Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

カンブルラン指揮読響「モーツァルト+マーラー交響曲第7番」2016.02.12批評(No.2459)

2016-02-12 23:58:40 | 批評

マーラー交響曲第7番「夜の歌=ドンジョバンニの夜の歌」を見事に演じ切った カンブルラン X 読響


  これまで、「大地の歌」 → 第6番 → 第4番 → 第7番 と進めて来た「カンブルラン X 読響 の マーラー」だが、「音の作り方」は 第4番 以降のこれまでと同じ。左から 1st Vn, Va, Vc, 2nd Vn の順。

  1. 『無限に広がるかのような響き』を聴かせた「カンブルランの真面目なマーラー」


  2. サントリーホールの舞台巾を目一杯利用した「左右への響きの広がり」が効果抜群であり、説得力を持っていた


  3. 「透明感が高く、緻密に描き込まれたマーラー = カンブルラン のマーラー」


  4. 弦楽器が「和声の積み重ね」になった時の「低弦からの豊穣な響き」が実現


  5. フレーズが切り替わる際の「タメ」が深くなり、「音楽の彫り」が深い



である。
 だが、今回は「音作り」よりも重視していたことがある。

通常「第5楽章」のみが「ふざけたマーラー」と演奏されることが多いのだが、カンブルラン は「第2楽章:夜曲~第5楽章」が「ふざけたマーラー」!


  終演後は、圧倒的な拍手と乱れ飛ぶ「ブラヴォーの嵐」だったが、拍手開始直後に席を立つ人も多く、カンブルラン の解釈は聴き手には、真っ二つの受容された様子。う~ん、これだけ「ふざけたマーラー像」が表出されるのは 第3番 しか無いからなあ(爆

 読響の演奏は、第2楽章冒頭のホルン1番奏者が2回ひっくり返った、以外は、大胆にテンポを揺らす カンブルラン に見事に食らいついていた。コンサートマスター = 長原幸太 以下、ソロを務めた奏者を全部挙げたら夜が明ける(爆

 私高本は、カンブルラン の解釈は、極めて説得力が高い、と感じた。来年度の「カンブルランのマーラー」は 第5番。スケルツォしか「ふざけたマーラー」の無い曲、と感じている。だが、カンブルラン解釈はどうなのだろうか?

カンブルラン指揮読響で「マーラー交響曲全曲」は最低でも実行して欲しい。第2番や第8番のような費用の掛かる曲も含めて!


  今日の状況見る限り 14日14:00芸劇公演は、「学生券」確実に出るぞ。マーラーファン はこれは聴いておいて欲しい。

 モーツァルト「アイネクライネナハトムジーク」は「オリジナル楽器奏法」で 8-8-6-4-3 で、マーラー と同じ配置。澄んだ音色が印象的だった。
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これから聴きに行くコンサート(No.2458)

2016-02-10 21:17:31 | 演奏会案内
 先週は「大当たり」だった。今週も大当たりなることを祈っている!


  1. 2016.02.12 カンブルラン指揮読響第555回定期演奏会


      記念すべき「ゾロ目定期演奏会」。モーツァルト「アイネクライネナハトムジークK.525」+マーラー交響曲第7番「夜の歌」と言うプログラムで、プログラムノートにも「夜の音楽」通じのプログラムビルディングの旨が書かれていたが、

    カンブルラン は、モーツァルト では「オリジナル楽器奏法」を用いる為のプログラム!


    だったことが、先週のベートーヴェン「田園」を聴いて初めて分かった。前半のモーツァルト「アイネクライネナハトムジーク」が超注目の演奏会だ! 尚、「真面目系指揮者 = カンブルラン」がマーラー「夜の歌」第5楽章をどう振るの? も注目だ!!

  2. 2016.02.13 牛田智大ピアノリサイタル


      あちこちで、大フィーバーの牛田。私高本は「TV録音では数多く聴いたが、ナマ皆無」だった。「ピアノ」は最も好きな楽器なので大いに期待している。
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佐伯周子シューベルト演奏会第19回予告(No.2457)

2016-02-09 20:16:01 | ピアニスト・佐伯周子
  次回は今年8月3日(水)19:00東京文化会館小ホール、ベーゼンドルファーインペリアル使用、調律ビーテックジャパン村上公一。曲順未定だが、新シューベルト全集の推定作曲年代順に並べると次の通りになる。

  1. 1815-18年の8つの舞曲集と2つの小品



    1. 12のレントラーD681


    2. 8つのレントラーD378


    3. 3つの2つのトリオ付きメヌエットD380


    4. 6つのエコセーズD421


    5. 2つのレントラーD980B


    6. 2つの舞曲D511+D365/3


    7. ヒュッテンブレンナーの主題に拠る13の変奏曲イ短調D576


    8. スケルツォ 変ロ長調D593/1


    9. トリオD610


    10. 「悲しみのワルツ」D365/2



  2. ピアノソナタ第21番変ロ長調「遺作」D960


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オペラで最も大切な要点は何?(No.2456)

2016-02-08 22:01:03 | 批評

オペラで最も大切な要点は何?


  演目選び、原語上演 or 訳詞上演、原語台詞 or 訳詞台詞、演出、演出家、指揮者、ソリスト陣、オーケストラ、合唱団、バレエ団、美術、衣裳、照明、練習日程、、、

 どれも大切なことだが、優先順位がある、と 東京オペラプロデュース「青ひげ」公演を聴いて感じた。「演目選び」「原語上演 or 訳詞上演」「原語台詞 or 訳詞台詞」「演出」「演出家」「指揮者」「ソリスト陣」辺りが優先されるだろう。オーケストラ も大切だが、「青ひげ」公演の 東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団 は臨時編成のオケだが、ベルリン・コーミッシェ・オーパー管弦楽団 よりはっきりうまかった。最優先事項では無いと感じる。

 日本オペレッタ協会は、はっきりしていて「演出家 → 演出 → 訳詞上演&訳詞台本」だった。いや、今も活動しているので、現在形で言うのが正しい。
 ・・・で、質の高い公演を現在続けているかどうかは、読者の皆様がご判断頂きたい。


  ベルリン・コーミッシェ・オーパー も「演出家 → 演出 → 訳詞上演&訳詞台本 → ソリスト陣 → 指揮者」の順のようだ。もしかすると、指揮者 はもう少し後ろかも知れない(美術、衣裳、照明 などなど)。


  「青ひげ」公演を ベルリン・コーミッシェ・オーパー と 東京オペラプロデュース それぞれの公演を聴いた後で感じるのは

「音楽 > 演出」なこと。


  オッフェンバック は天才であり、オリジナル台本はフェルゼンシュタインの「改作台本」よりもはっきり上である。それを証明するために 東京オペラプロデュース「青ひげ」公演は開催されたような気がする。
  ・・・だが、実証するためには、「ソリスト陣がオッフェンバックの音楽要求」を満たすメンバーが集まるか? が大きな課題となる。今回公演で 及川尚志 がタイトルロールを演じることが大前提になっていた、と私高本は推測する。及川尚志h藤原歌劇団メンバーなので、「台詞廻し」は推測(藤原歌劇団レパートリーは台詞が無い!)で、どうして選ばれたのか? が判らないこともある><
 ブロット=菊地美奈 も「演目選び」の前提になっただろう、と推測される。細かな音符の動きをフォルテで歌い継ぐ技巧は素晴らしかった。「演目選び」と「ソリスト陣」は同等のような気がする。

 だが、「オッフェンバックの音楽通り」を実現する為には、指揮者 の存在が大きいことは自明の理。「指揮者」「演目選び」「ソリスト陣」は同等なのだろうか?


オペラ公演で「1 に重要は芸術監督選び」、「2 に、演目選び & ソリスト陣選び & 指揮者選び」


だと感じた。教えて下さりありがとうございました > 東京オペラプロデュース
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東京オペラプロデュース「オッフェンバック:青ひげ」初日&楽日批評(No.2455)

2016-02-07 23:51:49 | 批評

「1に音楽、2に演出」が両キャスト全員に徹底され成功していた 東京オペラプロデュース「オッフェンバック:青ひげ」公演


  素晴らしいオッフェンバック「青ひげ」だった。AB両キャストで声量や声の表現は違うのだが、テンポやアーティキュレーションは基本同じ、演出や台詞も95%以上いや99%同じだった。「マイナンバー」ネタやボベーシュ王の「赤ちゃん言葉」はアドリブかな? と初日を聴いて感じていたのだが、何と「台詞」なのだ! 両日共、聴衆に大受けだったし、即興感満載! ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番「皇帝」カデンツァ を名手が弾けば、即興感ありありなのと一緒なのだ。

 オッフェンバックオペレッタ(&オペラ)は、主要役(「青ひげ」では、青ひげ公」と「ブロット」)には、超絶技巧を要求する。これが、J.シュトラウス2世 や レハール オペレッタに比べて演奏頻度が極端に少ない原因。その為、ダブルキャスト上演になると、テンポがキャストに拠って(=解釈と技巧に拠って)変わって来る団体が多い。東京オペラプロデュースも「地獄のオルフェウス(天国と地獄)」公演(2004.11 & 2007.6)当時まではキャストに拠りテンポが異なっていた。だが、

東京オペラプロデュース「青ひげ」公演は「オッフェンバックの音楽が要求するテンポで歌えるソリストを選抜」が明快!


 これは凄い。二期会 や 日生劇場 でもなかなか難しいことだから。「キャスティングの妙」が素晴らしい。

 ・・・で、

「オッフェンバックの音楽」を尊重しながら、充分に笑いを取っていた 「ケック版」最新楽譜記載の台詞の精神に忠実な 島田道生演出 の素晴らしさ


を改めて述べたい。実は、楽日終演後に10分以上に 島田道生 の楽屋に押し掛けて教えて頂いた内容を含むので、「純粋な批評」ではないかも知れない。
  私高本を含めて、ベルリン・コーミッシェ・オーパー「フェルゼンシュタイン演出 & 訳詞台本版:青ひげ」でこのオッフェンバック作品を知った人が多いことだろう。録画も確かこれしか出たこと無いし。東京オペラプロデュース「青ひげ」初日公演を観た時に愕然としたのは、「全く違う作品」に感じたことである!
 第2幕第1場や第3幕フィナーレ などが、印象が全く違う。島田道生演出の方が「生き生き」しているのだ!

島田道生演出=オッフェンバック作曲の「メイヤック&アレヴィ台本」に忠実 = 音楽優先、フェルゼンシュタイン演出=フェルゼンシュタイン訳詞時に『改定』した別の台本 = 演出支配の台本


である。ベルリン・コーミッシェ・オーパー は「歌える役者」を起用した旨が豪華別売プログラムに掲載されているが、その通り「歌えるテンポ = 遅いテンポ」で歌われた。ちなみに来日公演だけでなく、1973年に録画されたLDも後日購入鑑賞したが、来日公演時に遅かったのは「老齢化」に拠るモノ(18年が経過している)ではなく、「歌える役者が歌える範囲のテンポ」だったようだ。
 オッフェンバックの音楽が要求する技巧の高さは、新国立劇場「ホフマン物語」を聴けば判るだろう。オペレッタ作品も同じ、いや「ホフマン物語」以上なのである。

島田道生演出の醍醐味は「刈り込んだ台詞回しのテンポの良さ」


である。「マイナンバー ネタ」などもあるので、「メイヤック&アレヴィ台本」の通りでは無い。

台本精神に於いて「メイヤック&アレヴィ」の1866年 を丁度150年移動させただけの「時代&場所移動」しただけの島田道生訳詞台本


であることをここに宣言したい。何と皮肉に満ちているのだろう! 何と風刺が効いているのだろう! はっきり言う。

島田道生 > フェルゼンシュタイン


である。


及川尚志、菊地美奈、佐藤泰弘、石川誠二、西塚巧、羽山弘子、岩崎由美恵 には特に感謝する


  オッフェンバックが想定した音楽が再現されたのは皆様のお陰様です。

  東京オペラプロデュース次回公演は、マスネ「グリゼリディス」で10月9&10日に新国立劇場中劇場。指揮 = 飯坂純。名演の予感がする。必ず聴きに行く。体調ピーク合わせるぞ~
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東京オペラプロデュース「オッフェンバック:青ひげ」2016.02.06初日批評(No.2454)

2016-02-06 21:26:16 | 批評

1991年「青ひげ」日本初演のベルリン・コーミッシェ・オーパー来日公演をはっきり越えた 飯坂純指揮 島田道生演出 及川尚志タイトルロール 東京オペラプロデュース「青ひげ」


  今日「音楽観」がはっきり変わった私高本。元「訳詞上演推進派」だったのだが、昨日までは「原語上演の方が良いらしい派」にまでは転向していた。今日

「原語上演が望ましい上演形式派」に転向したことを宣言する




  私高本の「音楽観」を形作った出会いの1つが、ベルリン・コーミッシェ・オーパー来日公演「青ひげ」であった。3日しか公演が無いのに2日も聴きに行った。内初日は1階最前列で聴いた。東ドイツの東ベルリンの ベルリン・コーミッシェ・オーパー の創設者フェルゼンシュタインの「ドイツ語訳詞台本版:青ひげ」が極めて流暢であり、魅力に憑りつかれ、日本オペレッタ協会「ベナツキー:白馬亭にて」公演に合唱団員として出演したほど。合唱団チーフは離婚された前妻。う~ん、人生の転機だったにまで至ったことは間違いない(爆


  ・・・でその ベルリン・コーミッシェ・オーパー「青ひげ」と比較して

「舞台装置が貧弱」の1点を除いて、指揮 も 演出・台本 も 主役・脇役・合唱団の歌唱も オーケストラ も 東京オペラプロデュース「青ひげ」が全て上回っていたことに愕然とした。


  何が一番大きな要因なのか? はわからない。日本語で語られた台詞は 島田道夫訳詞通り なのか? 歌手のアドリブ なのか? も全く分からないからである。本日公演を聴いただけの(舞台裏を全く知らない)私高本の感性に従って書いてみたい。

  1. 飯坂純指揮 のリズミカルさ!


      オッフェンバック「青ひげ」は徹頭徹尾リズミカルな曲である。時々思い出したように、抒情的な歌が混入するが、大半はリズミカルに進行する。合唱団は良く統率されていたが、ソリスト陣は(全員が初めての歌唱なこともあり)歌い上げ過ぎて遅れたり、走ってしまいそうになる。それを オーケストラ と 合唱 でリズムを弾ませ、元のテンポに引き戻す 飯坂純指揮の「棒の技」がスゴい!
      テンポがズレ掛かった ソリスト に向けて、はっきり視線を向け、打点を強調する。4小節以内(だと思う)には ソリスト のテンポは収縮する。これって、「オペラ指揮者」の必須条件なんだが、新国立劇場「魔笛」とかだと、1998年初演以来、2016年公演まで実現しなかったんだよね、結構有名なオペラ指揮者を招聘している時が半数以上なんだが、、、
      失礼かも知れないが、私高本の憶測を書く。

    飯坂純 は「オッフェンバックオペレッタ の指揮を ミンコフスキ(か同等以上の指揮者)を目指した。そして到達した。


      猫頭ヒョーロンカ=私高本 は、「青ひげ」のミンコフスキ指揮の録音(&録画)は知らない。だが、「地獄のオルフェウス(天国と地獄)」などの他演目のDVDは存在している。それに匹敵するほど、「音の切れ」が良い。
     「オッフェンバックの声楽部分」は、「張り上げて伸ばしたくなる音型」が多い。だが、伸ばしては「音楽が生きない」のだ。飯坂純 は、熟知している。
     ちなみに、第1幕では弦楽器の音程が結構広がっていたのだが、幕を追う毎に合って来た。弦楽器奏者って、「棒」とか「管楽器」とかで音程が変わるんだよねえ、N響とかでも。明日、の楽日公演は 第1幕から本日の第3幕の音程で演奏して下さい><


  2. 島田道生 の演出&日本語台詞訳詞 が オリジナル の「メイヤック & アレヴィ 台本」に忠実なこと!


      もしかすると、指揮 よりも 演出&日本語台詞訳詞 の方が大きいかも知れない。フェルゼンシュタインの訳詞&台本 は、ベルリン・コーミッシェ・オーパー初来日公演で「青ひげ」とモーツァルト「フィガロの結婚」が上演された。「フィガロの結婚」は、フェルゼンシュタイン演出ではなく、クプファー演出になっていた。
     ・・・で、「ダ・ポンテ オリジナル台本」と比較して、改変が多く、『オリジナル台本の方が圧倒的に良い』と感じたのだが、その時は(今以上に)猫頭だったので、「台本改変が悪い」のか? 「ソリストのアドリブが悪い」のか? 分からなかった。ベルリン・コーミッシェ・オーパー「フィガロ」は1日しか聴いていないし、、、
      島田道生演出 は、「光の使い方」が巧み。これほど照明が「感動をもたらしたオペラ」は思い出せない。猫頭=私高本 は、島田道生 が過去に演出していたように錯覚していたが、「振付のみ」であり、今回が初演出、とのこと。マジか? 完全に手馴れているじゃないか!!!


  3. タイトルロール=青ひげ=及川尚志 の圧倒的な「劇場支配力」


      もしかすると、これがトップかも知れない。序曲から第1幕開始当たりは、「弦楽器の音程巾」も広く、ソリスト陣の(「歌」は良いのだが)「台詞」がべらぼおに硬かった(泣
      だが、

    及川尚志 が登場するや否や、『場の雰囲気が一変。オペレッタの楽しい世界』が展開した!


      のである。第1幕終了後の休憩時に及川尚志の経歴を見たら、イタリアオペラ & フランス語オペラ=カルメン のみの「藤原歌劇団員」ではないか! あれだけ多い台詞をしゃべりながら、(声帯の使い方が全く違う)声楽のハイポジションを通し切ったことには感服。私高本は、「ケック版楽譜」は知らないが、「楽譜よりもハイポジション持続」は露骨(なんだと感じた)。
      小さな声で言うが「菊地美奈へのブラヴォー」が少なかったのは、及川 の「ロングトーン」が一因だと感じる。ある意味、「勝った」んだよね。

 冒頭で書かなかったが、

菊地美奈 = ブロット も素晴らしかった


  及川尚志 に隠れた、かな。GPまででは伸ばさなかったのかな > 及川尚志w

 脇役陣も素晴らしかった。全員書くと夜が明ける(藁

ボベーシュ王 = 石川誠二 は、台詞&演技 含めて、「舞台回し」を完全に演じ切った


ことだけをここに報じておく。後、

ボベーシュ王妃=クレマンティーヌ=羽山弘子 が最高の歌唱


だけは記しておきたい。
 他のソリスト陣も 飯坂純 の棒に食らいついており、素晴らしい公演だった。

 1975年に留学した寺崎裕則が東ドイツが留学当時「控室に行くと(フランスの)シャンパンがふんだんにあった」と言う「ベルリン・コーミッシェ・オーパー」控室。国家威信をかけた東側世界公演と比べて、(わずかな補助金を得ているとは言うモノの)東京オペラプロデュース「青ひげ」公演が凌いでいた、と言うのは、(私高本の心では)信じられなかった。第1幕終了後は、誰とも声を交わせなかった。人生を変える公演、ありがとうございます。明日も聴きに伺います。


 ・・・で、「装置が東ドイツ以上」って、助成金が「国の威信を上げる東ドイツ」以上に来ないと無理><

 今回の東京オペラプロデュース「青ひげ」に向けて「大道具がベルリン・コーミッシェ・オーパー来日公演より貧弱」だけは言わないで><

 他は感じた通りに松尾プロデューサーに伝えて下さい。私高本は明日公演が楽しみでなりません><
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カンブルラン指揮読響「ベートーヴェン:田園」他2016.02.05 2日目批評(No.2453)

2016-02-05 23:58:19 | 批評

常任指揮者=カンブルラン が「オリジナル楽器奏法指揮者」に変身した瞬間を見た!


  カンブルラン は、「メシアンの世界最高の指揮者」と同時に、「モーツァルトオペラで通奏低音に電子鍵盤楽器を用いて賛否両論」などがヨーロッパから伝わって来ていた指揮者。読響常任指揮者就任コンサートでも、モーツァルト「ジュピター」で「半拍休符を短縮」で意表を付きデビューが実績。昔々から、古典派レパートリーは有していて、「基本は普通のモダン奏法」であった。ベートーヴェン「第9」を指揮した時も同じだった。

 ・・・で、今回も(意表を突く解釈はある可能性は高いが)「モダン奏法」だと誰もが思っていたことだろう。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番作品15 の「オーケストラ呈示部」で「第1ヴァイオリン~第2ヴァイオリン~ヴィオラ & コントラバス」が完全に「オリジナル楽器奏法」!


がはっきり聴き取れた。「マジか???」ピアノ登場以降、管楽器も聴き込んだところ、ノンビブラート! 「えっ? マジ???」が第1印象。弦は10型。チェロはビブラートを(弱めだが)付けていたが、管楽器もビブラート無しだった。カンブルランのスコアは遠かったので確定できないが)ベーレンライター版と思われる。「ブライトコプフ新版」だったらごめんなさい><
 (譜めくり位置が「ベーレンライター版」のように見えたのですが、遠くて楽譜自体は見えませんでした><)


辻井伸行(p) は協奏曲では「アーティキュレーションの不明確」&「ピアノ方向が絞り足りなく静けさを表現出来なかった


  が残念。協奏曲終演後は「盛大な拍手」は来たが、「ブラヴォー」は無かったのだが、アンコール「悲愴ソナタ第2楽章」の後は、「ブラヴォー」が連発した出来だった。確かに、「アンコールの方が良かった」は私高本がも感じる次第である><


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佐伯周子シューベルト室内楽特別コンサート報告(No.2452)

2016-02-05 02:13:48 | ピアニスト・佐伯周子
 ご来場頂き誠にありがとうございました。アンコールは ピアノ3重奏曲変ホ長調第3楽章スケルツァンドの「トリオ → スケルツァンド主部」でした。


  ・・・ここからは、私高本の呟き。


D408 も D934 も D929 も、私高本56年の人生で「聴いたことの無い集中力と開放感が解き放たれた名演」


だった、と感じた。曲の魅力も含めると、ピアノ3重奏曲第1番変ホ長調作品100D929 が最も魅力的だったが、前半の幻想曲ハ長調D934 も ヴァイオリンソナタ第3番ト短調D408 も説得力高い魅力的な演奏だった。何故か?

小森谷巧X佐伯周子X渡部玄一 は、「ピアニッシモをシューベルト & ア-ティキュレーション の指示通りに貫徹する」が最大の魅力!


 これ、言う(書く)のは簡単だが、実際に演奏するのは極めて困難なのだ。「Allegro vivace」と書かれた楽章を「シューベルトの指示通りで演奏し続ける」のは、実際に技巧的に困難だし、「Allegretto」と書かれた箇所でさえアンダンテ以下のテンポの演奏が大半を占めているのが実情である(泣

  今回の演奏、特に D934 と D929 は、説得力が圧倒的だった、と感じた。付け加えるならば、D408 は「曲自体の魅力はD929 や D934 の域には達していないが、(録音を含めて)聴いたことの無い演奏だった。

小森谷巧X佐伯周子X渡部玄一 全員に感謝する

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2/4シューベルト室内楽特別コンサート(No.2451)

2016-02-03 23:54:07 | ピアニスト・佐伯周子

2/4シューベルト室内楽特別コンサート当日券あります


 「渡部玄一 のプレトーク」を聞きたい方は、18:34までにお越し下さいませ。演奏だけでOKな方は19:03までにお越し下さいませ。仕事などで遅れる方は、できれば19:18までにお越し下さいませ。後期作品2曲は聴くことが出来ます。


  本日の合わせを聴いたのだが、

「シューベルト最後の1年の器楽曲」の集中度の異様な高まり = ピアノ3重奏曲変ホ長調op.100 D929 が発端


を強く感じた。「冬の旅」第1巻(第12曲まで)を作曲完了した後に手を付けた器楽曲が、このピアノ3重奏曲変ホ長調。「トレモロの効果」とか「フォルテのチェロの低音トリル」とか『響きの豊かさ』を増す作曲法になっていることが鮮明なのだ。


  もし、ピアノ3重奏曲変ホ長調op.100 D929 が「無かったら」、『死直前1年の全ての器楽曲』が産まれなかった可能性が高い。(交響曲第8番「グレート」は1825年の作品なので除外して(推定順で)

  1. 「わが挨拶を送らん」幻想曲ハ長調D934


  2. 即興曲集D935


  3. 連弾の為の幻想曲ヘ短調op.103 D940


  4. 楽興の時op.94 D780/1,2,4,5 & D946/3


  5. ピアノ小品D946/1&2


  6. ピアノ連弾の為の小品D947&D951


  7. ピアノ3重奏曲変ロ長調D898


  8. 弦楽五重奏曲ハ長調D956


  9. ピアノソナタ第19番ハ短調D958


  10. ピアノソナタ第20番イ長調D959


  11. ピアノソナタ第21番変ロ長調D960



 これらが無かったら、「シューベルト器楽曲評価」は愕然とするほど低いよね(泣
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これから聴きに行くコンサート(No.2450)

2016-02-02 23:22:28 | 演奏会案内

  1. 2016.02.04 小森谷巧X佐伯周子X渡部玄一 シューベルト室内楽特別コンサート(東京文化会館小ホール)


      主宰するコンサートだが、演奏会中は間違いなく客席で聴く。既に2回の合わせをしたのを聴いたが、「シューベルトの指示通りのテンポとアーティキュレーション」をここまで徹底する演奏会が実現する予感がする。当日券18:20から発売だが、18:58に来ても着席できる。18:35からチェリスト=渡部玄一のプレトークがあるので、聞きたい方は18:34までにお越しのほどを。

  2. 2016.02.05 カンブルラン指揮読響「田園」他(東京芸術劇場)


      全3公演が一般発売とほぼ同時に売り切れた公演。私高本としては、カンブルランの田園 に注目している。

  3. 2016.02/06 & 07 東京オペラプロデュース:オッフェンバック「青ひげ」(なかのZERO大ホール)


      過去、「地獄のオルフェウス(天国と地獄)」で名演を続けて来た 東京オペラプロデュースのオッフェンバック新作が「青ひげ」! これ、チラシに書いて無いんだが、「原語フランス語歌唱日本初演」だと思う。なぜなら、「日本初演=ドイツ語訳詞公演」だったベルリン・コーミッシェ・オーパー公演を2回も聴きに行ったほど好きな演目で「再演があったら行くぞ~」モードが約20年続いているからだ。録音を聴く限りだと、「オリジナルフランス語歌唱」の方が耳当たり良しw
      過去の経験からすると、初日批評は全力で「倒れるまで書く」&2日目批評は「あっさり or ぱったり」鴨(泣


      ・・・が、このオペレッタならば、存分に準備万端だぞ!

    飯坂純指揮 & 島田道生演出 は、オペレッタ & ブッファ で「面白さ炸裂」実績


    なので、「オペレッタファン」&「ブッファファン」の方は是非是非聴いて欲しい。結構、「笑いを掴む」ポイントが高い予感。
      オッフェンバックファン=私高本 としては、この演奏会は「佐伯周子リサイタル」と時間が重ならない限り、絶対聴く! 演奏会。これ逃したら、何のため生きてるんや??? > 私高本???
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