「ウィンナ・トーン」を守っている = ヤマハ。ピアノ=ベーゼンドルファー だけでなく、ウィンナ・ホルンもヤマハが製造している!
が実績なので、大いに期待した。
中野坂上のベーゼンドルファージャパン店舗は、銀座ヤマハのピアノ売場以上にエレガントな配置。グランドピアノが各機種1台づつ置かれていた。入口から見て、左奥に 280VC はあった。
試弾の許可をもらい、シューベルト 即興曲第6番D935/2 を弾き始める。「ん?、ウィンナ・トーンが無い!」が第一観。
「ウィンナ・トーン」って、残響(余韻)が ベルリン・フィル や スタインウェイ に代表される「ドイツ・トーン」よりも大きく残る、なのだが、280VC は「ドイツ・トーン」の楽器なのだ!
しかも、ヤマハ渾身の名ピアノ=CF-X ほどの「レスポンスの良さ」は全く無い。1世代前のCF-IIIS に似ている。受付の女性に「立ち上がりが良いでしょ!」と言われたが、上野の 東京文化会館小ホール で CF-X を弾いた経験があるので、同意することは出来なかったので、「私の好みには合いません」とだけ返答して置いた。
立ち上がりの良さ を追及するならば、ヤマハ CF-X & スタインウェイ D が良い。「ウィンナ・トーン」を追及するならば、 ベーゼンドルファーインペリアル が良い。ベーゼンドルファーインペリアル は 音の立ち上がりが良いピアノではなく、「残響が豊かなピアノ」。シューベルト や モーツァルト を相性の良い腕の立つピアニストが弾くと抜群に効果が出る。(相性が悪いピアニストが弾くと、シューベルト や モーツァルト でさえ、ボロボロになる>< )
ベーゼンドルファー280VC は、「ウィンナ・ホルン を フレンチ・ホルン 並みのレスポンスを与えた楽器」であり、余韻も吹き飛んだ
が最も判り易いだろう。価格も ヤマハCF-X 並みなので、私高本の好みには全く合わなかった。佐伯周子 には、旧型=ベーゼンドルファーインペリアル をこれからも弾いてもらうことを決意した次第である > シューベルト完全全曲演奏会