「手を洗ってきてね。お母さん、よしおくんの大好きなドーナツ買ってきたから」
とても寒い日の昼下がり、お母さんの声がキッチンから聞こえてきました。
よしおくんはいそいそと夢中で遊んでいたブロックをかたづけます。 お母さんはどんなドーナツを買ってくれたのだろう?
よしおくんの想像は広がります。
イチゴチョコかな?
クリームサンドかな?
ぼくはこう見えて、シンプルなドーナツも結構好き!
よしおくんはお母さんのいいつけどおり手を洗ってすべりこむように、テーブルのいつも座る自分の席に着席します。
よしおくんはテーブルの上を見ます。
しかし、ドーナツはありません!
「お母さん、ドーナツはどこにあるの?」
お母さんはくすくすと笑っています。
「よしおくん。いつまでもあるようでないものは、お金と親よ。そしてすぐそばにあるのに、ないと思うのは自分の視点のせいなの。そういうことなの」
そう言うと、お母さんは悠々と自分のために入れた紅茶をおいしそうに飲みました。
「お母さん、言っていることが突然難しくて、よしおくんわからないよ」
お母さんはすっとよしおくん首元を指さしました。
「よしおくん。いま巻いているマフラー、ずいぶんガサガサしなかった?」
よしおくんは自分の首元に巻かれているマフラーをさすりながら言います。
「うん、どうしてビニールでできているのかなって思ってた」
「首に巻いてるマフラー。それマフラーじゃないの」
「ええ!」
「ビニール袋の中身、実は、一個の大きなドーナツなの!」
「ええ!」
とても寒い日の昼下がり、お母さんの声がキッチンから聞こえてきました。
よしおくんはいそいそと夢中で遊んでいたブロックをかたづけます。 お母さんはどんなドーナツを買ってくれたのだろう?
よしおくんの想像は広がります。
イチゴチョコかな?
クリームサンドかな?
ぼくはこう見えて、シンプルなドーナツも結構好き!
よしおくんはお母さんのいいつけどおり手を洗ってすべりこむように、テーブルのいつも座る自分の席に着席します。
よしおくんはテーブルの上を見ます。
しかし、ドーナツはありません!
「お母さん、ドーナツはどこにあるの?」
お母さんはくすくすと笑っています。
「よしおくん。いつまでもあるようでないものは、お金と親よ。そしてすぐそばにあるのに、ないと思うのは自分の視点のせいなの。そういうことなの」
そう言うと、お母さんは悠々と自分のために入れた紅茶をおいしそうに飲みました。
「お母さん、言っていることが突然難しくて、よしおくんわからないよ」
お母さんはすっとよしおくん首元を指さしました。
「よしおくん。いま巻いているマフラー、ずいぶんガサガサしなかった?」
よしおくんは自分の首元に巻かれているマフラーをさすりながら言います。
「うん、どうしてビニールでできているのかなって思ってた」
「首に巻いてるマフラー。それマフラーじゃないの」
「ええ!」
「ビニール袋の中身、実は、一個の大きなドーナツなの!」
「ええ!」