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PAP-JAPAN代表、川井眞理のお仕事(以外もてんこ盛り)日誌

淑女の振る舞いに感心

2009-06-08 | その他
先日もここへ書いたスーザン・ボイルについて少し捕捉する。

「ブリテンズ・ゴット・タレント」の決勝で惜しくも2位になった彼女だが、やはり派手さ&出来ばえでは1位の「ダイバーシティ」のパフォーマンスの方が優れていたと素直に認めざるを得ない。

年齢差のある若い男性(中には男のコも2人ほど混じっている)11人による寸分の狂いもない、全員が一体化したようなダンスは、好みはさておき素晴らしかった。

が、スーザンに(優勝者が発表される前に)審査員3人の贈った言葉がすごい。

ピアーズ「私は公平でないといけない立場ですが、敢えて言います。今日の歌は今回の番組の中で過去最高の出来ばえでした。あなたが優勝すべきです!」。
アマンダ「あんなに力のこもった自信あふれる歌は初めてです。今夜は素晴らしい出来でした。ピアーズの言う通り、誰よりも相当なプレッシャーだったことでしょうが、お見事!スコットランド、そして英国のために」

そして一番辛口のサイモンは(アマンダが暴露したところによると、涙目になっていたらしいが)、
「優勝者が誰になるのか全く見当がつかないね。この7週はとても゛奇妙゛だったよね。棄権してもおかしくなかった。米国でオファーもあったし――。そもそも(決勝に)出るべきじゃないと言った人もいた。君の手に負えないってね。そして家で飼い猫と一緒に゛チャンスを逃した゛と後悔?ナンセンスだね。

結果はどうあれ、君は戻ってきて堂々と立ち向かい、そして見返した。それが大事なこと。今夜何が起きても、私は本当のスーザンを知っているから。報道されているような人ではなく、慎ましく機会を待っていた女性だ。心に刻んで欲しい。自信を持ってね。応援してるよ」と。

普段は厳しい3人にこれだけ褒められ、認められたらそれだけで相当嬉しかったはず。

その結果、2位になった感想を聞かれたスーザンは「ベストの勝利です」と優勝者を称え、「見てて楽しいですもの。みんな頑張ってね」とエールまで贈った。
残念さは多少あったかもしれないが、多分賞賛は本心から出たものだろう。

それを聞きながら、彼女がそれまでは慎ましやかに暮らしていたごく普通の中年女性だったことを思い出した。
とっさに敵にエールを贈るなんて、なかなか出来ることではない。
やっぱり紳士淑女の国だなぁと感心。

ところでしょうがないこととはいえ、聞いてしみじみする(中高年受けする)歌と、若者世代に受けそうな(見て楽しい)ダンスパフォーマンスを同じ土俵で評価するのは、例えは悪いが「バラとユリとどちらが美しいか?」あるいは「イヌとネコどちらが可愛いか?」と言ってるに等しい気がするのは気のせいか?
比べること自体無理がある。

だが、本音を言うと、スーザンの歌の出来ばえは最初が一番伸び伸びしてて良かったと思える。
後の方はプレッシャーもあっただろうし、会場の音響設備の関係もあるのだろうが、声の素晴らしさはわかるものの、上ずっていたり、音程が微妙だったりしてそれほどきれいに聞こえなかったのが残念!