-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

台風19号は畑沢でも暴れていました。

2019-11-11 21:38:12 | 近況報告

 カテゴリーに「近況報告」と題しながら、一月以上も前のことを投稿するのかとお叱りをいただきそうです。でも、このことを知ったのは最近のことで、しかも写真は新しいものですので、どうか御理解ください。

 令和元年10月12日から13日にかけて、畑沢でも激しい雨が降りました。私の記憶の範囲内でのお話で恐縮ですが、他地域で大雨による被害があっても、畑沢での被害を見聞きしたことがありませんでした。確かに今まではそうだったのかもしれませんが、最近の天候は尋常ではありません。もう昔の経験ではお話になりません。今年はかなり千鳥川の水位も上昇し、あわや川から水が溢れるくらいになったそうです。畑沢の川は堤防を築く必要がないくらいに川底が岸から大部、下にあります。それでも今回は増水して、岸を越えようとしたとの事でした。

 そのような話を聞いていたのですが、実際に千鳥川を見に行くこともありませんでした。先日、畑沢での作業を終えて背炙り峠へ向かう道筋で、何やらいつもの光景と異なるものが目に入りました。橋の「端」が無残な姿になっているのです。県道29号線を南下して上畑沢の延命地蔵堂(かんばだのずんどさま)のすぐ下です。


 車を停めてよく見ると、橋の左側の土砂がなくなって骨組みである丸太が剥(む)き出しになっています。橋の中央から右側には土砂が残っていますが、表面には爪でひっかいたような跡が幾筋も見えます。「あっ、これは水か流れた跡だ」と直感しました。左側は水によって流されたのです。

 

 それにしても水と言うのは、橋の下を流れるものです。橋の上を水が流れるどんな事情があったのでしょうか。そこで、橋の上流部から橋の方向を見たのが下の写真です。これでよく分かりました。写真の中で白い矢印が示している線は、大量の土砂が堆積した上端です。ヒューム管(鉄筋コンクリート管)の上端を越えてさらに橋の上端をも越えています。土砂が堆積した上端は、現在の水面から1m以上あります。土砂が水の出口を完全に塞いでしまったようです。テレビを見ていると、橋の下の流れを邪魔するのは大量の流木ですが、ここの場合は流木がなさそうです。通常ならば、土砂が流れてきても、そのまま順次にヒューム管の中を流れていくはずです。でも、大量の土砂が土石流となって、一気に流れてきたならばとてもヒューム管から流れることができなくなり、管は塞がれてしまいます。

 

  橋の上から上流部を写したのが下の写真です。土砂が水平にずっと上流部まで堆積した跡が見えます。

 大量の土砂は上流部から下ってきました。これほど大量の土砂が流れる理由も分かりました。GoogleEarthで流域を見ると、何年か前に一面が伐採されていました。昔から薪や炭の材料として伐採されてきましたので、伐採そのものは珍しいことではありません。ただ昔と大きく異なるのは、伐採と運搬のために林の中を縦横無尽に作られる作業道です。重機で地が剥がされたままです。雨が降るたびに地面が侵食され、特に大雨の時には大量に侵食されて、沢筋に流れて一気に流れ下ると土石流となります。このような伐採方法は全国各地で行われるようになりました。畑沢のいろんな沢でこのような事が起きているはずです。

 さて、こういうことへの対策は誰が考えるのでしょうか。自然保護を訴える声が大きかったころは、行政も知らないふりをできずにいましたが、自然保護の声が聞こえなくなると、行政の行動が見えなくなりました。流れ出した土砂を止める工事よりも、その前に土砂が流れないようにすることが大事なのです。土砂が侵食されないような適切な方法で伐採するような林野行政が必要です。専門家ならできるはずなんですがねえ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 背炙り峠から見える「三つの... | トップ | 畑沢から長年、眺めた山へ行... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

近況報告」カテゴリの最新記事