先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

ソニー、やっと5Gスマホ発売開始

2020年02月24日 21時48分19秒 | 日記

ソニーが2月24日、『5G対応のフラッグシップスマートフォン『Xperia 1 II』など、2機種を商品化』。5Gミリ波帯対応デバイス『Xperia PRO』の開発も発表。そもそも、世界をリードしている中国の防犯カメラ、ソニーのCMOS(以前はCCD)や映像処理装置が搭載されていて、その優秀性や、価格性能比が優れているのは、偏にソニーのおかげと思う。それだけの力が在るのだから、ソニーは、むろん他の日本の通信機器メーカーは、世界で活躍出来る力はまだあると思う。

ソニーの5Gスマホの発表内容を見ても、後進企業製線では決してない。

ソニーは、Xperia™スマートフォンとして初めて第5世代移動通信(以下、5G)に対応し、新たにZEISS®(ツァイス)レンズを採用したトリプルレンズカメラ搭載のフラッグシップスマートフォン『Xperia 1 II (エクスペリア ワン マークツー)』に加え、アスペクト比21:9の有機ELディスプレイとトリプルレンズカメラを搭載したミッドレンジのスマートフォン『Xperia 10 II (エクスペリア テン マークツー)』も発表しました。これらの商品は、本年春以降に日本を含む国・地域にて順次導入を予定しています。
さらに、プロフェッショナル向けソリューションにも対応した5Gミリ波帯対応デバイス『Xperia PRO (エクスペリア プロ)』の開発も発表しました。

フラッグシップスマートフォン 『Xperia 1 II (エクスペリア ワン マークツー)』

Xperiaとして初めて第5世代移動通信システム(以下、5G)のSub6 (6GHz未満の周波数帯)に対応し、ソニーの技術を結集したフラッグシップスマートフォン。5Gの高速通信により、撮影した大容量データの送信や4Kコンテンツのストリーミング再生などをより快適に楽しめます。

■世界初※1となるAF/AE※2追従最高20コマ/秒※3の高速連写などを実現する本格的なカメラ性能を搭載。撮り逃したくない大切な一瞬を捉えます。
  • ソニーのレンズ交換式デジタル一眼カメラα™で培った技術により、60回/秒※4のAF/AE※2演算を行うコンティニュアスAFに対応。それにより、世界初となる※1AF/AE※2追従最高20コマ/秒※3の高速連写を実現。
  • 被写体の質感までを忠実に再現するZEISSレンズを新たに採用したトリプルレンズカメラと3D iToFセンサーを新搭載。
  • 3D iToFセンサーや1/1.7”大判センサーなどにより暗所での高速AFと高感度撮影を実現。
  • 本格的なシネマ撮影体験を可能にする「Cinematography Pro」には、映像制作現場のクリエイターの声を反映した新機能を搭載。
  • 21:9 4K有機ELディスプレイと 90Hzディスプレイ相当の残像低減技術でクリアな映像を実現します。立体音響技術「Dolby Atmos®(ドルビーアトモス®)」には、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと協業した独自のチューニングを実装。映画などの対応コンテンツにおいて、より一層没入感ある映像視聴を楽しめます。
  • ソニー・ミュージックエンタテインメントとの協業により、その場にいるかのようなリアルな空気感など、クリエイターの制作意図を忠実に再現するソニー独自のオーディオチューニングを実装します。
  • 「ゲームエンハンサー」には、コンペティションセットなど新たな機能を追加し、ゲームプレイに集中できる環境と没入感あるゲーム体験を実現します。
  • Qualcomm社製の最新プラットフォーム Qualcomm® Snapdragon™ 865 5G Mobile Platformを搭載。4000mAhの大容量バッテリーやワイヤレス給電規格Qi(チー)に対応。電池持ちをよくする「STAMINA®モード」、防水(IPX5/8)、防塵(IP6X)性能など、充実した基本性能を備えます。

ミッドレンジスマートフォン『Xperia 10 II (エクスペリア テン マークツー)』

Xperiaのミッドレンジモデルとして初めて有機ELディスプレイとトリプルレンズカメラを搭載します。

  • アスペクト比21:9※5、約6.0インチのフルHD+有機ELディスプレイを搭載。画質最適化による引き込まれる映像美と、21:9ならではの高い利便性を両立します。
  • 3つの画角でクリエイティブな撮影を可能にするトリプルレンズカメラを搭載。
  • 約151gの軽量ボディや防水(IPX5/8)、防塵(IP6X)性能、3600mAhの大容量バッテリーなど、安心して日常使いができる充実の基本性能を搭載。

開発発表

5Gミリ波帯対応デバイス『Xperia PRO (エクスペリア プロ)』

映像制作などプロフェッショナル向けソリューションにも対応した、5Gミリ波帯対応デバイス※6。Xperia 1 IIに搭載しているカメラ機能やディスプレイなどを有し、高品質な動画視聴や写真撮影が可能です。

  • ソニー独自の4方向に配置したアンテナ技術と低誘電率素材により、通信の安定性を保持するのが難しい5Gミリ波帯において、360度全方位の通信の受信感度を高め、超高速でのデータ送受信を実現します。また、5Gミリ波の接続している方向や通信のデータ送受信速度を画面上に表示する独自の通信解析機能を搭載。通信状況を視覚化し確認可能になることで、プロフェッショナルの映像伝送のワークフローをサポートします。
  • 独自の熱を拡散する構造により、通信環境を最適に保ち、高画質の映像伝送が必要な際に長時間の使用を実現します。
  • HDMI※7接続に対応。レンズ交換式デジタル一眼カメラやプロフェッショナル向けカムコーダーなどのモニターとして利用しながら、撮影中の映像データを、5G通信でサーバーやクラウドなどに伝送することが可能です。これにより、本デバイス単体で撮影から映像確認、データ伝送まで実現します。

日本の移動体通信技術、もはや、後進国並み。米国の中国警戒感で漁夫の利?

2020年02月24日 20時51分03秒 | 日記

日経が、日本の移動体通信市場で、日本の技術は存在感が無いと言う記事を載せていた。基地局だけの市場を見ても、世界市場は2兆数千億だが、ファーウエイとZTEで、1兆5千億と、70%以上の市場占有率は驚き。又、サムソンも10%のシェアーなのに、日本勢は3%。全く後進国入りを達成した。お見事と皮肉りたくなる。

 

 

 

 

 

年明け以降に絞っても、日本も無縁と思われない要注目のニュースが3つあった。

1つは米内務省が1月末に安全保障上の理由から同省の持つドローン艦隊810機の飛行を原則休止したことだ。艦隊の大部分は世界最大手のDJIはじめ中国製であり、休止の決断はドローンを通じて集めた情報が中国側に漏れるのではとの米政府の懸念を示唆している。

2つ目は2月13日の米司法省によるファーウェイの追起訴だ。起訴状には情報窃取などの具体的な手口が克明に記されている。例えば優れた情報を取ってきた社員を表彰する制度を導入したり、ファーウェイとは無関係を装った中国の大学教授と裏で連携して、米半導体企業の設計情報を不正に取得しようとしたり……。こうした司法省の言い分に対し、ファーウェイは「根拠がなく不公正」と反論し、全面的に争う姿勢だ。

そして3つ目はオランダASML社をめぐる綱引きだ。同社は半導体製造に欠かせない露光装置のリーダー企業だが、ロイター通信によると、ポンペオ米国務長官が同社技術の対中輸出の停止をオランダ政府に働きかけ、オランダ駐在の中国大使がそれに強く反発しているという。

次世代通信規格の「5G」ではファーウェイの排除をめぐって米欧の姿勢の違いが顕在化したが、半導体は5G以上に戦略的重要性が高い。日本にも東京エレクトロンはじめ機密技術の塊である半導体製造装置メーカーが集積し、経済産業省は中国への技術流出を警戒する米国からの水面下の圧力にさらされている。半導体をめぐって日米欧や台湾を含めた西側陣営の足並みがそろうのか、注目したい。

米中分断にどう向き合うべきか。日本政府としてはそれでも自由貿易の旗を掲げ、米中両国をブリッジするようなポジションをめざすべきだ。幸い日本のメガFTA(自由貿易協定)戦略への評価は高い。環太平洋経済連携協定(TPP11)の拡張や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の創設を通じて、日本などのミドルパワーが連携し、両大国を自由主義的な国際貿易秩序につなぎ留めたい。

企業はさらにしたたかな振る舞いが求められる。トヨタ自動車の19年の新車販売台数は米市場が最も多く、次いで中国が2番目だった。これまで「米国基軸」がトヨタの基本戦略だったが、今後は中国も米国に匹敵する重みを持つようになるかもしれない。中心が1つの円に比べ、中心(焦点)が2つの楕円は安定に欠ける。米中のはざまで、どちらに弾むか分からないラグビーボールのような危うい状況に、グローバル企業の経営者は向き合う必要がある。

とはいえ、マイナスばかりでもない。1990年代の日米半導体摩擦の最大の勝者は韓国のサムスン電子だったと言われる。当時最も勢いのあった日本メーカーが米国の政治圧力で攻勢を手控える間隙をついて、一気にメモリー市場で基盤を固めたのだ。

5G関連の通信機器をめぐって、日本のNEC富士通は以前のサムスンに倣い「伏兵戦略」を取るべきだろう。この市場はファーウェイのほかエリクソンとノキアという北欧企業による3社寡占だが、実は世界の有力通信会社は3社に過度に依存し、そこから抜け出せないロックイン構造に嫌気がさしており、技術のオープン化による寡占打破をめざしている。

米国主導のファーウェイ包囲網に加え、こうした技術の新トレンドが重なれば、今は「弱小」の日本勢にも展望が開けるかもしれない。現にファーウェイの部分排除を決めた英国政府の閣僚からは「日本の技術に期待したい」という発言も飛び出した。NECの渡辺望シニアエグゼクティブは「5Gを再び世界に出て行くきっかけにしたい」と強調する。ぜひそう期待したい。今回がおそらく最後のチャンスかもしれないから。