田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

直人のパソコンの秘密(5)/三億八千万年の孤独 麻屋与志夫

2011-04-26 15:02:08 | Weblog
5

「やあ隼人。
成人式おめでとう。
いまこの画面を隼人が見ているということは、
もう3年たったということだ。
なによりも美智子のことが気がかりだ。
彼女はおれとめぐりあったために苦難の道をいくことになった。
力になってやってくれ。
彼女を好きになってから知った。
中山は父方の姓だ。
美智子の母は鹿沼の麻耶。
遠い昔。
勝道上人に従って日光のオニガミを征伐したとき。
榊も、黒髪も麻耶もみんな共に戦った部族だ。
さて本題だ。アメリカのペンタゴンと。FBIで追っている。
フロリダの麻薬ルートだが。
日本経由のものが大量にでまわっている。
メキシコから越境して持ち込まれるのに。
日本産らしいなんて、おかしいよな。
だんじて、これは事実ではない、といいたいが!!
どうも、そうではないらしい。
なにかからくりがある。
黒髪族のひとたちが協力してくれるだろう。
かれらは、内閣府の特殊犯罪係として活躍している。
昔はおなじ一族だったことを聞いているかな。
われら下毛(しもつけ)の先住民。
われら榊、麻耶、黒髪の一族は。
勝道上人に協力して鬼神一族を追いつめたのだ。
上人はただの修験者ではない。
名前だけでもわかるよな。
勝道。
武人でもあった。
われらの一族は上人とこの日光の地を開いたのだ。
おれの遺志をついでくれてありがとう。
健闘をいのる。
それからおれの携帯をパソコンに接続して動画をみてくれ」

携帯に事故? の起きた現場が生々しく映っていた。
PCにつなぎ拡大した。

この動画があったから、直人は美智子に携帯を託したのだ。
美智子は「山のレストラン」で直人の携帯を衝動的に隼人に渡した。
隼人は事実を知らなかった。
平気でなにも知らないまま、直人の携帯を使いつづけていた。

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直人のパソコンの秘密(4)/三億八千万年の孤独 麻屋与志夫

2011-04-26 10:20:25 | Weblog
4

直人の住んでいたマンションは東品川にあった。
セブンイレブンの角を曲がった裏路地にあった。
目立たない。
6階建てのマンションだった。
周りには新築マンションやビルが乱立していた。
直人のマンションビルは周囲と比べて地味だった。
だが、堅牢なビルだった。
目立たないようにというポリシーで建てられたようなビルだった。
壁面にはなんの装飾もない。
ただコンクリーとの打ちっ放し。
灰色のビル。
窓も少ない。
フロントを入る。
まるで透明人間にでもなったようだ。
セキュリテイにはとがめられず、
ひっかからず、
直人の部屋の前に隼人は立っていた。

キーはぴったりとあった。
まちがいなくこの部屋のキーだ。
整頓された机にPCがあった。
うっすらとほこりがついている。
スイッチをいれる。
パスワードはずばりhayatoだった。
直人には子どものころよく遊んでもらった。
直人の考えは隼人の思考にインプリントされている。
自分のことのようにわかる。
カシヤカシャとキィボードを打ちこむ。


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