分の、この傲慢な描きぶりにご注目ください。陛下が「決定」されるのでなく、「依頼」されるのです。表現が過ぎるのかも知れませんが、「ねこ庭」の頭をよぎるのは「君側の奸」という言葉です。

 次回は、天皇陛下の「おことば 」に関する  BBC NEWS の解説を紹介いたします。

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天皇陛下の「おことば 」- 3(宮内庁・参与とは)

2025-01-05 08:42:18 | 徒然の記

 宮内庁に「参与会議」があることを初めて知りました。

 天皇の「譲位」について、NHKの「おことば報道」より6年も前に当会議で検討されていたというのですから、権威のある組織のようです。

 令和元年の5月に、産経ネットが「参与会議」の解説をしているのを見つけました。

  ・5月1日の代替わりに伴い、上皇さまの相談役を務めてきた宮内庁参与の動向にも注目が集まる。

  ・上皇さまが初めて譲位の意向を打ち明けられるなど、節目で皇室の課題に助言する重要な役割を担ってきた。

  ・宮内庁関係者の間では、現行メンバーが上皇さまの相談相手となり、天皇陛下のための参与については新たに選任するよう求める声が上がる。

 説明によると、参与はもともと天皇の相談相手であるらしく、譲位された上皇陛下には無い組織のようです。

 不思議なことに宮内庁の組織図を確認しても、天皇の相談相手としての参与職はありません。職員の中に特別職と一般職がありますので、特別職にあるのかと探しても見つかりません。

 天皇の相談相手となり、重要な問題に意見を述べるという参与職が、宮内庁の組織図に表示されていないという不思議な事実を発見しました。

 産経ネットが、メンバーの名前を書いています。

  ・現在の参与は次の4人。

    国松孝次(くにまつ・たかじ)元警察庁長官(81)

    渡辺允(まこと)元侍従長(82)

    羽毛田(はけた)信吾元宮内庁長官(77)

    竹崎博允(ひろのぶ)元最高裁長官(74)

  ・参与は、皇居・御所で月1回程度開かれる「参与会議」で、上皇ご夫妻、宮内庁長官らと皇室の課題について意見交換する

  ・上皇さまのご意向で、陛下、皇嗣秋篠宮さまとも年2回程度会い、相談に乗ってきた。

 この説明を読みますと、参与は天皇に付随した組織というより、上皇陛下の私的な組織という色彩が強くなります。

  ・平成の代替わりに関する儀式や、陛下のおきさき選びにも当時の参与が関与したとされる。

 ということは4人の参与は、令和の代替わり儀式にも、雅子さまをお妃に選ばれるときにも関与していたということになります。正式な組織でないにも関わらず、皇室の行事や重要事に意見が言えるというのですから、「ねこ庭」には皇室の乱れと見えてなりません。

  ・平成22年7月の参与会議では、上皇さまが初めて譲位の意向を示され、その後も度々話題に上がった。

  ・当時参与だった三谷太一郎東大名誉教授(82)によると、当初、参与全員が翻意を促したが、上皇さまは譲られなかったという。

 前回ウィキペディアは、羽毛田長官の談話を次のように紹介していました。

  ・公表当時に前宮内庁長官だった羽毛田信吾によると、「6年前の平成22年の『参与会議』の席で、すでに第125代天皇の『譲位』についての議論は始まっていた」という

 その実態は産経ネットの解説によると、参与全員が反対しても、当時の陛下はご自分の意見を曲げられなかったのです。ウィキペディアの説明だけを読んでいると、不正確な話を信じる間違いもあるということでしょうか。

 曖昧な「参与会議」のあり方を知りますと、1月3日の過去記事で紹介した高森明勅氏の意見も無視できなくなります。

 〈 高森氏の意見 〉

 ・「天皇を秩序の基軸とする日本社会の伝統的な在り方自体が、たったお1人の皇族のご意思によって決定的に左右される事態になる」

  ・「ご本人のご意思で退位や即位・辞退が可能になると、無責任かつ悪質な週刊誌の記事などを鵜呑みにした人々が、ご本人に働きかけて天皇の退位や即位辞退を実現させようと、

  ・不敬不埒な署名活動やデモを活発に繰り広げないとも限らない」「自分たちが『支持』する皇族を何とか即位させようと、国民の間に激しい対立が生まれることもあり得る」

  ・「退位した天皇は歴史的には太上天皇(上皇)という地位を与えられて来たが、太上天皇にはどのようなご公務を考えているのか」

 氏は「譲位は、皇室に二重権力を生む」とも述べていましたが、参与組織の解説を読んでいますと、すでに宮内庁が二重権力に苦慮している様子が見える気がするのは「ねこ庭」だけなのでしょうか。

  ・上皇さまは譲位に伴い、象徴としてのほぼ全ての公務を陛下に引き継ぎ、魚類の研究など私的な活動に専念される。

  ・また仮住まい先を、仙洞(せんとう)御所(旧東宮御所、1日に赤坂御所に改称)へと住居を移し、新生活を送られる。

  ・宮内庁関係者は「近代では譲位の例がなく、上皇さまが気心の知れた相手に相談されるための仕組みは必要」と指摘。

  ・85歳の上皇さまと年齢が比較的近く、継続して助言してもらうのにふさわしいとして、現行メンバーを推す意見が出ている。

 参与に関する説明は、ウィキペディアより産経ネットの方が具体的で正確な気がします。宮内庁の苦慮する様子がよく分かりますので、息子たちと「ねこ庭」訪問される方々のため、次回も続きを紹介します。
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