田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

裏鹿沼(5)/三億八千万年の孤独 麻屋与志夫

2011-04-22 15:12:14 | Weblog
5

思い出すことはもうひとつある。

じぶんには超感覚がある。
先祖から受け継いだ能力がある。
こういう緊急の時に忘れていてはいけないことだ。
それを忘れていた。

例弊使街道。
霊兵士。
今風にいえば、ESP(超感覚的知覚)所持者であることをおれは忘れていた。
おれという1人称代名詞で翔太郎は独白していた。
そして日光街道をまもった忍びの末裔であることを。
霊感があるからこそ、
京都からの朝廷の例弊使の影守護として働き、
いちども行列を襲わせたことはなかった。
影の世界では霊をもった忍びといわれてきた。
忍び、戦い人――それで兵士。
日光例弊使街道の霊兵士と呼ばれていたことを……

忘れていた。
いまその霊感覚がひさしぶりでよみがえったのだ。
ふたたび、使うことはないと思っていた能力だ。

敵であるオニガミが動きだしている。
悪魔が跳梁する。
危険だ。
害意は自由が丘に住む、
里恵と里佳子と孫の美智子を襲おうとしている。

いやもう襲っている。
どうして……それを事前に察知できなかったのか。
いまこそ、能力の封印を解くときだ。
そのときが、きたのだ。

翔太郎は東武新鹿沼駅から浅草に向かった。
車中で麻耶はバックを開いた。
孫の美智子からの手紙がはいっていた。
東武新鹿沼駅から浅草にむかった。
車中で麻耶はバックを開いた。
孫の美智子からの手紙がはいっていた。
メールできたものや手紙を妻の智子がプリントして整理したものだった。
妻は知っていた。
麻耶がまた能力に、目覚めたことを。
妻は知っていた。
麻耶が孫のところに向かったことを。
それで、いままでの孫からの手紙をいれてくれたのだ。


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鹿沼クレーン車事故(5) 麻屋与志夫

2011-04-22 08:06:43 | Weblog
4月22日

●テンカンの治療薬を飲み忘れた。
そのために一時的な意識障害を起こした。
それで、事故ということらしい。
なにか納得のいかない一件落着になりそうだ。

●テレビやパソコンから情報をゲットしている。
地元鹿沼で起きた事件なのに、マスコミから情報を得ている。
なにかオカシナ感覚にオチイル。

●しかし、クスリを飲み忘れたくらいで意識障害になってしまうのなら、
いままでにも再三そうしたことが起きているはずではないか。
疑問は残る。

●事故以来、あらためて鹿沼のことをかんがえてしまった。
たまたま小説〈三億八千万年の孤独〉は裏鹿沼という節を書いている。
書く意欲が湧いてきた。

●クレーン車事故のこのブログが、
わたしの小説の裏ネタブログのようにおもえてきた。
「なかなかスリリングな街に住んでいるのですね」
むかしの友だちから電話があったりした。

●地下水をくみあげた水道水。
日本一うまい水道水だと美味しくいただいている。
黒川も大芦川も清流。
そして東武線で20分もかければ日光。

●だが人と人の結びつきはギクシャクとしていて、
いまだになじめない。

●庭先のプランタンに造花の花を挿して、
ジョウロで水をやっている老婆をみかける。
これをどう解釈すればいいのだろうか。
なにか人に言えない悩みごとでもあるのだろうか。
腰の曲がった老婆が夕暮れ時、
造花の花壇に水をやっている。

●道路はいつものようにスピードを上げた車が通る。
なにもかわっていない。
マスコミのひとたちも去り静かな日常がもどってきた?



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