時々雑録

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誰と結婚するの?:八日目の蝉 (3)

2012年07月11日 | 
薫が、彼女を誘拐した希和子を本当の母親だと思って、小豆島で暮らしていた三歳半のころ、希和子と以下の会話を交わします。

「きっと薫がもう少しおっきくなって、この人と結婚したいなあと思ったら、それは男の人だよ」
「ほならママは男なん?」
「ママは女の子だって」
「けど薫、ママと結婚したいもん

この手のことを言われたことのある方は少なくないでしょう。私も、ほんの一時期にせよ「パパ(とは呼ばれてませんが)と結婚する」と言ってもらえるかと期待してましたが、うちの娘も結婚したいのは、お母さん。私が、嫁さんと(半分わざと)べたべたしていると、

「かえでが、結婚してるんだから!!」
とか
「かえで、まだ結婚してるんだから!!」(まだ?)
などと、血相を変えて割り込んできます。

もちろん、「結婚する」を大人と同様の意味で理解してるワケはなく、私が、「お父さんは、お母さんが大好きで、結婚したんだよ」等と挑発してるので、おそらく、「いちばん仲良しの、特権的地位」とでも理解してると思われます。そしてそれは、私だと。お父さんは、どけと。私は、いたずらを仕掛けてくるし、大好きなお母さんにちょっかいかける狼藉物で、ちょっと乱暴に叩いたりしても平気で、かつ、お父さんスイッチ連打して、いろいろ遊べる「おもちゃ」(でも、たまに怖い)、という地位から、昇格できそうにありません。

『八日目の蝉』は、うちの娘の今の年齢と重なる、薫3~4歳の頃が、(偽の)母子のもっとも幸せな時期としてわりと丁寧に描写されているせいで、いろいろと自分の身の上に引き移して考えてしまいます。なので、ここ3回、作品のことじゃなくて自分の家庭のことばかり。上の場面もその一つ。

ちなみに、作者にツッコミを入れるわけではありませんが、「(うちの娘が)大きくなって、この人と結婚したいなあと思ったら、それが女の人」という可能性は、無くはないよね、とたまに嫁さんに話します。

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