IoTの大きな部門である、低消費電力・広帯域・長距離通信のLPWA(LowPriceWideArea)は、BusinessNetworkと言うIT系雑誌がIHSTechnology社の調査結果、2020年は4億台になるという事を引用しているが、最近のLPWAを含めたIoT技術の進展が大きいから、IoTがブレークスルーする気配が在ると思う。
IoTの分野でも日本の貢献は微々たるものであるが、ソニーが、ELTRESなる商用サービスのLPWAを開始するなど、多少元気が出た?
従来のLPWAは、SigfoxとかLoraWAN、Wi-SUN、携帯通信を使ったNB-IT、 位であったが、新たに、ELTRESだけでなく、ZETAあるいは、携帯通信規約推進団体の3GPPが、新たなLPWAの規約策定を行った。
①ZiFiSense社のは、他のLPWANの規格(LoRa、Sigfox、NB-IoT)と比較して、
- 超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信が可能
- Meshネットワークによる広域での分散アクセスが可能
- 双方向での低消費電力通信が可能
などの特長を持つとしている。ZETAは、NB-IoTの約1/20、LoRaの約1/5の初期費用でシステム構築が可能です。また、LTEなどのキャリアを基本にしたシステムと比較して、一桁少ないランニングコストで運用可能です。
ZETAは、超狭帯域(UNB)による多チャンネル通信を行うLPWA規格だ(図表1)。最大の特徴はマルチホップ通信が可能なこと。基地局(AP)の約10分の1と安価で、かつ電池駆動の中継器(Mote)を用いてメッシュネットワークを作り、広範なエリアをカバーできる。
基地局の設置にはその都度、電源工事等が必要になるため、障害物が多い市街地や屋内・地下に電波を届かせようとすると、一般的なLPWA規格ではどうしてもネットワーク構築に時間とコストがかかる。対して、ZETAなら中継器を置いていくだけで通信エリアが作れる。冗長経路の確保も容易だ。
さらに、デバイス/ユーザー管理やデータ可視化等の機能を備えたZETA Serverも用意されている。アイティアクセスが提供するクラウドサービスを利用するほか、ユーザーがソフトを購入して自ら運用することも可能だ。
つまり、短期間かつ低コストに信頼性の高いIoT無線ネットワークが構築できるのだ。凸版印刷の諸井眞太郎氏は「ネットワーク構築のコストで、ZETAは圧倒的に優位」と話す。
この強みを活かして中国では、同国3大キャリアの基地局インフラを管理する中国鉄塔(China Tower)が上海市全域をカバーするZETA通信網を構築して同市内の通信インフラ遠隔監視に用いているほか、スマートシティ向けアプリケーションの展開も進めている。
②ELTRES
ソニーのLPWAは「長距離安定通信」「高速移動体通信」「低電力消費」という特長があるという。
「長距離安定通信」では見通し100kmを目安としたとの事。
「高速移動体通信」では、他規格のLPWAを大きく上回る性能を有しており、時速100kmで走行中の車両からも通信が可能。
「低消費電力」については、1日1回程度のデータ送信ならばコイン電池1個で約10年動く設計という。
「通信の安定性」では920MHz帯のアンライセンスバンド(無線局免許を必要としない周波数帯)を使っていて、LoRaWAN、Sigfoxや250mWの簡易無線局など別の通信規格も共存しているが、LoRaWAN、Sigfoxや250mWの簡易無線と被らないチャネルを利用できたり、混信除去アルゴリズムの適応などで安定した通信が実現していると言う。
③LTE応用での充実
3-1 LTE Cat-M1
LTE Cat-M1とは、「Cat.M1(カテゴリーM1)」とも言う。免許が必要な周波数帯域(ライセンスバンド)を利用するもので、携帯電話向けの通信方式の標準化団体である3GPPによって標準化された規格。少ない消費電力で頻度の高い通信を行えることが特徴で、通信事業者が提供するIoTサービスに用いることを想定し、実用化に向けた実験が進められてい
LPWAはと、免許不要の帯域(アンライセンスバンド)を利用するものに大別できる。LTE Cat-M1は前者で、携帯電話向けの通信方式の標準化団体である3GPPによって標準化された規格。
3-2 LTE-M
LTE-Mは、3GPP Rel-13の通信技術。高速LTEの一部周波数帯域のみを利用することでモジュールの低価格化、省電力化を実現する技術。