世界のスマホ市場の占有率トップは、CnetやBCNがアメリカの調査会社IDCの調査報告を、以下に展開したように、この数年はサムソンがAppleを抜いてトップにいる。そして、2020年に入ると、コロナ災禍で、スマホでは最大市場の中国のスマホ購入が落ち込んでおり、このため、サムソンは、インド市場開拓に力を入れ始めたというし、中国のメーカはさらにアフリカとSIMフリーで日本市場開拓に力を入れ始めているという。
さて、なぜ、サムソンがトップにいられるか不思議に思う。PC 自由帳というサイトにスマートフォンのCPUとGPUの性能比較表が出ていてそれを見ると、特段、サムソンのスマホGalaxyのCPU(ExynosというARMベース)やグラフィック・プロセッサーの性能が良くはない。システム上の優位性は特に感じられられない。やはり営業政策に優れているのだと思われる。
スマートフォンCPU性能比較表(Geekbenchのシングルコアとマルチコアのスコアを掲載)
プロセッサ | スコア(マルチコア) | コア数 |
クロック
|
搭載端末(例) |
---|---|---|---|---|
Apple A13 Bionic |
13700
|
6 | 1.8GHz | iPhone 11,11 Pro,11 Pro Max |
Snapdragon 865 |
13200
|
8 | 1.8GHz | Glaxy S20/LG V60 ThinQ 5G/AQUOS R5G |
Kirin 990 5G |
12350
|
8 | 1.95GHz | |
Kirin 990 |
11640
|
8 | 1.86GHz | |
Snapdragon 855 plus |
11380
|
8 | 1.8GHz | ASUS ROG PHONE II/Galaxy Z Flip |
Apple A12 Bionic |
11267
|
6 | 1.5GHz | iPhone XS,XR,XS Max |
Snapdragon 855 |
10705
|
8 | 1.8GHz | Galaxy S10/Google Pixel 4/Xperia 1,5 |
Exynos 9825 |
10500
|
8 | 1.95GHz | Galaxy Note10 |
Apple A11 Bionic |
10188
|
6 | 2.39GHz | iPhone 8,8Plus,X |
Exynos 9820 |
10000
|
8 | 1.95GHz | Galaxy S10 |
スマートフォン用GPU性能比較表(スマートフォン用のSoCに搭載されているGPUの、ゲームのグラフィック描画性能を比較。掲載スコアは、『3D Mark Ice Storm Unlimited 1280×720 オフスクリーン』のGraphics Score)
3D Mark | 搭載SoC(例) | |
---|---|---|
A13 Bionic GPU |
208697
|
Apple A13 Bionic |
A12 Bionic GPU |
160199
|
Apple A12 Bionic |
Adreno 650 |
147310
|
Snapdragon 865 |
A11 Bionic GPU |
112489
|
Apple A11 Bionic |
Adreno 640 |
106814
|
Snapdragon 855,855 Plus |
Adreno 630 |
81385
|
Snapdragon 850,845 |
Mali-G76 MP16 |
70607
|
Kirin 990,990 5G |
Mali-G76 MP12 |
68654
|
Exynos 9825,9820 |
本題の、世界のスマホ市場であるが、日本のIT雑誌社BCNが、アメリカの調査会社のIDCの1月30日発表した2019年の世界のスマートフォン(スマホ)出荷台数シェアを以下のように掲載している。トップは相変わらず、サムソン、2位にAppleを抜いて浮上しているのがファーウエイ。この3社で、世界のスマホ市場の半分を抑えている。
具体的には、トップがサムスンで21.6%、2位がファーウェイで17.6%、3位がAppleで13.9%、4位がシャオミで9.2%、5位がOPPOで8.3%となった。
18年は、2位のAppleの14.9%に対して、3位のファーウェイが14.7%のわずか0.2ポイント差で肉薄していた。19年は、米中の貿易問題の影響を受けたファーウェイだったが、中国での販売を増やすなどしてAppleを抜いた。
19年の世界出荷台数は、13億7100万台で前年比2.3%減と前年を下回った。IDCでは「貿易戦争はまだ解決されてなく、武漢のコロナウイルスに関する新たな不確実性が浮上。ファーウェイだけでなく、すべてのスマホプレーヤーの中国におけるサプライチェーンで困難な状況が続くだろう」としている。
出荷減少の要因として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック、中国のロックダウン、そして世界各地でロックダウンが実施されたことを挙げる。中国は地域別で出荷台数の落ち込みがもっとも激しく、前年同期比20.3%の減少となった。世界出荷台数の4分の1近くを中国が占めているため、全体に影響を及ぼしたという。
世界がスマートフォンに関して中国のサプライチェーンへ依存していることもあり、他地域の出荷台数も大きく影響された。たとえば、米国は前年同期比16.1%減、欧州は同18.3%減となった。
2020年第1四半期における出荷台数の上位5ベンダーなどは以下のとおり。括弧内は、いずれも前年同期の数値と前年同期比。
●1位:サムスン電子
- 出荷台数:5830万台(7190万台、-18.9%)
- 市場シェア:21.1%(23.0%)
●2位:Huawei Technologies(ファーウェイ)
- 出荷台数:4900万台(5910万台、-17.1%)
- 市場シェア:17.8%(18.9%)
●3位:Apple
- 出荷台数:3670万台(3680万台、-0.4%)
- 市場シェア:13.3%(11.8%)
●4位:Xiaomi Technology(シャオミ)
- 出荷台数:2950万台(2780万台、+6.1%)
- 市場シェア:10.7%(8.9%)
●5位:vivo
- 出荷台数:2480万台(2320万台、+7.0%)
- 市場シェア:9.0%(7.4%)
●その他
- 出荷台数:7750万台(9350万台、-17.2%)
- 市場シェア:28.1%(29.9%)
●合計
- 出荷台数:2億7580万台(3億1230万台、-11.7%)
出荷台数(出典:IDCの公表データをグラフ化)
出荷台数ベースの市場シェア(出典:IDCの公表データをグラフ化)
出荷台数ベース市場シェアの推移(出典:IDC)