アレバの問題はちょっと置いておいて、先ずこっちを言いたいのですが…。
「昭和の選択」の中では富嶽計画を唯一の方法論の様に言っていますが、それは現実を知らない馬鹿の論法です。
私は航空機も銃器も船も一応知識を広く持っています。
だから、色々なエピソードも知っています。
先ず、今回の話は「飛行機マニア」の「飛行機のテクノロジー」にのみ着目しており、正直「軍事ロマンチシズム」の典型と見ております。
先ず航空戦力から主力戦闘機の数を比較すると
アメリカ:90、631
日 本 :27、800
航空戦力ならば、日本とアメリカとの差は縮められると吹聴していたのが、如何に嘘なのか分かります。
この数値は洗い出して分かったのですが、元々宮崎駿氏の雑想ノートで「あの時代南方戦線ではアメリカの飛行機以外は飛んでいるのを見られなかっただろう」とありまして、その通りでした。
もっと言うと機数のみならず、燃料が足りず、これが実働数を下げる結果となりました。
頭の中がお花畑で、機体数さえ確保できれば?と言う寝言でした。
ただ、この頭の中がお花畑は、陸軍では、満州、台湾、中国に於ける円紙幣の乱発に依るハイパーインフレ、そして海軍では大艦巨砲主義と接待航海の為の巨大軍艦の建造とその予算捻出がありました。
つまり「実時が全く無い事」にのみ「資源小国の日本の資源は消費され続けた」と言う、正直情け無さ過ぎる現実でした。
この基本的な問題は、実は「がっこう」の「ばかさよく」「にっきょうそ」の低能極まる馬鹿は知りもしなければ生徒に言う事は無い。
航空機の方は、まだ救いがあるが、船の資源の浪費は発狂寸前である。
大和武蔵は7万2000トンである。これは80%が鉄と考えて間違いないだろう。
この他陸奥、長門、伊勢、日向4万トン、山城、金剛3万トン、その他赤城、加賀、蒼龍、飛竜、信濃、翔鶴、瑞鶴、大鳳の正規空母、3万トンから4万トンである。
だが、この大型艦とほぼ同量の鉄を消費する支援艦艇が存在する。
また大和と武蔵は使いもしない47センチ砲弾を100発以上を装備していた。
それは他の戦艦も同じである。
膨大過ぎる無駄遣いである。
その事を誰が指摘するのか?
今の所誰も指摘していない。
また、この海軍という卑怯者は、自分達の船には128mm高射砲を装備していた。
B-29を迎撃するには高高度戦闘機以外無いと馬鹿がホザク。老いぼれの飛行機気違いだ。
だが「激闘駆逐艦」の中で、ミッドウェー海戦から帰ってきた秋月と冬月の停泊する佐世保に12000mの高度を飛んでいたP-47が8門の128mm砲で散々撃たれて、ほうほうの体で逃げ出したとある。
これは海軍だけでも20門以上あった筈だ。
弾丸も大和や武蔵に使われたモノを作りなおせば、1000発以上の高射砲弾が作れたのは間違いない。
また、このろくに役にも立たないで燃料を無駄にする鉄の塊を高射砲にすれば、日本の主要都市の全てに128mm高射砲が100門以上あればB-29が300機で来たら、ほぼ全滅させられただろう。
また軍艦はディーゼルで動く巡洋艦と駆逐艦で構成すれば、マダマダ活動的な戦闘が可能だった。
大和か武蔵を止めて、高射砲を作れば、日本の戦局は大きく異なったことは明白なのである。
B-29を無敵のようにホザクが、B-29の様な大型爆撃機が編隊を構成した場合、高射砲で撃たれた場合、回避行動を取る事は事実上不可能である。
その事は映画「メンフィス・ベル」にでも、きちんと出ている。
東京大空襲は、間抜けなクソ軍人と勘違いした飛行機マニアの合理性を欠いた、我田引水論の結果だった。
ウイリアム・マーレー著の「ドイツ空軍全史」には「ドイツの空軍の運用に冗漫性が多かったが、間抜けな運用は米軍のハリスも立派にやっていた。マシな運用をしていたら、ドイツは勝てないにしても負けることはなかった可能性がある」と書いている。
同じ事は日本にも大いに言えるのである。
公共の電波を使って「昭和の選択」と偉そうに称するなら、私の言う事ぐらいは知っておいて叱るべくだ。
そして、この我田引水の勘違いは今も原発や半導体開発でもやっている。
この国で権力持つ馬鹿は、往々にして、決断力に欠け、ビジョンというものを持たず、判断をする際に必要なブレーンを養成し、層を厚くして、必要な状況で必要なプランと実務を執行するタスクフォースを作ると言う基本的な組織論を何時になったら学ぶのか?
正直呆れる。
批判をするにも、今回のそれは、葭の髄から天を覗くようなものだ。
見識の狭さに、言う言葉が無い。