クラウド・サービスが一般化するにつれ、企業や大きな組織のITシステムも、変わる可能性がある。ユーザーのPCから、磁気装置を無くして、アクセスだけにするGoogle等のThinClientシステムと、オフラインでも多少の作業が出来るように最低限の記憶装置とするデータレスPCが在る。こちらは、マイクロソフトのアーキテクチャに依存していて、日本独自の方式(ざーと調べた範囲での話)。
シンクライアントというか、PCを手軽にするという考えは、IBMが1970年代頃にPersonalComputerを発表した時から存在していた。そして、すかさず、コンピュータメーカー各社がネットワーク・コンピュータと言うシンクライアントを発売したが、インターネットが1995年になって、やっとMSのWindows95により一般に普及し始めたが、ネットワーク環境が整っているとは言える環境でなかったから、ネットワークコンピュータも陽の目をみることがなかった。しかし、ネットワーク環境も高速jで整備されるようになった、昨今、再び、脚光を浴び始めた。
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①PCの価格が低くなるし、
②データを保持しないため、情報漏えいを無くなる。
③データは、クラウドもしくはサーバーで管理されるため、PCが故障したとしてもデータは損失しない。
ThinClientを進める最大手はGoogleでその方式に準拠したPC が、日本以外のPCメーカーから発売されている。他にも、サーバー上に構築した仮想マシンで仮想デスクトップ環境を実行するVDI(Virtual Desktop Infrastructure)もあるが、Googleのシンクライアントが優勢に見える。
従来のクライアント・サーバー方式では、1台につき1つの環境しか構築できないが、VDIでは、1台のサーバー上の、各マシンにOSやアプリケーションをインストールすることで、1台のサーバーで複数の環境を動かすことができる。もっとも、注目されているのがGoogleChromebookで、端末内に必要最低限の機能しか備わっておらず、どのメーカーのChromebookは、3~5で買える。クラウドにアクセスできるのはChromeブラウザのみ。データ保管に関してもクラウドストレージのGoogle Driveを使用することで、記憶装置があっても、フラッシュメモリーのeMMCで32Gとか64Gの小容量で、起動時間も瞬時だし、オフラインで使う場合にも、十分な記憶容量。
データレスPCは通常のPCに専用のアプリケーションをインストールして、ローカルのデータを書き込み禁止にしている。オフラインでも、Windows 10で表示されるC:¥ドライブはなく、データは実メモリー上にしかない。メリットは、
①データはサーバ上のMicrosoft「OneDrive」に記憶し、情報漏えいが避けられる。
②オンプレミス(従来のサーバー・クライアント)でもクラウドでもシステム構築が可能。
③アプリケーションはMSのOffice365。
④オフラインで作成したデータはキャッシュにしかなく、電源オフで消滅している。
⑤仮想デスクトップと比べ、半分から3分の2程度の費用。