3. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回前半 )」 ・・過去3000年の国際政治
氏が別の雑談をするので、「リベラル派の3つのパラダイム」の話でなくなりましたから、タイトルは同じですが内容を変えました。
〈 3. 過去3000年の国際政治では、国際機関が主役になったことは一度もない 〉
・本当の世界政府、本当の世界警察軍、本当の世界裁判所が存在しないから、行動の主体は民族国家、国民国家、もしくはその混合体だった
・要するに国際機関が主役になったことは、一度もない
・具体的にいうと、同盟に参加している国が、この同盟あるいは条約は我々にとって必要がないと言った途端、どの国も頼れるのは自分だけという状態に置かれる。
・これが、過去3000年間の国際政治の常識だった
・だから本当の意味での行動主体は、民族国家、もしくはいくつかの民族の連合体のような形であって、国際制度と同盟関係が主体ではないということである
氏は同盟関係も国際機関と同列に考えているようですが、多数の国が参加している国際連合、NATO、アセアンなどの国際機関と、2カ国だけの同盟も同レベルなのでしょうか。「日米同盟」を国際機関と考える人がいるのでしょうか。
氏はこれ以上の説明をせず、4つ目の話に移ります。
〈 4. 過去2500年の国際政治では、バランスオブパワー政策 ( 外交 ) が行われてきた 〉
・これまで見てきたように本当の世界政府がなく、共通の価値観もないから、世界はバラバラだった
・世界各国が実行してきた国際関係の主体は何だったかというと、これがバランスオブパワーだった
・価値観もバラバラ、権力を行使する組織もバラバラだから、バランスする以外に方法がないのだ
・中国人がすごく外交がうまいのは、春秋戦国時代から巨大な中国大陸で、バランスオブパワー政策を本当に実行してきたからだ
・だから中国人は歴史的に見て、日本人に比べ遥かにバランスオブパワー政策の経験を持っている
・ヨーロッパの場合は、2500年前のトルコとアテネ、シチリアを含む地域で、バランスオブパワー政策を実行している
・ローマ帝国が潰れた後、イタリアの小さな都市国家が、都市国家間でバランスオブパワー政策を実行している
・だから中国人もギリシャ人もイタリア人も、2500年前頃から、バランスオブパワー外交をやっていた
・ヨーロッパでは中世が終わった後、15世紀から16世紀頃から常に6つから7つの大国がバランスオブパワー政策を実行している
4つ目の説明が終わり、総まとめとして氏が雑談しますので、ここからは話し言葉で紹介します。
「以上が、国際政治の4つの特徴です。なぜわざわざこの話をしたかと言いますと、日本人でもアメリカ人でも、国際政治について喋るとすぐに、自分の道徳観や政治イデオロギーを持ち出します。」
「あの国は〇〇主義だから気に食わないとか、あの国は文明度が低いからあんなことをしているが、我々は違うとか、これは道徳的とか価値判断でしょ。こういうのを持ち込んで、ほかの国をバッサリ切って捨てようとするんですが、過去3000年間の国際政治を見ていれば、そんなもので国際政治がどうなるものでないということです。」
「国際政治は道徳観やイデオロギーなどで、どうともならないものだということ、そういうことをご理解願いたいと思います。」
「リベラル派の3つのパラダイム」に触れないまま、動画が終わりました。次回は、〈 4. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回後半 )」 〉で、内容の紹介が「再生産される悪夢・国際政治3学派の蹉跌」となっています。「リベラル派の3つのパラダイム」の説明は、消えてしまいました。
伊藤貫氏の意思なのか、チャンネル桜の編集のせいなのか、不思議な動画です。このような動画を見せられて、視聴者がどういう反応をしているのか、次回に合わせて紹介します。
4. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回後半 )」 〉・・「再生産される悪夢・国際政治3学派の蹉跌」