ミニSL運転会に参加して
会員番号81-01
加藤 圭哉
平成24年10月6日(土)・7日(日)の両日、新居浜工業高等専門学校(鈴木幸一校長・愛媛県新居浜市)において、ミニSL運転会が開催されました。これは、新居浜市政75周年及び新居浜高専創立50周年を記念して、『あかがね工業博』が開催され、その一環として、機械工学科の学生が中心となり、ミニSL運転会を行ったものです。新居浜市は、住友グループ発祥の地であり、江戸時代より銅山で栄え、鉱工業と共に発展してきました。それ故愛媛県では、県都松山市ではなくここ新居浜市に、工業高等専門学校が創立されたのも頷けます。(ちなみに、OSのFさんは、ここ新居浜高専の卒業生です)
さて、以前から新居浜高専では、ミニSLの製作や運転に積極的に関わってきていました。というのも、新居浜市の南に位置する別子銅山からの銅鉱石の輸送に際し、明治26年にドイツ・クラウス社のBタンクを導入し、銅山近代化を推し進めていったわけですが、新居浜高専の機械工学科では、その機関車の再現にも力を入れているのです。
今回は、我々『四国ミニSL倶楽部』のメンバーが、盛大に協力させていただこうと、運転例会としての参加をお願いしたところ、快く了承いただきました。高専では、毎年行われる学園祭にも、運転を計画してみたいので、レールを自前で持とうと、夏休み返上で、一周180m(一部複線及び待避線)の線路を作り上げました。流石、機械工作はお手のものです!(分岐器は、優秀なOS製を使っています)
初日は朝10時から、四国経済産業局長さんや新居浜市長さんをお招きした工業博のテープカットとともに、一斉に汽笛吹鳴が行われ、ミニSLが走り始めました。なお、初日の機関車両数は6両、二日目は5両でした。
高知からは、久保田さんの『土佐電気鉄道100形路面電車(愛称ハートラム)』が参加。低床式3車体連接構造のユニークな電車です。行き先表示に、後免駅行きですので、『ごめん』と書かれており、まるで謝っているように走っていました。
もう1両高知県から、片岡さんの『コッペルBテンダー』が息子さんとともに参加。最初、水ポンプの調子が悪かったのですが、すぐに修理し、軽やかに場内を走っていました。なお、息子さんは本物の土佐電気鉄道の運転士さんですので、上記のハートラムの本物にも乗務しています。
香川県からは、中條さんの『700系新幹線レールスター』が参加。すべて手作りですので、運転例会の度に、台車や制御回路などに工夫改良を行い、だんだん完成度を上げてより安定した走行を行っていました。(初日のみ参加)
小山さんも香川県から、『コッペルBタンク』での参加です。
この機関車は、片岡さんの『コッペルBテンダー』と姉妹機関車で、サイドタンクが付いているか、テンダーを連結しているかの違いで、他はほとんど同じ構造をしています。徳島県の機関車作りの名人『納田正昭』さんが製作したもので、本体は真鍮板、ボイラーも高温ハンダですべて自作しているものです。
もう一人香川県から、鎌田さんが息子さんとともに『100系新幹線』で参加。流石に元イベント用の車両だけに、一度に大勢が乗車しても、安定した走行で、運行の中心となっていました。(2日目のみ参加)
愛媛県からは、単身赴任中の私・加藤が『OS-T5』で参加。最近、出力不足や燃焼の調子が本調子でなく、オーバーホールしてやりたいのですが、その時間が取り難いのが実状です。
もう1両、新居浜高専の機関車『OSドルテ』がありましたが、残念ながら調子が悪く、走行に至りませんでした。レール作りに専念し過ぎたためか(?)、機関車整備に時間を割けなかったのかも知れません。
夜は久しぶりに、『四国ミニSL倶楽部』の懇親会を、新居浜高専の先生を交えて、新居浜駅前の『別子荘』にて、夜遅くまで繰り広げられ、様々な情報交換が出来たのは、言うまでもありません。楽しい泊まりがけでの運転例会を、度々行いたいと思っています。
天気にも恵まれ、二日間で、ご来場者数が約7,000名、そのうちミニSLにご乗車いただいた方は、約2,000名ということでした。
この度お世話になった、新居浜高専の松田先生はじめ関係者の方々には、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。有難うございました。