天木直人氏の『 さらば外務省! - 私は小泉首相と売国官僚を許さない - 』という本を読みました。
内容は、
まえがき
第一章 無視された意見具申
第二章 私はけっして小泉純一郎を許さない
第三章 外務官僚と政治家たちの恥ずべき行状
第四章 封印された外務省の犯罪
第五章 恐るべき外務官僚の世界
第六章 こんな外務省はいらない
第七章 さらば外務省
あとがき
そこには、多くのエピソードが記されているものの、その一つひとつが短くまとめられ読みやすいものでした。
外務省を去らざるを得なかった著者の遺恨を差し引いても、驚かされる内容の数々でした。
また、2003年に書かれた『対イラク攻撃に対する我が国の立場』という具申書に、国際法違反ともとれる米国のイラク攻撃に対する意見だけにとどまらず、イスラエル政府が行っているパレスチナ人殺害に対して言及し、ともに和平の道を模索すべしと意見していることに、イラク戦争の失敗と現在のパレスチナ人に対する攻撃を予見しているようで、驚くばかりでした。
2003年初版と古い本のためか、題名が過激だからか、出版元でも在庫がなく増版の予定もないとのこと。
図書館にもなかったので、図書館のネットワークで探して頂き、他市の図書館より取り寄せて頂きました。
手元に届いた本には「汚れあり」のシールが貼られていました。
この本の汚れは、過去の検証ができない現在の世の中を象徴するようで、少し残念でした。
退省されたことにより、小泉政権や外務省の汚点を暴いたこの本は、むしろ自民党や官僚の人たちが大事に読まなくてはいけないものだと思います。
「牛角」がクレームを大切にして話題になっていたことを思い出しました。
過去の失政は、当事者にとってクレームにも似た辛い事実かも知れません。
でも、そこから目を背けていては進歩は望めないのだと思います。
「政治家や官僚の無謬性という体質」こそが、大きな壁なのかもしれません。
最後に著者の考える日本の基本課題が挙げられていました。
①日米安保条約の歴史と変遷を学び、自らの異見を持つ
②第二次世界大戦以降の日本の現代史を知る
③憲法改正問題を避けずに直視する
④アジア諸国への謝罪と天皇の戦争責任について考える
⑤日本経済の混迷の真の原因を知り責任者を追求する
⑥政治家、官僚にこれ以上特権を持たせない決意を固める
⑦石にかじりついても政権交代を実現する
⑧情報公開法を更に改善し積極的に活用する
⑨地方分権化を徹底して推進する
私も、もう少し勉強してみようと思いました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます