ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

女性皇族の考え「理解を」- 28 ( 参考としての、高森氏の意見 )

2025-01-03 18:41:20 | 徒然の記

 高森氏の意見について、ウイキペディアの説明がもう少しあります。

 ・その後平成28年に、NHKのいわゆる「生前退位」速報と、その後の「象徴としての務めについてのお言葉」の発表直後、

 ・月刊誌『WiLL』の特集記事で述べられた、「天皇・皇族の政治利用」「2人の天皇が併存する問題点」など、かつて自身も述べていた懸念について、

 ・「無知、理解力の無さ、事実誤認、不遜、不敬の程度が、想像を絶して甚だし過ぎる」と述べている

  ウィキペディアのこの説明もよく理解できませんが、かって自分が言っていたことを『WiLL』が述べると、今度は激しく批判したと言う意味なのでしょうか。

 次がウィキペディアの紹介する氏の最後の意見です。

 ・「選択的夫婦別姓に反対する保守の人間が男系の縛りにこだわるのは、自己矛盾」と述べている

 失礼にあたるのかもしれませんが、氏の意見の全部を読んだ上で、「ねこ庭」は次のように考えました。

 「この人は、本当に皇室研究者と呼べる学者なのだろうか。」

 今はいくら探してもネット上から消えていますが、著名な保守学者の意見がありました。

  ・皇室について、「側室」と言う言葉を使う者がいるが、ものを知らないにも程がある。

  ・「側室」は、将軍や大名のような武家の場合に使う言葉で、皇室には別の用語がある。

  ・正妻は皇后 (こうごう) 、中宮 (ちゅうぐう) 、正妻でない人は后妃 (こうひ) 、妃 (きさき) 、女御 (にょうご )  とあるのだから、使い分けるのが正しい。

 正妻は天皇や将軍と対等の立場ですが、正妻以外の女性は仕える人という違いがあることも、教えてもらいました。

 祖先の祭祀 (さいし) を絶やさぬため、儒教の道徳思想からも公認されていたと言いますから、身分の高い人々にとって正妻以外の女性を身近に置くと言うのは、普通の制度だったようです。

 高森氏は皇室研究家として有名な人のようですが、「天皇の側室」と言う言葉を平気で使っています。「ねこ庭」の頭が硬いのかもしれませんが、著名な保守学者の意見を信じてきましたので、「高森氏は、ものを知らない学者なのか ? 」と思います。

  ・高森は、「側室制度 ( 一夫多妻制 ) が廃止された状況下では、皇統を維持できなくなる」として、女系天皇容認の立場をとる。

 ウィキペディアが紹介した上記説明には、氏の間違いが二つあります。一つは「皇室の側室」という言葉の間違いですが、これについては氏がものを知らない学者という話になるだけで、たいした問題でありません。

 しかし「一夫多妻制」が無くなったので女系天皇を容認すると言う意見は、致命的な間違いです。氏が日本を大切にする保守学者なら、「天皇家の男系」を途絶えさせる女系天皇の容認は論理的にあり得ません。

 今更元へ戻せない皇室の「一夫多妻制」に言及し、それが出来なければ「女系天皇容認」という理屈では、神道学者、歴史家、皇室研究者の肩書きが泣きます。

 学者で無い「ねこ庭」でも分かりますが、「一夫多妻制」がなくなった現在、選ぶのは「11宮家の皇籍復帰」しかありません。

 「一夫多妻制」を無くされたのは、大正天皇でした。

 明治天皇の第三皇子(皇男子)として誕生された大正天皇は、ご自分の生母を明治天皇の皇后・昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう) であると信じておられました。

 病弱だった自分を献身的に育ててくれた生母が昭憲皇太后で無く、権典侍・柳原愛子様と知った時大きな衝撃を受けられ、ご自分の代になられた時から「一夫多妻制」を止められたのだそうです。

 大正天皇は貞明皇后(ていめいこうごう ) 以外の女性をそばに置かれず、貞明皇后は天皇家での「一夫一婦制」の最初の皇后と言われています。

 制度として「一夫多妻制」を廃止されたのは昭和天皇でしたから、皇室が元の制度に戻ることは今ではまずあり得ません。高森氏が皇室研究家で神道学者なら、ウィキペディアが紹介する次の意見は、出てきません。

  ・高森は、「側室制度 ( 一夫多妻制 ) が廃止された状況下では、皇統を維持できなくなる」として、女系天皇容認の立場をとる。

 まして次のような意見は、論理破綻としか考えられなくなります。

  ・「選択的夫婦別姓に反対する保守の人間が男系の縛りにこだわるのは、自己矛盾」と述べている

 「ねこ庭」からみますと、自己矛盾しているのは高森氏自身でないかと思えますが、「ねこ庭」を訪問された方々はどのように判断されるのでしょうか。

 上皇陛下がNHKを使って「譲位」の意思を述べられた事件について、氏は「ねこ庭」と同じ意見です。過去記事を読み返すと、「ねこ庭」も矛盾した意見を述べていますから、それも氏であり、これも氏であろうと思い、一方的な批判はしません。

 息子や「ねこ庭」を訪問される方々には、参考になる意見を紹介したということにとどめ、いよいよ本来の課題へ戻ります。

   4.  上皇陛下のNHKを通じた「お言葉」のこと

   5.  秋篠宮様のご長女眞子さまのご結婚のこと

 次回は、 4.  上皇陛下のNHKを通じた「お言葉」のこと です。
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女性皇族の考え「理解を」- 27 ( 高森明勅氏の意見 )

2025-01-03 00:03:54 | 徒然記

  高森明勅 ( あきのり ) の名前は耳にしたことがありますが、どのような人物かについてはほとんど知りません。ウィキペディアの経歴を紹介します。

  ・高森は昭和32年生まれ岡山県出身、68才

  ・評論家、神道学者、歴史家、皇室研究者

  ・國學院大学文学部卒業 同大学大学院博士課程前後期単位取得満期退学

  ・拓殖大学日本文化研究所客員教授  「新しい教科書を作る会」副会長

  ・「日本文化総合研究所」代表  麗澤大学外国語学部講師

  ・防衛省統合幕僚学校「国家観・歴史観」部外講師

 肩書きの多い人物ですが、保守か左翼かいまだによく分からない小林よしのり氏と共に、文筆活動や評論活動をしていると書いてあります。そのような氏が、防衛省の幕僚学校で「国家観・歴史観」の部外講師といいます。

 皇位継承問題に関する氏の意見を、ウィキペディアが紹介していますが、何度読み返しましても、氏の意見が理解できません。

  ・高森は、「側室制度 ( 一夫多妻制 ) が廃止された状況下では、皇統を維持できなくなる」として、女系天皇容認の立場をとる。

  ・同年6月に開催された皇室典範に関する有識者会議記者会議では「直系を優先し、兄弟間では男子を優先すべき」旨の提言を行っている。

  ・その理由として「女性天皇」が即位した場合、女性は生理や妊娠・出産を伴うため、宮中祭祀を含む公務の遂行が困難になること」を挙げている。

  ・同年、同有識者会議が「男女にかかわりなく直系・長子を優先する」との最終報告を提出した際には、

  ・「日本文化チャンネル桜」の座談会で、「有識者会議の結論には8割方賛成だが、長子優先論は全く問題外」だと断じている。

  ・また、前述の小林よしのりは高森の影響から、女系・直系天皇論に立場を転じている。

  ・一方、男系天皇護持派の小堀圭一郎は、自著『皇位の正統性について』の中で高森の論を「多重の安全装置が必要との主張」で「厳しくも親切な警告」としている

 女系天皇を容認すると言う高森氏の意見は、天皇家の祖先を辿れなくすることですから、神話時代から続く天皇家の血統を絶やすことになります。天皇家であっても将軍家であっても、何代も続く名家は「男系の血筋」を守っているから、名家なのです。ご先祖の苦労は、ひとえにここにありました。

 次にウィキペディアがびっくりすることを、教えてくれました。大手メディアは書かないのに、週刊誌は「開かれた皇室」報道まっしぐらです。

  ・『週刊新潮』平成25年6月20日号の「宮内庁が皇太子妃の長期療養問題を解決すべく、皇太子は即位後短期間で退位し、

      ・弟の秋篠宮文仁親王は即位を辞退し、その長男の悠仁が即位するよう安倍内閣に申し入れた」とする記事について

  ・「天皇を秩序の基軸とする日本社会の伝統的な在り方自体が、たったお1人の皇族のご意思によって決定的に左右される事態になる」

  ・「ご本人のご意思で退位や即位辞退が可能になると、無責任かつ悪質な週刊誌の記事などを鵜呑みにした人々が、ご本人に働きかけて天皇の退位や即位辞退を実現させようと、

  ・不敬不埒な署名活動やデモを活発に繰り広げないとも限らない」「自分たちが『支持』する皇族を何とか即位させようと、国民の間に激しい対立が生まれることもあり得る」

  ・「退位した天皇は歴史的には太上天皇(上皇)という地位を与えられて来たが、太上天皇にはどのようなご公務を考えているのか」と延べ、天皇のいわゆる「生前退位(譲位)」や「即位の辞退」には否定的と取れる発言をしていた。

 高森氏の女系天皇容認論には反対ですが、現上皇陛下がされた「天皇時代の譲位」については氏と同じ意見を持っています。二つ残っている検討項目の一つが下記4番ですから、テーマを外れた検討をしていないと言う安心感があります。

  4.  上皇陛下のNHKを通じた「お言葉」のこと

  5.  秋篠宮様のご長女眞子さまのご結婚のこと

 右でもなく左でもない高森氏について、「ねこ庭」が感じたことを次回にもう少し述べ、4.  5. の項目へ戻ります。問題の解決からは遠ざかっていますが、今回のシリーズは先が見えてきました。
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