田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

第七章 記者会見/三億八千万年の孤独 麻屋与志夫

2011-04-13 13:54:38 | Weblog

第七章 記者会見        

1

沈黙をやぶったのは、携帯の着信音だった。
「わたし、美智子。やっぱおかしい。だれかに監視されてる」
東北道で襲われたあとだ。
自宅からは盗聴器がはつけんされている。
美智子の不安はよくわかる。
「いまキリコの車で、事務所にむかているから」
「こっちへきて」
美智子は出かける時、すがるような目をしていた。
一緒に行ってもらいたいのに……。目がそういっていた。

隼人もガードにつきたかった。
盗聴器の探すのにを優先したことを悔いた。
盗聴器を探すのに時間をかけ過ぎてしまった。
盗聴器を撤去するのに手間取った。
美智子よりだいぶ遅れて家をでた。
盗聴器はほとんど各部屋にしかけてあった。
場所によって機種もちがう。
ただだいぶ古いものだった。
ということは。
中山邸はずっと監視されていたということだ。
その監視される理由がわからない。
だから、隼人も不安で、なにかないかと後にのこった。
盗聴器をしかけるなどということは理不尽だ。
どうかんがえても異常だ。
恐ろしい。

隼人はあまり人前に出たくはなかった。
めだつのはゴメンだ。
トラブルの原因をつくる。

美智子のモト彼が生きていた。
なんてさわがれたくない。

そんなことがあれば。
美智子に迷惑をかける。
それもあって。
美智子と行動はともにしなかった。
事務所から来た男。
美智子担当の原村に任せたのだった。

「いまどこ」
「六本木の東都テレビ。これから記者会見。
プレスのひとに。きのう世間をさわがせたこと。
わびてから。新作発表があるの」
「テレビ局にすぐむかう」

「いろいろはじまる。ハジマルヨ」
キリコがいった。
かなり真剣な表情をしている。



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