Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

出国/旅行の基本

2005年11月04日 | Weblog
出国時のエピソード。荷物の重さだ。

飛行機で預ける荷物には,「機内預け」荷物と,「機内持ち込み」荷物がある。もちろん前者は飛行機に乗り込む前に預けて客室外貨物室に入れてもらうものであり,だいたい,大きくて重い荷物だと決まっている。一方後者は手軽・安全なもので客室(機内)に持ち込んで問題ないものに制限される。その違いは,重さ・大きさ・内容などによって判断・区別される。ナイフなどはもちろん小さいが前者の扱いであり,後者の扱いで客室に持ち込もうとすると,セキュリティチェックで引っかかる(去年私はアーミーナイフが引っかかった・・・)。

機内預け荷物の重さについて,フィンエアー(フィンランド航空)では,20㎏までという制限がある。ということは今回初めて分かったのだが,全日空でもヨーロッパ路線のエコノミークラスは同様の20kg制限があるようだ。しかし,この制限重量の数字を見るにつけ,海外旅行で持ち歩く荷物の重さとしては,不当にというと言い過ぎかもしれないが,あまりにも軽すぎるのではないかと思う。

1ヶ月ぶりの帰国となり,ヘルシンキ・ヴァンター国際空港でチェックインカウンターに荷物を預けることになった。少々の不安がないわけではなかった。というのは,実はその直前,「この荷物,結構重いよね。取材のための機材がいっぱい入っているし,滞在中に収集した資料も山ほどあるし。大丈夫かな?でも入っているものは入っているんだから,仕方ないよねぇ。きっと大丈夫大丈夫!ハハハ」なんて根拠のない楽観的な会話をK氏と交わしていたのだ。

ほんのちょっぴりの不安を抱えつつ,それでも平気な顔でトランクを預けようとすると,美しい女性の係員が無表情に「ダメです。中の荷物を出して下さい」とのたまうではないか。何でそんなにすぐ重量超過だって分かるんだ?・・・よく見ると,預ける台が秤になっている。そして重量は32.5㎏だとのこと。見てみるとそう表示されている。「出?せ?っ?て?」「Sure!」「

もし超過分の荷物をトランクから出さないのなら,超過料金を1㎏あたり50ユーロ支払えばよいという。決して私の聞き違いではない。1㎏あたり50ユーロと彼女は言った。「ファイブ?」「ノー。フィフティ。」「フィフティーン?」「ノー。フィフティ。」・・・「イクスキューズミー,フィフティ?」「イエス」「・・・」空虚な短い言葉を何度かキャッチボールした挙げ句,少しだけ引きつった笑顔を見せながら,ひとまずチェックインカウンターをあとにすることに。

ま,50ユーロ×超過重量分,つまり9万1000円だけ払えばよいということである・・・ん?9万1000円?「キューマンイッセンエーン?」そんなもん払えるか!ということで,二人でブツブツ言いながら,トランクの中に入れた重い書類を取り出し,背中のザックに入れることにした。とはいっても,それは右から左に移動させただけであって,総重量は変わらず問題解決にはなっていない。

あれこれコスト計算をしてみると「こんなに高い超過料金を払うくらいだったら,重そうな三脚はココで誰かにあげて,日本国内で新しいのを買って返した方が安くつくじゃん。」という考えが思い浮かばないわけではなかった。しかし,公費で買ったものを外国で見ず知らずの人にあげてくるわけにもいかず,結局その案は却下,トランクの中心にどーんと鎮座することになった。

三脚がダメだとすると・・・仕方なしに,重そうなもの,つまり紙類を中心として,あとから日本で再入手できそうなものを手当たり次第に捨て去る以外に方法はない。日本から持っていった参考コピー類,本・・・。そうそう,ここで大切な『地球の歩き方~北欧編』もヘルシンキの露と消えたのだ・・・。努力の甲斐あって,その15分後には二人の東洋人がほっとした表情でいすにへたり込んでいた。

今回の渡航は出張であってそのために仕事用の機材が多く,重量超過が必然であったのだが,荷物をぎりぎりにまでダイエットすることは旅行の基本である。
コメント
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