山遊塾With You

ハイキングやウォーキングの紀行、感想など。
気の向くままに歩いています。

後立山縦走・唐松岳から爺ケ岳まで(4)

2013年09月30日 | 登山

 五竜岳から鹿島槍ケ岳間の八峰キレットは、後立山縦走中一番の難所で、岩場が続くことで有名な所です。

 五竜岳からすぐに嫌な急なザレ場で、それもかなり下まで下って行く。G4手前のコルで一息ついて、G5からさらにクサリとハシゴと続いて北尾根ノ頭で一休み。ここから口ノ沢のコルまで五竜岳から400mも下ってきたことになります。

 口ノ沢のコルから三段登りの岩場を登ってキレット小屋に着いて22日は終了です。小屋は本当に痩せた岩稜の中の狭いコルに建っており、本当にこんな場所に小屋を建てたことに驚きます。

 23日も天候は晴れ。核心部のキレットの通過も何とか無事にこなして、鹿島槍ケ岳北峰頂上に着いてバンザイ。360度の展望を楽しんでから南峰に向かい、ここでも雄大な展望を十分に楽しむことができました。種池方面から来る人たちの多いことに驚いた。小さな子供まで登ってくる。

 冷池山荘で昼飯にして、午後は爺ケ岳を通過して種池山荘に向かいました。途中黒部側の斜面が程よく紅葉しており、時々荷を降ろしてカメラのシャッターを切る作業を楽しみました。

 扇沢から出るバスは17時55分が最終なので、急いだのですがほんの僅か間に合わず、仕方がないので大町からタクシーを呼んでしまいました。

 大町駅前の七倉荘でお風呂に入ってサッパリしてから家路につきました。  

 写真は鹿島槍ケ岳から爺ケ岳への稜線です。 

 


後立山縦走・唐松岳から爺ケ岳まで(3)

2013年09月27日 | 登山

 2日目は唐松岳頂上山荘を出発してキレット小屋まで歩きました。唐松岳頂上山荘を出るといきなり牛首の岩稜になります。クサリもバッチリ付いていますが、結構高度感はあります。高所恐怖症の人にはつらい箇所かも。

 右手には黒部渓谷を隔てて毛勝山から剣岳、立山と続く稜線がクッキリと見えて最高の稜線漫歩です。

 白岳を右から回り込むと五竜山荘で、そこから五竜岳の登りです。ここも登山者がいっぱいいました。山頂は銃走路から少し黒部側にずれていますが、展望は素晴らしいところです。

 写真は唐松岳側から見た五竜岳です。

 

 


後立山縦走・唐松岳から爺ケ岳まで(2)

2013年09月26日 | 登山

 唐松岳山頂でブロッケン現象を見ました。霧の中に虹が浮かび、その中に自分の影が映る現象ですが、後方から太陽の光を受けることによって起こります。

 この前の週が台風の影響から全国的に大荒れとなり、山はどこも登ることができない状況になってしまいました。そのために21日からの3日間の連休が大体的に登山者が増え、唐松岳頂上山荘も大変な混みようでした。またテント場も設営可能な場所はほとんど埋まってしまい、中には五竜山荘まで歩いて、やっとテントが張れたという人もいました。

 


紅葉の山シリーズ・日光男体山

2013年09月20日 | 登山

 秋の日光と言えばイロハ坂と決まっていますが、私は半月山からの中禅寺湖と男体山が一番だと思っています。息を飲むような中禅寺湖の青と男体山の紅葉は素晴らしいの一言です。

 半月山へは車で登ることもできますが、やはり歩いて登ることを薦めます。中善寺温泉から茶の木平まで登り、そこから狸山を経て半月山まで歩くのです。ここには展望台があって眼下に中禅寺湖を見下ろすことができます。そして正面には男体山がデンと構えている。その構図がなかなかいいのです。

 下りは半月峠から狸窪へ。あとは湖畔に沿ってのんびりと中禅寺湖温泉まで戻るものです。途中にはイタリア大使別荘記念公園や、立木観音もあるので立ち寄ってみるのもいいです。


紅葉の山シリーズ・八ヶ岳

2013年09月19日 | 登山

 今年の紅葉は例年より早くなるということです。もう既に紅葉が始まっている山もあります。

 上の写真は美し森から見た権現岳です。真教寺尾根の登山口になりますが、このときは真教寺尾根を登ってツルネ東稜を下るという、結構ハードな行程でした。

 私の好みで言えば八ヶ岳の紅葉は、西面より東面の方が好きです。また権現岳から見る赤岳方面が特に良く、左に阿弥陀岳から西に延びる阿弥陀岳南稜と立場川、赤岳から東に延びる真教寺尾根や天狗尾根、そしてその下に深く切れ込む地獄谷の紅葉は見ていて飽きません。そして静かな秋の一夜をキレット小屋で明かすのも良いものです。


紅葉の山シリーズ・武甲山

2013年09月17日 | 登山

 第1回目は武甲山です。

 埼玉県の名山のひとつで、古くから知られた山ですが、この半世紀に渡って石灰岩の採掘ですっかり山の形も変わってしまいました。標高も低くなり正面から見る武甲山は本当に痛々しい姿になりました。

 登山コースは現在4本あります。生川から登る表参道、妻坂峠から大持、子持を越えて行く道、橋立観音から登るコース、裏山渓谷から高ワラビ尾根を経て登るコースです。

 昔は秩父の町から羊山公園を経て登る裏参道コースがありました。しかしこの道はセメントの原料となる石灰岩の採掘で完全に無くなってしまいました。武甲山も岩場の多い山だったので、特に裏参道側には格好の岩場が集まっていました。幕岩などその代表的なものです。

 秩父は昔絹織物の産地として大変栄えた所です。その品は妻坂峠を越えて横浜に運ばれました。西欧においてチチブと言えば、それは日本の絹を指すほどだったと言います。しかし近代化されてくる絹産業は、秩父の絹農家を圧迫するようになり、ついに秩父事件まで引き起こしてしまいました。その後日本の絹産業は下降の一途を辿り、今ではごく僅かの農家が主に観光用として生産しているに過ぎません。

 武甲山の紅葉はそれほど美しいものではありません。しかし秩父の歴史の中においてこの山の存在は大きいものです。秩父の人たちの命を支えるために、自らの体を刻んで今は瀕死の状態にあります。それは目に見える紅葉の美しさとは違った、武甲山が自ら放つ命の美しさです。

 写真は秩父ミューズパークから見た武甲山です。

 

 

 


穂高連峰縦走の注意

2013年09月09日 | 登山

 槍、穂高の縦走は、登山を始めて2~3年もすると誰もが憧れるコースです。特に西穂高岳からジャンダルム、奥穂高岳、北穂高岳と続く岩の稜線は緊張の連続で、岩稜縦走の醍醐味を味わうことができます。

 上の写真はテントなど生活用具一式を背負っての縦走風景です。場所は涸沢岳と北穂高岳の中間で滝谷側をトラバースしています。岩が脆く一歩一歩を慎重に行動しなければなりません。荷が重いと本当に苦しい場所です。

 これから秋に向かいますが、気温がどんどん下がっていく季節です。雨のときなど飛騨側から吹き付ける風が体温を奪っていきますから、あんまりのんびりもしていられません。事故も多くなる季節です。9月でも気温が下がると雪に見舞われるときがありますから、兎に角天気には十分気をつけて行動は迅速に。


旧奥州街道を歩く第1回

2013年09月08日 | ウォーキング

 9月8日、旧奥州街道の宇都宮宿~氏家宿間を歩きました。生憎の雨でしたが、この夏の暑さを思えば天国のような一日でした。

 ただ白沢宿までは国道歩きが続き、ハッキリ言って街道歩きの妙味はほとんど無し。

 江戸の五街道歩きの最後が奥州街道になったわけで、今までの街道歩きに比べると些か地味なコースであることは否めない。だがまだ一回目。この先は歩いてみなければ分からない。

 第二回目は10月6日。氏家宿から佐久山宿まで約20kmを歩きます。興味のある方は参加は自由なので一緒に歩きませんか。参加費は各回3000円です。保険も含まれて居ますからご心配は無用です。申し込み先は〒331-0061埼玉県さいたま市西区西遊馬615-6  ☎/FAX o48-622-0795

 

 

 


上高地小梨平の猿

2013年09月06日 | 登山

 上高地は最近猿が増えてきたと感じませんか。彼らは人が近くを歩いていてもまったく平気で遊んだり、転げまわったりしています。こりゃまずいな、と思わずにはいられません。その内人間に手を出すようになって来るからです。写真はこの夏の上高地で見た猿です。次の日に槍沢の上部3000m近い雪渓で遊んでいる猿の群れも見ました。昔は無かった光景です。

 今ニュースで咬みつき猿が横行していると言っています。人間世界と野生動物との生活域が近くなり、お互いに顔を会わせる機会が増えてきたことが底辺にあると思います。彼らは人間を敵とは思ってはいないばかりか、程よい遊び相手と思っているのかも知れません。それが自分より弱い相手とみると、咬みつくなどの悪さをするのでしょう。

 以前荒川に沿って源流まで歩いている際、しだれ桜で有名な青雲寺の近くを通ったとき、山の方から猿の群れが、自動車道路を横切って大根畑に押し入り、大根を引き抜いて持ち去るのを目の前で見たことがあります。それも一匹ニ匹ではなく、十匹以上でそれをやるものだから、たちまちのうちに大根畑は荒らされて、無残な状態になってしまいました。

 近年鹿や猪による被害も多くなっていますが、猿により被害も馬鹿にならないのです。


夏の谷川岳一ノ倉沢ヒョングリの滝

2013年09月06日 | 登山

 今一ノ倉沢旧道出合いまで来るまで入ることが出来なくなり少々残念です。ロープウェイ乗り場から1時間あまり歩かなくてはならないので、観光で訪れる人も少なくなりました。

 写真のヒョングリの滝下までは危険もなく誰でも入ることができます。近年はここで遊ぶ人たちもいます。これより先はロッククライミングの世界。この谷で何百人もの若者が亡くなりましたがそれも昔の話。秋になると谷を彩る紅葉が見事です。あと2ケ月もするとこの谷にも雪が訪れます。


スロベニアはトリグラフ山群でのひとコマ

2013年09月05日 | 登山

 夏のスロベニアの山々は全山花に覆われます。日本と違って高山植物の保護がそんなにうるさくないようでした。そんな花の山ですれ違った女性ハイカーは、驚くほどラフなスタイルで山道を歩いていました。

 日本の山もここ4,5年前から若い女性の姿が目立ち始め、それに併せて山のスタイルはすっかり変わり、本当に山が明るくなりました。とても良いことだと思っていますが、写真のようなスタイルで山を歩くのは些かどうかとも思います。山は天候の急変は当たり前なので、あまり無防備な格好は慎みたいものです。


今年の八ヶ岳はコマクサが綺麗でした。

2013年09月05日 | 登山

 八ヶ岳も高山植物の多いことで知られていますが、特に硫黄岳から横岳にかけての稜線は、コマクサの群落が見られ登山者の目を楽しませてくれます。

 残念なことは立ち入り禁止のロープの内側に、人が立ち入った形跡が所々に見られることです。立派に咲いた株をなるべく近くで見ようという気持ちは分かりますが、中には踏みつけられたものもあって、とても残念な気持ちにさせられます。

 コマクサは地上に芽が出て花が咲くまで何年もかかります。一つの花の周りには次に芽を出そうとしている株もあるのです。見えている花だけを踏まなければ問題ないだろう、と思ってはいけないのです。

 


南八ヶ岳縦走は楽しい

2013年09月04日 | 登山

 南八ヶ岳は夏沢峠から南の部分を指します。北八ヶ岳のなだらかで森の多い山様とは打って変わって、岩尾根の険しい道が続きます。特に赤岳から権現岳の稜線は人も少なく、八ヶ岳の一番山らしい雰囲気を味わうことのできるところです。

 このときはキレット小屋に泊まり、一泊二日で赤岳から編笠山まで縦走して中央線の小淵沢駅まで歩きました。とても長い裾野歩きでウンザリしました。しかし快晴の空の下に、富士山がクッキリと浮かび最高の展望が楽しめました。写真は権現岳から見た富士山です。


この夏の穂高岳山荘

2013年09月01日 | 登山

 北アルプス穂高連峰の奥穂高岳と涸沢岳の間、丁度3000mの高さにある白出のコルに建つ立派な建物が穂高岳山荘で、今年で90年の長い歴史を持っています。私も約45年前の4年間、冬を除いた3シーズンをここで過ごした経験を持っています。

 当時から較べると山荘の進歩には驚くばかりです。現在は社長を退いた今田英雄氏の英知と努力が今の形に創り上げたのです。

 まだ当時は私も英雄氏も若かったので、二人で良く岩登りに行きました。滝谷を初め奥又白から屏風岩まで登りました。ジャンダルムT2フランケには新ルートも開拓しました。スキーはプロ並だった英雄氏に教えてもらい、教わり始めて2週間で山荘前から涸沢まで滑り降りました。今はとても懐かしい思い出となっています。

 写真は今年の夏の穂高岳山荘を涸沢岳から撮ったものです。ヘリポートにまで登山者のテントが張られて、大変賑わっていました。 穂高は本当に楽しい山です。