先端技術とその周辺

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平昌五輪が残す負のレガシー 廃虚と化したスキーリゾート?

2018年02月28日 10時55分23秒 | 日記

オリンピック競技場が往々にして、競技が終了すると宴のあとは廃墟のなることが多いことは周知だが、平昌オリンピック後もその例にもれないだろうという。AP通信社が報じていたが、2020年東京もそうはならないように配慮してほしいものだ。

平昌、韓国、2月26日 (AP)― 冬季五輪平昌大会は2月25日、平昌五輪スタジアムで閉会式が行われ、17日間にわたる熱戦の幕を閉じた。宴が終わったいま、2011年の五輪招致の際の公約 ― 平昌をアジアの冬のスポーツハブに、さらに年間を通した国際的観光地にする ― の実現が危ぶまれている。
 韓国が平昌大会に投入した予算は、当初の見積もりを70億ドルから80億ドル超過した129億ドルといわれている。
 韓国北東部江原道のスキーリゾートには近代的な競技施設が次々と建設され、新しい高速道路と鉄道も完成したが、オリンピック招致は地域の活性化どころか、巨額の債務と、環境を犠牲にした高額設備の維持管理という負のレガシーを平昌に押し付けることになる。
 その根拠となるのが、韓国一般大衆の冬のスポーツに対する関心の少なさだ。
 韓国スキーリゾート協会のデータによれば、2016―2017年のシーズンにゲレンデを訪れたスキー客の数は、5年前と比較して30%も減少しているという。
 格好の例が、平昌から北に90キロほどの山あいのフルリに建設された韓国初のウインターリゾート「アルペン・スキー・リゾート」だ。
 加熱したスキー場開発競争の結果、リゾートは完成したが財政難で設備の維持管理が追いつかず、結果的に2006年には閉鎖されてしまった。
 かつて賑わいをみせた目抜き通りに人影はなく、廃虚と化したボウリング場や室内プール、数千の空き部屋を抱える高層ホテル群は、1986年に起きた原発事故が原因で廃村となったチェルノブイリ村の黙示録的な情景を思い起こさせる。
 江原道アルペン・スキー・リゾートのいまの姿が、オリンピック・ベニューの10年先、20年先の原風景とならないとだれがいえようか。