富士山、いや、富士登山ツアーをてくてく。
個人だと、いつもいっぱいいっぱいのペースで登ってしまうので、高山病が心配。
また、マイカー利用で2人で交代しながらのロングドライブも、しっかり起きてる自信なし。
で、連れにガイド付き初心者ツアーに申し込んでもらいました。
バスで新大阪から23時発。 登山らしき服装の人は私ら含めてごくわずかで、ほとんどの女性はディズニーランドでも行くような恰好。
しまった・・。観光ツアーとの相乗りか・・。と思ったら、一台全員富士登山の人でした。 殆ど初心者で、恥ずかしいのか現地で初めて登山らしい恰好になってました。
自分はと言うと、Tシャツ・短パンで気まま過ぎ。
リュックをいきなり荷室に入れられて、寒いバスの中、ほとんど寝れず・・。
現地着。 かなり激しく雨がザザーッ。
前日のツアーの殆どが中止となり、いっせいに下山中とのこと。
温泉三昧に変更しますと言ってくれれば即OKだけど、宿泊代は8合目の山小屋にしか払ってないので、お宿で大人しく・・・は、8合目まで行ってから・・・なのであります。
帰りの客でごった返す5合目のホテルで、カッパを着こんで、しぶしぶ雨の中へ出ていく。
テンション下げ下げ。
いきなり、初心者ツアー最大の問題に直面。 普段運動しない50過ぎのおばさんが混じってました。
先頭はガイド、最後尾は添乗員の二人。 隊列がばらけると他の登山者が間に入って収集がつかなくなる。 隊列を崩さないため、バテバテのおばさんをガイドの真後ろに付けて、その人を中心にペースを作る。
そのおばさん、休憩の度に、後ろのツアーに先を譲る恰好になっても、申し訳ないと頑張るそぶりもなく、ペースはむしろ落ちていく。 自分個人のガイドにしてしまってる様子。
そこそこ体力的に準備したのなら、初心者ツアーの選択そのものが間違いだったのです。
しょうがない、景色でも楽しむか・・・。と思っても視界はなし。
雨の中、息も弾まず、汗もかけず・・・。
気になるは、カッパから滲み入る冷たい水、濡れた靴下ばかりなり。
8合目近くで少しの間雨がやみ、視界が少し広がる。
「おおっ、こんなところ歩いてたんかい」
山小屋はすぐそこ。
ザザー、雨は殆どこんな感じ。 「俺を一時なりとも、忘れることは許さん」 と言うてはります。
本日お世話になる上江戸屋さん。 右は頂上への道。
食事前、ちょいと晴れ間が・・・。でも下から雲が攻め上がる。
晩飯のハンバーグカレー。 食ったら次のパーティーの為にテーブルをあけて寝袋へ。
これから80名を受け入れるとのこと。
寝袋は、一階の廊下横を陣取りましたが、大失敗。
耳栓をしても、続々と受け入れる客の歩く振動で眠れない・・・。
数分の客の途切れと、前日の寝不足の力を借りて、3時間ばかりがっちり寝れました。
連れは私のいびきで、二日連続の徹夜とのこと。 すまないねぇ・・。
0時前、小便で目が覚めると、夜景とお月様。
テンション上げ上げ。
1時半、飯を食う。 外は真っ白で雨。 旗が上に向かってたなびく。
テンション下げ下げ。
でも夜通し登ってくる客の列で、登山道はヘッドライトの数珠つなぎ。
前が行くなら自分も行かねば風の集団意識。 これだけ多ければ、人間はレミングになるのです。
2時半、雨も風もない・・。でも3~4時に本降りの予報と山小屋からガイドに情報提供。
ガイドさん、続々登る人を前に、自分のツアーだけ中止とは言えず、「御来光はここの8合目でも見れるので、頂上にこだわりたい人は行きましょう」 とのこと。
頭痛の人を除いて、全員そそくさと準備。 おっと、自分も中年レミングしないと。
テンション・・・、ただ、流されてます。
登山道は本格派レミングの群れ。 このパーティーでは後ろから無理に追い抜く人などが入り乱れて収集が付かなくなるとのこ。
なんちゃってレミング達は下山道からマイペース。 しまいには時間がヤバすぎて、最後はガイドがおばさんのリュックも担いでペースアップ。
頂上着。 脱落者なく、皆で登れたことを祝して万歳三唱。
レミング化した自分、この連帯感も捨てがたい。
天気は良いほうに外れて、風もなく、素手を露出してもまったく問題なし。
しばし、そこいらの人と写真の撮りあいっこしたり、散策して過ごす。
御来光直前に、下山道入口に再集合。
さぁ、御来光・・・・、というか、横一面の雲がオレンジに染まる朝焼け。
夜景と相まって、これはこれで美しい。
雲はあるものの、それは遠くて、視界はズバーンと良好。 タカの目気分が味わえました。
混雑を避けるため、下山しながら、太陽が顔を出したら写真を撮ろうとのこと。
ようやくデジカメが正常に働く光量に。
つかの間の太陽。
「おお、これが御来光か?」
「いいえ、それは朝日と言います。」
同じバスの客と軽いボケと突っ込みが楽しめるのも、ツアーの良いところ。
下りの道はこんな感じ。
富士スバルライン側は、登りも下りも東に面しているから、昨日の登りで展望が良ければ、本日の下りは飽きてたかも。
須走口に間違って降りると処置なしなので、この分岐の看板までが、ガイドさんとの団体行動。
ここからは各自自由に下ります。
ホテルには8時半着。 上から下まで徹頭徹尾、濡れた砂利でずるずるのコースはもう飽き飽きです。
2番手でしたが、一番手はなんと7時45分着。
自由になった反動か、ほぼ小走りで通した様子。
脱落者等の面倒を見るお馬さん達。 「群れ集うレミングさん達、ど疲れさん」
バスに乗った途端に、また雨がザザー。
すれ違いで登って行ったレミングさん達、ご苦労様であります。
1時間後、フルーツ園で巨峰のソフト。 ここは真夏の太陽。
温泉入ってサッパリして、バイキングとビールで乾杯。
あれだけ短期間に、雨や眠れない山小屋でいっしょに辛い目にあうと、他のお客さんとも結構連帯感が生まれます。
最後、サービスエリアで、栗のソフト。
高速道路、宇治あたりでまた猛烈な雨と雷・・・。
どないなっとんねん・・・。
富士登山、いや、富士登山ツアー。
個人的には、「終わり良ければ全て良し??」
連れとは山小屋体験で意見が別れましたが・・・。
万歩計は携帯の電源節約の為、二日目の8合目~頂上~5合目までを計測し、約10kmのてくてくでした。