時々雑録

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読書録 『アメリカのベジタリアンはなぜ太っているのか』

2010年02月17日 | 
今日から、たまに、読書録を記していこうと思います。とはいえ、ほとんど本を読む時間はないので、取り上げる本が教科書だったりする予定ですが。誰のためにもならない、単なる個人の覚え書きです。

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で、最初の本は教科書ではなく、それも日本の出版物。日本人の子供たちの週末日本語教室の書庫の整理であふれたものの一部です。もちろん子ども用ではなく、親が置いていったんでしょう。タイトルに惹かれてもらってきました。というのは、本当に太ったベジタリアンが身近にいるから。

内容はというと、アメリカの在住暦のあるジャーナリストが、アメリカかかえるさまざまな矛盾を取り上げ、取材を交えて考察したもの。「クリスチャンなのに離婚が多い」とか「豊かなのに格差社会」とか、まあ、もっともなんだけど、なんか食い足りない。生活していて確かに感ずる点も多々あるだけに、どういう背景なり、歴史的推移なりのせいで、こうなってるのか、という分析を期待してたんだけど、そこまで深く切り込まれることはなくて、たとえば「自己の自由と権利ばかりを主張するから」なんて、どの国のどの人にも当てはまりそうな結論出されても、肩透かしを食わされた気分。

気になったのが、男女平等について。社会的に高い地位にいる女性の割合がまだまだ低いのはそうなんでしょうが、だから「男性優位社会だ」という見方でいい? 社会的地位だけが、優位性の尺度なのか、また、それは、筆者が示唆するように全て男性側のコントロールによるものなのか。映画「Gran Torino」に、「女の子は、アメリカ社会に適応してカレッジに行ったりもできるけど、男の子は、することを見いだせなくて牢獄に行くの」という台詞があったけど、こっちにこそむしろ、移民以外にも当てはまるアメリカ社会のある側面が的確に捉えられてる気がする。自分自身でも、女性に人前でぶち切れられたり、説教されたりして、シュンとなる男性を見たことも数々。日本の男もかなり生きにくいと思うけど、アメリカはその比じゃないなと。これで、男性優位だ、なんて言われたら気の毒というのが生活実感なんだけど。アメリカに15年もいたという筆者は、こういう点には目を向けなかったんだろうか。

なんか、えらく悪口になってしまいましたが、各章の切り口が面白いだけに、期待しすぎてしまうところがあるかと。表紙に英語で「Why is the vegetarian in America fat?」と書いてあるので、学校に持っていくのは危険。家で一気に読みました。

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