二つ鬼の洞窟に着く頃には夕暮れ近く、夜の闇が迫っていた。鬼吉は暗闇にまぎれて入り口に近づいた。今回は正面からではなく、裏に回る。ササも匍匐前進で鬼吉の後に続いている。
洞窟の側面には煙出しの穴が開いていて煙が昇っていた。
「奴が何かを煮炊きしているな」
「私、あの穴から中に入ってみる」
鬼吉はぎょっとする。
「中にはいってどうする?」
「いろりにかけてある物をひっくり返すわ。きっと煙が室内一面に立ち上って大変なことになると思う」
ササの決意は固い。
洞窟の側面には煙出しの穴が開いていて煙が昇っていた。
「奴が何かを煮炊きしているな」
「私、あの穴から中に入ってみる」
鬼吉はぎょっとする。
「中にはいってどうする?」
「いろりにかけてある物をひっくり返すわ。きっと煙が室内一面に立ち上って大変なことになると思う」
ササの決意は固い。