北国街道は別名善光寺街道とも言われますが、それより重要な役割は幕府の御金荷の輸送路であったことです。佐渡の金山で産出された金は、出雲崎から高田を経て江戸へ運ばれたのです。北国街道豊野の三本松からは正面に妙高山が望まれます。今なお雪を被った山容はまだまだ厳しい冬山の装いです。昔雪の季節にこの道を行くのは大変なことだったと思います。
黒姫駅近くの街道沿いに、小林一茶の旧宅があります。日本人なら誰もが知っているあの小林一茶です。その旧宅は人の住む家ではなく土蔵です。ひと間しかない暗い室内に囲炉裏がひとつ。こんなひどい土蔵の中で生活をしていたのかと、思わず涙が出てきました。人は何のために生きるのか。若いころバカバカしいほど悩んで考えたことが、またぶり返してきました。
写真は三本松と妙高山です。