イツだったろう?
緑町の祭で鳶の仕事は全てカシラが目を通したり手を出したり。
僕はカシラと話す時はカシラをカシラと呼んでいたので、
本名は知りません。
そのカシラの口癖は
「俺の足首は細いからよォ、普通の奴じゃゆるくてダメ」
「俺の足袋はアツラエで俺の足の型紙も足袋屋にあるからピッタリ」
そんなカシラは祭の時はいつも足袋にワラジでした。
昨年の秋祭に神酒所を作るのに担当者の方々四苦八苦したようで、
原因はカシラが居なかったから。
聞けばカシラは秋祭より前に
旅立っていたそうです。
よく喋るオウムはたいして飛べない・・・
口が達者な職人に腕の立つはいねえ・・・
寡黙な鳶、カシラ。
今日、カシラが足袋をアツラエていた店の前で赤信号。
カシラを思い出した。