深い説得力を有した ロベルト・パーテルノストロ 指揮のオリジナル楽器奏法にて表現された「モーツァルトの軽やかさ」
1998年5月プレミエの ハンペ演出モーツァルト「魔笛」。初回から観ているが、今回が圧倒的に説得力を有した。初演時は、勿論ハンペが来日したし、大野和士指揮で力の入った公演だったが、パッとしなかった。(大野和士指揮「トリスタンとイゾルデ」のような説得力は無かったのである。)初回上演時から「火の試練水の試練」が重たいやぼったい演出に感じていて、最後の盛り上がり直前の箇所なので、何とか改善出来ないモノか? と常々感じていた。その後前回公演まで印象は変わらなかった。だが、今回は軽やかに感じられた。再演演出は 澤田康子 で同じなので、『ロベルト・パーテルノストロ 指揮のオリジナル楽器奏法』が演出までも軽やかに感じさせる「モーツァルトらしさ」を産んだことが判る。この日公演を ハンペに聴いてもらいたかった!
ロベルト・パーテルノストロ 指揮は、オーケストラ=東京交響楽団 と 合唱団=新国立劇場合唱団 には徹底する。
ティンパニは、オリジナル楽器(← 東京交響楽団所有、と推定される)
管弦楽器は、モダン楽器だが「ビブラート無し」
新国立劇場合唱団も「ビブラート無し」
だが、ソリスト陣には強制はしない。だが、バックがビブラート無しなので、ソリスト陣のビブラートも少なかったことをここに記す。
オリジナル楽器奏法は「言うは易し、行うは難し」であり、『ノリントン指揮N響のベートーヴェン&シューベルト』は完全に失敗><
が実績。う~ん、N響は「ビブラート有りの通常演奏法」では日本有数のオケなんだが、、、
現在、日本のオケで「オリジナル楽器奏法」に最も「慣れている」のは、東京交響楽団と山形交響楽団であろう。スダーン & 飯森範親 が「オリジナル楽器奏法」を古典派以前には用いるからである。すると、「パーテルノストロ X 東京交響楽団 で モーツァルト」を見出した「慧眼の持ち主」が新国立劇場に居たことが判る!