先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

ThinClient か データレスPCか

2020年02月17日 22時24分03秒 | 日記

クラウド・サービスが一般化するにつれ、企業や大きな組織のITシステムも、変わる可能性がある。ユーザーのPCから、磁気装置を無くして、アクセスだけにするGoogle等のThinClientシステムと、オフラインでも多少の作業が出来るように最低限の記憶装置とするデータレスPCが在る。こちらは、マイクロソフトのアーキテクチャに依存していて、日本独自の方式(ざーと調べた範囲での話)。

シンクライアントというか、PCを手軽にするという考えは、IBMが1970年代頃にPersonalComputerを発表した時から存在していた。そして、すかさず、コンピュータメーカー各社がネットワーク・コンピュータと言うシンクライアントを発売したが、インターネットが1995年になって、やっとMSのWindows95により一般に普及し始めたが、ネットワーク環境が整っているとは言える環境でなかったから、ネットワークコンピュータも陽の目をみることがなかった。しかし、ネットワーク環境も高速jで整備されるようになった、昨今、再び、脚光を浴び始めた。

共に、

①PCの価格が低くなるし、

②データを保持しないため、情報漏えいを無くなる。

③データは、クラウドもしくはサーバーで管理されるため、PCが故障したとしてもデータは損失しない。

 

ThinClientを進める最大手はGoogleでその方式に準拠したPC が、日本以外のPCメーカーから発売されている。他にも、サーバー上に構築した仮想マシンで仮想デスクトップ環境を実行するVDI(Virtual Desktop Infrastructure)もあるが、Googleのシンクライアントが優勢に見える。

従来のクライアント・サーバー方式では、1台につき1つの環境しか構築できないが、VDIでは、1台のサーバー上の、各マシンにOSやアプリケーションをインストールすることで、1台のサーバーで複数の環境を動かすことができる。もっとも、注目されているのがGoogleChromebookで、端末内に必要最低限の機能しか備わっておらず、どのメーカーのChromebookは、3~5で買える。クラウドにアクセスできるのはChromeブラウザのみ。データ保管に関してもクラウドストレージのGoogle Driveを使用することで、記憶装置があっても、フラッシュメモリーのeMMCで32Gとか64Gの小容量で、起動時間も瞬時だし、オフラインで使う場合にも、十分な記憶容量。

 

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データレスPCは通常のPCに専用のアプリケーションをインストールして、ローカルのデータを書き込み禁止にしている。オフラインでも、Windows 10で表示されるC:¥ドライブはなく、データは実メモリー上にしかない。メリットは、

①データはサーバ上のMicrosoft「OneDrive」に記憶し、情報漏えいが避けられる。

②オンプレミス(従来のサーバー・クライアント)でもクラウドでもシステム構築が可能。

③アプリケーションはMSのOffice365。

④オフラインで作成したデータはキャッシュにしかなく、電源オフで消滅している。

⑤仮想デスクトップと比べ、半分から3分の2程度の費用。

 

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ヒマラヤの氷河がアイスクリームのように解け始めている

2020年02月17日 10時54分05秒 | 日記

 

エベレストを行く登山者の足元では氷河が急激な速さで解けている AP/AFLO

 

ニューズウィークによると、『ヒマラヤの氷河がアイスクリームのように解け始めている』。ヒマラヤだけでなく、北極、南極の永久氷河融解が加速度的に進むしまう、緊急の温暖化対策が待ったなしの状況。2020年は、パリ協定の実施の年であるが、日本政府は、各国から非難を浴びている、化石燃料発電システムの販売を積極的に進めているが、パリ協定の実施はどうするのだろうか? トランプ大統領がパリ協定から脱退したのに右にならえをするのか?

 

<今世紀中に氷河の3分の1が消滅すれば地域住民16億人の暮らしが破壊されかねない、ネパールが旗振り役を担う気候変動問題解決への道>

昨年2月に発表されたある報告書が、国際社会に静かな、しかし確実な衝撃を与えた。題して「ヒンズークシ・ヒマラヤ地域の評価──変化・持続可能性・住民」。この報告書は、世界の二酸化炭素排出量を削減するために今すぐ行動を起こさなければ、ヒマラヤ地域でとてつもない融解が起きると結論付けていた。

 

「今後、世界全体の平均気温の上昇幅を産業革命前から1.5度に保ったとしても、ヒンズークシ・ヒマラヤ地域の気温は少なくとも0.3度、ヒマラヤ北西部とカラコルムでは0.7度上昇する」と報告書にはある。「温暖化がさらに進めば、生物物理学的および社会経済的に非常に大きな影響を引き起こす可能性がある。生物の多様性が失われ、氷河の融解が進み、水資源の利用が困難になりかねない。いずれも地域住民の生活と福祉に打撃を与えるだろう」

ネパール・タイムズ紙が昨年12月の第2週に撮影した1分間の動画は、急激な雪解けの様子をはっきり伝えていた。「ヒマラヤの山々がアイスクリームのように解けている」と、同紙は表現した。

ネパール政府も国際社会を巻き込む本格的な行動を取ろうとしている。今年4月2~4日には、気候変動がヒマラヤ山脈に及ぼす影響に世界の関心を喚起する目的で、気候変動問題に特化した初の国際サミット「エベレスト対話」を開催する。

サミットのテーマは「気候変動、山脈、そして人類の未来」。ネパール政府はこの場で、ヒマラヤ地域の経済も重要な議題として取り上げたい意向だ。ネパール外務省は、同国に影響を及ぼしている他のグローバルな問題にも対処するため、こうした国際会議を1~2年に1度の頻度で開催することを目指している。

昨年12月にスペインの首都マドリードで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)では、後発開発途上国(LDC)が先進国に対し、2015年のCOP21で採択された地球温暖化に関するパリ協定に従って気温の上昇幅を1.5度に制限するよう要請。LDCの1つであるネパールも、ヒマラヤへの気候変動の影響を抑制する必要性を呼び掛けた。

ネパール政府が感じる危機感

国際総合山岳開発センター(ICIMOD)の水資源・気候変動の専門家サントシュ・ネパールは「森林・環境省の報告書は、この国の平均気温は今世紀末までに1.7~3.6度上昇し、降雨量は11~23%増加すると推定している」と言う。「ICIMODの研究は、1980~2010年にネパールの氷河面積が25%消失した可能性を指摘する。氷河と雪解け水は、ヒマラヤを源流とする河川の水量の季節変動を調節する上で、非常に重要な役割を果たしている。ヒンズークシ・ヒマラヤ地域の氷河は今世紀中に少なくとも3分の1が失われると予想され、下流域では水資源確保に深刻な影響が出る恐れがある」

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「海洋・雪氷圏特別報告書」によると、温室効果ガス排出の大幅削減に今すぐ成功したとしても、今世紀中にはこの地域の氷河の約5分の1が失われるという。問題を放置した場合、氷河の融解は3分の1まで進むと考えられる。もろい生態系や、この地域に暮らす2億5000万の人々、そして下流域の16億5000万人の生活に深刻な被害をもたらすことは確実だろう。

ネパールでは気候変動の影響が広範囲に及ぶはずだ。例えば、川の流れが極端に大きく変化すると、下流域では農業用水や生活用水の確保が難しくなる。洪水と干ばつの両方が多発し、インフラや水力発電が影響を受ける。

 

さらには、人々の健康、都市生活、観光業などにも影響が拡大していく。そのため「社会への影響は幅広い視野で考える必要がある」と、ICIMODのネパールは主張する。