Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

教科内容の総合的な取り扱い(技術工作/Aki Rasinen先生①/2)

2005年10月13日 | Weblog
フィンランドの教員養成教育の特徴の一つとして,「教科内容の総合的な取り扱い」が挙げられる。

前回アップしたクランク工作の授業の時のことだが,授業者であるAki先生だけでなく,技術教育講座に所属するその他の先生も交えてインタビューすることができた。フィンランドの教員養成,とりわけ技術教育分野の教員養成に関する基本的な考え方を知ることができるだろう。

●面談者:技術教育 アキ・ラシネン(Aki Rasinen)上級講師, ヨウコ・カントラ(Jouko Kantola)上級講師,ティーモ・リッサネン(Timo Rissanen)講師

●内 容:技術教育について
○大学での技術教育の進め方
 ・学生グループの中で,ある学生はドリル技術を特に習得し,他の学生は別の技術を習得するようにしておいて,勉強した者が他の人に伝えるようにしている。お互いに学びあい,教えあうようにしている。

 ・まずは技術学習を行い,次にプロジェクト学習に入る。2人もしくは3人のグループを作って装置をつくる。今やっているプロジェクトは,水力を使って,必ず2つの動きが起こる装置を作るというものである。この課題の中では他の科目で学んだことも関係してくる(例えば物理学であるとか)。使う材料はスチールで,大きさは靴箱までのものとしている。

 ・従来の学習方法は,先生が作ったものと同じものを作りなさいというものであったが,現在の学習方法は,自分で創り出させるようにしている。その時には,プロジェクトのテーマ,他の科目で学んだこととどう関係するのか,何歳くらいの子どもに適用できるか,使用する材料,必要な技術,安全面の配慮事項,評価をどうするかなども考えさせている。テーマを決め,問題解決(課題達成)に到るが,問題解決の方法は必ずしも1つとは限らない。なぜそのような問題解決に到ったのかそのプロセスを考えさせることが重要であると考えている。

 ・この授業の受講学生は,小学校教員志望者であるが,1つの「水」というテーマが例えば,美術から,理科から,あるいは工作からどのように扱えるか考えさせることは重要なことである(総合的に学習を進めることにつながる)。

(本日は取りあえずここまで。続く)
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