詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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ある外国人労働者の自立〜映画『コンプリシティ/優しい共犯』(近浦啓 監督)     笠原眞弓

2020年01月21日 | 犯罪
ある外国人労働者の自立〜映画『コンプリシティ/優しい共犯』(近浦啓 監督)
    笠原眞弓

 外国人技能実習生という制度があることは、今やほとんどの人が知っている。そしてその制度が、人権の視点からも問題ありということも知られてきた。外国人労働者の受け入れが始まった1990年代後半、房総の干物製造業を訪ねた時に従業員のほとんどが中国人だったことや、今の外国人技能実習生制度が発足してから、長野県のレタス産地で有名な川上村を訪ねると、夏の農家の手伝いが学生アルバイトから中国人に、宿舎が農家受け入れから近くのアパートに代わっていたことを思い出す。それまでは、食事も何もかも家族と一緒だったが、そのころは、すべて実習生自身が賄い、農家は手間がかからなくなってよかったと話していた。

 この映画は、夢を持って来日したにも関わらず、あまりに過酷な労働条件に耐えられなくて実習先を逃げ出した青年の物語である。逃げること、嘘をつくことを余儀なくさせる社会制度って何なのかと思う。そんな中でも、何とか自己を保ち誠実に生きようとする実習生の一側面である。

 チェン・リャンは、技能実習生として中国から来た。この映画に出てくる青年は、祖母や母親想いで優しい。祖母の反対を押し切って日本に「出稼ぎ」にきたからには、錦を飾らないわけにはいかない。でも現実は、約束とは大違い。実習先を逃げ出して、仲間と窃盗を繰り返す生活。支給された携帯電話には、以前の持ち主への電話が頻繁にかかってくる。そんなある日、周旋屋から仕事の紹介電話が。思わず彼チェン・リャンは、その仕事を前の持ち主のリュウ・ウェイとして受け、親父さん(藤竜也の存在感が素晴らしい)と娘で切り盛りする蕎麦屋の住み込み店員になってしまう。

 蕎麦屋で、そば打ちを習うリュウ。「ちゃんと打てるようになったら北京で蕎麦屋をやろう」という親父さん。その親父さんの悩みは、息子に引退を迫られていること。

 店にはチェンの在留資格を問う電話がかかり、そんな人はいないというものの、親父さんは「一体君は、誰なんだ?」と。しかし深追いはしない。続いて警察も踏み込むが、親父さんは…。

 場面が変わって店で出会いお互いに惹かれ合う女性、葉月があこがれの北京へ渡り、そこから電話をかけてきて「君の名は。」 を見てきたと。それに彼は答える。

 そこで私は初めて涙があふれた。彼の「自分探し」=「青春」 は終わり、越えなければならない壁をどう越えるのかと。

 幸せは、人が作っていくものだとしみじみ感じさせる作品だ。繰り返される中国での家族との場面が、彼の人間性を表しホッとする瞬間だった。

*2018年製作/116分/日本・中国合作/1月17日より新宿武蔵野館公開中その後全国順次公開

懐かしい幼馴染の手紙

2020年01月21日 | 
北の風の街から
懐かしい幼馴染の手紙が届く

廃線と郵便局の消滅で
人間よりも熊の方が多くなっちまったよと
どこもかしこもリストラの風が吹いていて
とうとう鬱病になってしまったよと

そして最後に
どうしてこんなにも
ぼくらは臆病者になっちまったんだろうかと

「政権交代」という新しい時代の風が
どんな香りがするのか
胸いっぱい嗅いでみたい気がする

ぼくらの誰ひとりだって
誰かの奴隷じゃなく
この世に生まれてきたからには
誰にも平等に生きる権利があるんだ

犯罪の代わりの自殺というなら
犯罪を犯してでも
生きなければならないんだ

そう北風の街の友達に書いて
久し振りの手紙を送った

反対 (日本を滅茶苦茶にした元凶は)

2020年01月21日 | 
ぼくは反対する
ますます陰湿化するいじめに反対する
これらの元凶は
トヨタ等大企業でのいじめや村八分や
リストラではないのか

ぼくのトヨタ時代でも
中高年や女子社員を一列に並べて
退職するまで芝生のゴミ拾いを手始めに
片道切符の出向の先に待っているのは
危険・汚い・きついという3K職場った

それでもなかなか辞めない社員には
「あいつは男とやりくらかしてる」等のデマを流したり
上司が巧みに誘い出しての手かざしの新興宗教や
「絶対にクビにしてやる」「殺し屋に注意しろ」等の脅し文句
社員には内緒で受け取り数千万円の団体割引保険金を掛けておいての
サービス残業やいじめや出向や村八分(「あいつはアカだから話すな」等)で
ストレスに追い込んでの
過労死・過労自殺での保険金の略取

ぼくは反対する
終わることのないアメリカの侵略戦争
アメリカがベトナム・アフガン・イラク等を破壊し続けることができるのも
最大の貢献国奴隷のように貢ぎ続ける日本のおかげだ
在日米軍基地への思いやり予算や
我々の血税で強引に買うことを強制され
塩漬けになっている百兆円に近い米国債
広島長崎への原爆という無差別大量虐殺兵器
日本人はまっとうな思考力を失ってしまった
奴隷よりも家畜のような有様になってしまった

ぼくは反対する
破壊し殺し続けるばかりでなにひとつ良いものを残さなかった
小泉以降の弱肉強食自公政治を
政府発表でも自殺者に過労死者を足すと
もう十年間毎年3万人が殺され続ける
本来の政府・行政政治家官僚の役目とは
市場原理では格差が増大するばかりなのを
税金の再配分機能で
弱者や敗者を救済することというのは世界の常識だ

とりわけ法を守って手本を示すべき
地位や名誉や権力を与えられた政官財こそが
堂々と法を破り税金を掠め取り
反対する者を牢獄へと放りこんでなんら恥じることがない

これらの元凶は
中曽根政治にあった
国鉄→JRへという数百兆円の国民共有財産の強奪と組合つぶし
汐留跡地を大マスコミにばら撒いての翼賛マスコミ作り
リゾート法や原発による官が率先しての自然破壊
不沈空母発言等での米軍の下請化

夜の女王

2020年01月21日 | 
出演:キム・ミンジョン、チョン・ジョンミョン、キム・ギバン、イ・ミド
スタッフ
監督:キム・ジェヨン

僕の妻の知られざる過去―それは一世を風靡した伝説のクラブ・クイーンだった!?
ヨンスは、小心者の非モテ系男子。そんな彼がヒジュに出会うと、たちまち一目惚れ。彼女のアルバイト先に連日通い詰めた末、めでたくゴールインする。ヒジュは天使のようなルックスの持ち主で、料理の腕前はプロ並み。しかも3か国語を自在に操れるまさに理想の妻。しかしある日、そのパーフェクトな妻が…… #恋愛映画おすすめ

スイカ

2020年01月21日 | 
人生はどうしてこんなにも
苦労ばっかりなんだろうか
大好きなスイカを食べるのも
もう長いことままならない

今朝夜勤明けのスーパーで
「今日は何が安いの?」と話していたお婆さんたちのひそひそ声
食べたいスイカを買おうかどうしようかと悩んだ挙句
諦めて帰っていったおばあさんの後姿

今日のぼくも
1個998円のスイカを
買おうかどうしようかと悩んだあげく
しぶしぶと諦めた

夜勤明けの疲れ切った体には
スイカ1個の4キロがきつい
帰路に何度も何度も
反対車線へと飛び込みそうだった

スイカはもう
数年食べていない
大好きなスイカの味も
もうすっかり忘れてしまった

スイカを食べられる人よ
しみじみと味わって欲しい
スイカも食べられない年金暮らしの老婆や
僕のようにいっつも夜勤で
へとへとという人間もおおいのだから